こんにちは、寝袋!です。移住の記録3回目です。
2人でフェリーに乗って故郷を離れた日のこと、じつははっきりとは思い出せません。
心配で仕方がない家族の思いは痛いほどわかってはいましたが、新天地へと旅立つワクワク感、ドキドキ感はそれを上回っていたように思います。
まるで、ちょっと長めの海外旅行に出かけるような、そんな軽い気持ちだったと思います。
会社の同僚との別れ
こっちはなんとも思っていないのに、悲しんでくれるヤツらが多かった。私がせいぜい感謝の言葉を口にするなら、
「サラリーマン生活のつまらなさを、短い時間で教えてくれてありがとう」
ぐらいしかない。
ただ、意外だったのは、今まで話したこともない人が、
「私も北海道好きで旅に行ってるから、気持ちはすごくわかります」
とか
「実は私も独立を考えているんですよ。お互いがんばりましょう」
などと声を掛けてくれるようになったことです。もっと早くお互いに気付いて、相談とかしたかった。
周りに人が居ないと思うのは、自分が心を閉じているからだと、少し反省しました。
友達との別れ
小学生の頃からずっと遊んできた腐れ縁の仲間との別れが一番悲しかった。
みんな応援してくれたけど、やはり遠い場所へ行ってしまうとなかなか会う時間は少なくなるだろう。
「こいつらとこのまま楽しくやっていくのもそれはそれでいいかもな」
と移住について後ろ髪を引かれたこともありました。
そんなとき、ある友人がある映画の題名を口に出した。その映画は
『Down by law』(ダウン・バイ・ロー)
というものでした。彼いわく、この題名はそのままスラング(俗語)で、
「好き勝手に生きていけるヤツこそ本当の仲間だぜ! いつも一緒に仲良くやってるヤツなんて、いざという時なんの役にも立ちやしねえ!」
という感じの意味らしい。その友人は、私の背中を押してくれたんだと思います。
仕事が決まるまでの半年
引っ越しとか家賃とかで、乏しい貯金はゼロになりました。
不況真っただ中で、仕事は少ない時期でしたが、失業手当が出ている間になんとか仕事を見つけなければいけませんでした。
私達の目標は移住ではなく、移住してペンションを開業することです。早く資金を貯めて、土地と建物を手に入れなければ!
田舎では学歴はなんの役にも立たず、むしろ邪魔になることが多かったように思います。
半年が経ち、失業保険が切れるギリギリになって、2人ともなんとか仕事を決めることができました。
北海道は給与水準がとても低いのに驚きましたが、前の会社で付き合いで消えていく金額を思えば、その差額はないに等しいと感じました。
田舎ではあまりお金を使わないで生活できると感じていました。
さあ、夢の土台は完成した!
こうして私達は、住む場所を手にいれ、仕事も決まって収入も確保して、
「私達は北海道に移住して生きています!」
とようやく言えるようになりました。故郷の家族、友達に報告して喜んでもらえたと記憶しています。
あとは、馬車馬のように働いてお金を貯め、ペンションを開業するだけです。そう、「だけ」って感じていました。
移住するまでと違って、遠い道のりですがシンプルなんです。ただお金を貯めればいいんですから。
これから4年後には土地と建物を手に入れるわけですが、どうやって資金を貯めたかなどを書いていきたいと思っています。