こんにちは、寝袋!です。
(2020年春現在)山へ行けない(行かない)ので、暇つぶしに山のマンガを買ってみました。
私はマンガ好きで、いろいろなマンガを読みますし、山登りに関係あるマンガも買って読んでいます。
今回出会ったのは、たまたまネットで見かけた
『山を渡る 三多摩大岳部録』
というものです。
現在2巻まで発行されていましたので、2冊とも買って読んでみました。
はじめ、
「あまり好きではない、若い人向けの絵だな」
と思ったんですが、読んでみたら、
「これ、すごく面白い!」
とハマってしまいました。
大学山岳部を舞台に、素人が先輩に山登りを学んでいくストーリーです。
これが、山登りを始めた頃の「わかるわかる」が散りばめられていて、いいんですよねえ。
山岳部の良さ、若者の良さ、山登りの良さ、とても伝わってきます。
もう登ってる人はやさしーい気持ちになれるし、これから山に登りたい人は背中を押されるんじゃないかな。
目次
私は山マンガ大好きです
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山と食欲と私
私は山に限りませんが、本やマンガなどを読むのが大好きです。
山のマンガで今まで買ったのが、
- 神々の山嶺
- 孤高の人
- 岳
- 山と食欲と私
ですが、登山者の皆さんならみんな知ってる有名作です。
今続いているのが『山と食欲と私』だけでしたから、新しい楽しみが増えました。
久しぶりに面白い山マンガに出会った
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正直最初は期待してなかったのです
たまたま知って、ヒマなこともあって衝動買してしまいました。
「山岳部って書いてあるけど、女の子ばっかりじゃん。なんだかなあ」
「山を舞台にしてるけど、ただそれだけなんだろうな」
と、正直期待していませんでした。
大学山岳部が舞台です
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先輩が3人しかいない山岳部に、3人の新入生が入部してきます。
全員運動音痴で体力もなく、山登りも知識ゼロ。全員女子。
お金もない学生なので、先輩のてほどきで、古い登山道具を修理するところから始めます。
そして、低い山から登って、登山の良さに気づいていくのです。
私が感じた「山を渡る」のいいトコロ
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神々の山嶺
現在(2020年春)2巻まで発売されていて、巻末の情報によりますと、年に1冊ペースです。
まだまだ導入部で出会えたのはラッキーでした。
私が読んで感じた「山を渡る」のいいトコロ、書いていきます。
ネタバレしては台無しなので、その当たりは気をつけていきますね。
知識ゼロから始める山登り
なんといっても新入生は知識ゼロです。
興味があるだけ、山岳小説が好きなだけ、という感じで1から山登りを楽しんでいきます。
高尾山を登ることから初めて、山の楽しさを味わっていくのですが、その様子が微笑ましいです。
彼女らと同じような人は、
「あ、私も山へ行ってみたいな」
そう感じると思うなあ。
先輩と後輩とのギャップが面白い
先輩たちはベテランです。
山を知っている人たちと、山を知らない人たち。
私たちが普段感じるギャップを、先輩たちが乗り越えて教えていきます。
「そうそう、素人に教えるときってここからだよな」
とうなずきながら、先輩たちに共感する人も多いのでは?
意外と勉強になる①初歩から
最初に登る高尾山は、みんなジャージとか普段の運動靴で登ります。
そこで必要に感じたことを、順番にクリアーしていくんです。
レインウェアがないとどうなのか?
登山靴がないとどうなのか?
ヘッドライトがないとどうなのか?
下手な入門書を読んでいるより、こちらのほうが勉強になりますよ。
っていうか、この先輩たち、教え方が優秀です。
まるであなたが4人目の新入生みたいに勉強になります。
意外と勉強になる②安全対策
誰もロープを出さないようなところで、先輩がロープを出すシーンがあります。
他の登山者に笑われながらでも、
「周りの勢いに流されるな」
的なアドバイスをします。
これ、感動しました。
これが出来ない人がどれだけ多いことか!
作者さんはかなり山を知っている人なんでしょう。
道具を揃えていく楽しみ
新入生はお金がないので、「登山三種の神器」も買うだけのお金がありません。
学生さんってそういうものですよね。
そこでまずは、過去の先輩たちが残していった古いレインウェアを修理して、使うことから始めます。
次は登山靴。今では使わないような革製の重登山靴を、ピッカピカにします。
古い道具だけど、愛着を持っていく流れ、私は大好きなんですよね。
登山用品店でみんなお気に入りのカップを手にして、
「これでコーヒー飲むために山へ行こうよ!」
となるシーンは、こちらまで嬉しくなりました。
「そうそう、そうやって山へ行きなよ」
ってね。
山に向かうスタイル
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山岳部の6人だけでも、みんな性格はそれぞれ。
そこに、OBの登山用品店員、山で出会う登山者、山の売店のおじさんなどが、登場してストーリーを作っていきます。
みんな、
「ああ、こういう人、いるいる」
という、とても登山者心理を現しているキャラクターなんですよ。
たぶんあなたも、
「私はこの人とこの人を足して2で割った感じだな」
とか、共感できるでしょう。
山を知っている人が作る作品
山を舞台にした作品、たとえばマンガ、小説、映画、いろいろあります。
私はどれも好きですが、
「どうしても受け付けない・冷めてしまう」
ことがあります。
それは、作者が山のことを知らないで、適当に調べただけで、山を舞台にしただけの作品です。
リアリティが違うんです。
これは、うまく書こうと思っても、どうしても伝わってきてしまうものですよね。
この作品も、『山と食欲と私』が面白いのも、作者さんの経験がフィードバックされて、生の感触があるからだと私は思っています。
年1冊という遅いペースが残念
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岳
私は今回2冊まとめて読みました。
巻末の発行日を見ると、
- 1巻・・・2018年12月15日
- 2巻・・・2019年12月13日
となっています。
「うわー、3巻が読めるのは2020年12月?」(実際は2020年9月に出ました。ペース早まってる?)
ずっと先ですね。
もっと早いペースで読めればいいのに、とても残念です。
3巻発売されました
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山岳部はテント泊の世界へ
先日(2020年9月)、第3巻が発売されました。
山岳部の新入生は、初めてのテント泊登山へ向かいます。
今回はテント設営から食事の準備など、ハウツー的なノウハウも多かった印象です。
改めて感じたのですが、
「この作者さんは山の楽しみ方を伝えるのがうまいなあ」
と思いました。
この漫画を読んで共感した人は、登山といい付き合い方が出来る!
私はそう思うなあ。
4巻発売されました
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ますます面白し4巻突入!
2021年8月、4巻が発売されました。
部員たちは南アルプスへ初めての「2泊」で出かけます。
高山病やステーションビバーク(駅寝)など、山屋なら思わずクスリとくる小ネタも満載です。
そして、10日を超える夏合宿の準備へ。
ここで少し、まだ読んでいない人のために、簡単な各巻の流れを紹介しておきますね。
どんどん、たくさんのひとが読んでメジャーになって欲しいなあ。
1巻 | 山を何も知らないド素人が、山登りの世界を知る。初めての山登り。 |
2巻 | ちょっとステップアップ。どんどん広がる山登りの世界。 |
3巻 | 山で寝る! |
4巻 | 初めての森林限界。成長・自立していく新入部員。 |
次巻が待ち遠しい
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孤高の人
次巻はいよいよ、山岳部らしくテント泊登山です。
新入生たちは、思いザックを背負う訓練もし、道具の使い方を覚え、くっさいテントもきれいにし、山で一晩をすごしにいきます。
6人でテント2つ、ご飯は共同で米を炊くところから。
はたしてどんな山行が待っているのでしょうか?
そうそう、全体を通してひとつ共通していることがありました。
この作品は、山登りを味わうことが出来ることに加えて、山岳部というものを味わうことが出来ます。
空気感、若者感、とってもよく表現されているんです。
試しに1巻、読んでみたらいかがでしょう。
今から山岳部に入るのは無理でも、山に登りたくなります。
山マンガ、こちらもどうぞ
こちら大人気の『山と食欲と私』。食事には興味のない私ですが、登山者の心理描写が細かくて好きです。
山マンガのヒット作。山岳レスキューが舞台でした。
原作は夢枕獏の小説ですが、谷口ジローさんの絵が素敵なので、マンガもいいですよ。
同名小説を現代風にリメイクした作品です。加藤文太郎ファンとしてはちょっと「?」な面もありますが、こういうのもアリかな。
私には絵がちょっと可愛すぎるので、没入できないのです。絵が大丈夫だったら人気作ですから面白いでしょう。