移住して住む場所を決めに行く




こんにちは、寝袋!です。移住までの記録2回目です。

私と相方、両方の親に告白し、北海道移住に向けて進み始めた私達。

移住って具体的にどこから始めればいいんだろう? まったくわからない状況でした。

「俺、一回北海道に渡って、住む場所とか仕事とか決めてくるわ!」

車に荷物を積んで引っ越しする予定ですが、やはり送らなければいけない荷物もたくさんあります。

そのためには送り先の新居が決まっていないといけないと思いましたので、まずは住む場所を決め、あわよくば職安などに行って、仕事も決められればと思いました。

キャンプ場で車中泊しながら住居を探す

移住先に決めている町へフェリーで渡ってきて、まずは町外れのキャンプ場にベースを決めました。

ここから町へ出掛けていって、不動産屋を探したり『入居者募集』といった看板を探すことにします。

私達は旅でこの町を訪れて滞在したことはありますが、「住む」という視点で町を見たことがありませんでした。当然、アパートがどこにあるかとか、どこが便利でどこが不便とか知りませんでした。

今から思えばなんにも知らないくせに、よくこの町に住もうと思ったものです。

さて、あるアパートで「入居者募集」の看板を見つけてやってきました。

大家さん、不審そうな雰囲気で私を眺め、

「今どこに住んでいるんですか? 仕事は?」

などと身辺調査してきます。言葉は優しいけど厳しい雰囲気を感じました。知らない町でオロオロしている私の様子も不審だったのでしょうか?

「実は今度移住してくるのですが、そのために住む場所を探しています」

「ええ? 仕事もなし? 本州から来て知り合いもいない? そんな人には部屋は貸せないなあ」

と断られてしまいました。そういうことが何度か続いて、ドンドン落ち込む私。

あとでわかったことなんですが、当時はオウム真理教が事件を起こした後で、信者たちは全国各地に身分を偽って逃げていたのです。そして、信者たちは怪しまれないように、男女ペアで夫婦ということにして逃げていたらしいのです。

「おいおい、俺たちオウム真理教そのまんまじゃないか!」

夜、キャンプ場に戻って作戦を考えた

夜、キャンプ場で車の中に横になりながら、寝袋の中で考えました。

「どうも無職というのがいけないみたい。じゃあ、先に仕事探してはどうだろうか?」

明日はまずは職安に行ってみよう。この町でどんな仕事があるかわかるし、そもそも仕事が多いのか少ないのか一度見てこよう。

おやすみなさい。明日はいい日でありますように。

職安なんてクソの役にも立ちやしない!

職安に行った私は叩きのめされました。

愛想の悪い事務的な職安職員、鼻で笑うように、

「こんな仕事の少ない時期に、住む場所も決まっていない人に仕事探すのは無理無理!」

と言いやがる。いやいや、ちょっと待て。

「普通に探せるなら直接探してる。こういう状況だから、職安を通じて便宜を図ってもらおうと思っている。私をどうぞ値踏みでもなんでもして判断して、信頼出来ると思ったら職を探してくれ!」

と言ってやった。ダメだった。(いや、私が信頼出来ないと思われただけか?)

くそーーっ。俺はお前らみたいな田舎人間じゃなくて、大学出て一流企業に努めているんだぞ! 馬鹿にしやがって(泣)

会社辞めてやると息巻いてるくせに、会社の権威や肩書きに頼ろうとするダメな自分に余計に腹が立つ。そういうものと無縁に生きたいと考えているのに、まったくダメじゃないか。

もう一回、作戦を練り直す。頼れるのは自分だけなんだから。相方が朗報を待っている。

私は嘘つきじゃない。必死なだけなんだ。

翌日、再び住居を探すことにしました。目立つ大きなアパートじゃなくて、裏通りとかの目立たないアパートにターゲットをしぼってみました。

ウロウロしていると、どこかの足の悪いお婆さんが声を掛けてきた。

「あんた、住む場所探してるのかい? そこの長屋、一部屋空いてるよ? この前出てったから」

え、マジですか! みると、今見ていたアパートの影に小さな古い長屋がある。

「あのう、大家さんってどこにいらっしゃるんですか? 教えてください!」

数時間後、私は人の良さそうな大家さんの前に座っていた。

「実は私、フリーで物書きをやっていまして(一晩考えて編み出した嘘の作戦)、住む場所を探しています。もしよろしければ部屋を貸してください。今から引っ越してくるまでの家賃も全部前払いしていきますので」

「いいよ、私も昔移住してきた口だし、多少書き物に興味もあるし・・・」

やったーーーーっ! 住む場所確保! その場でガッツポーズしたくなるのをこらえていました。

ちなみに移住後も、どこかに出かけるたびに

「ちょっと取材に行ってきます!」

と言ってたし、仕事を始めるときも、

「書き物だけではなかなか食べていけなくて」

と嘘をついていた。大家さんはきっと全部嘘だって見破っていたと思う。すみませんでした。お世話になりました。

とにもかくにも、こうやってまずは住居を決めることに成功しました。仕事は引っ越ししてきてから決めることにしました。

 

 

 

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