こんにちは、寝袋!です。
自然と人との付き合い方を書いた本はたくさんありますし、
「これは忘れたくない言葉だな」
という文章が入っている本だけでも、何冊か思い浮かびます。
今回はそんな中から、
センス・オブ・ワンダー(The Sense of Wonder)
という本をご紹介します。
登山というものを通じて自然を楽しんでいる人に、ぜひ読んでもらいたい本です。
とくに、これから結婚して子供を育てるような若い人は、この本を先に読むのと後に読むのでは人生変わるかも?
たった54ページ、30分で自然との付き合い方を思い出させてくれるリセットボタン。
「知ることは感じることの半分も重要ではない」
レイチェル・カーソンというアメリカの生物学者さんの著書です。
『沈黙の春』という世界的名著から、「環境保護」という考え自体が生まれたと言われます。
さて、こんなこと聞くと、ものすごく読みにくい、難しい本を想像してしまいます。
しかし、この「センス・オブ・ワンダー」は小学生でも読めるようなシンプルな文体なのでご安心を。
薄い本のなかに、印象的な言葉がいくつも登場しますが、私が1つ抜き出すとしたら、
「知ることは感じることの半分も重要ではない」
という言葉でしょうか。
カーソンさんは、
「星座の1つも知らないので、子供と星空を楽しむことができません」
という親に、
「星座の名前を教えることなんてどうでもよくて、一緒に『キレイだね』と感じて観ることで十分」
と伝えます。
たった54ページと14枚の写真
難しい漢字もなく、たった54ページの薄い本。
文字も大きくて写真も入るので、30分も椅子に腰掛ければ読み終わってしまいます。
そしてすぐに本棚に戻しておくのですが、1ヶ月後、もしかすると2ヶ月後、ふと目に入ったときにまた読んでしまうような本です。
頭を使わなくても良い(だから私にも名著なのです)ので、なんというか、心で読む感じ?
すんなりと染み込んできます。
友達を山に誘ったときに
私たちは山が好きで、自然が好きで出かけていきます。
ところが、油断するといつのまにか、感動を忘れてしまいがちです。
「この花は前にも見た、どこにでもある花だ」
「今日は曇ってるな。前来たときのほうが素晴らしかった」
というふうに。
自分がそう感じるだけでもつまらないものですけど、そういう人は周囲の人にもそう「言いがち」です。
「この花はどこにでもある花だよ。そんな花見ていないで先に行こうよ」
そんなこと言われたら、その友達はせっかくの感動の出会いを失ってしまいますよね。
これは、一般の登山者さんだけではなく、ガイドも含めて、他人を連れて行くときに注意するべきことだと私は思っています。
「この花の名前は、○○ダケ○○ソウ。あれは、○○キンバイ」
と何でも知ってる人が、良いガイド役なのではありません。
「この花、さっきもあったけど、岩陰ばかりに咲いているような気がするなあ」
などと、知ってるのに知らないふりで、気付かせてあげるのが、上手なガイドです。
何度も見ている光景でも、
「うわー何度見てもキレイなところだな」
なんて、ただ感動していれば、余計な説明などなくても同行者も一緒に感動してくれるものなんです。
私的「センス・オブ・ワンダー」
センス・オブ・ワンダー。
話はそれてしまったかもしれませんが、この本に書いてあることは、
自然(山)を楽しむときのコツ(というか原点)
です。
山の難易度とか、スタンプラリーとか、そういうつまらないものに気を取られつつあったら、ぜひこの本を開いてみてください。
「ああ、そうだ。自分が山に登り始めたのは、こういう気持ちだったんだよ~」
次に行くあの山と、キラキラした目と心で再会しましょう。
それが出来るから、私は何度も読み返すのですが、あなたもそうなってくれると嬉しいです。
子供を育てる前に出会うか、後に出会うかで、人生が変わるかもね。
こんな薄い本にこのレビュー数!
こちらも世界的名著。