こんにちは、寝袋!です。
愛用している九谷焼のカップを不注意で欠けさせてしまった。
旅先で買って気に入っているものだし捨てるには惜しい。
そこで、「金継ぎ」という手法で修理してみることにした。
初めてやるのでどうなるかわからない。とりあえずやってみる。
金継ぎとは
本来は漆(うるし)を使ってやるらしいが、素人には難しいようだ。手で触るとすごくかぶれて大変らしい。
いろいろ調べてみると、初心者向けに「合成うるし」なるものが販売されていた。
「合成うるし」というものの、漆の成分を含んでいるとかそういうことではなく、
「漆っぽい感じの接着剤」
ということらしい。
金継ぎすると味が出て、かえって渋くなるという場合もあり、わざわざ陶器を割って金継ぎする人もいる。
今回の患者さん
あちゃーー。台所で洗っている時に他の食器とぶつけてしまった。
写真には写っていないが、持ち手の反対側なので、口を付ける場所ではない。
本来は、パテで埋めてから表面だけ漆を塗るのが正しいやり方らしい。
だが、パテを盛るには薄い「欠け」のような気がするし、多少パテっぽい性質を持っている漆なら、厚塗りで埋められるのではと考えた。
合成うるし
どの合成うるしが良いのか私には判断できないので、ネットで探したもので評判が良くて安いものを選んだ。
釣具などを直すのに使うようで、食器を直さないように注意書きがしてあった。
本当だろうか? 実際に食器を直しているレビューもあったし、問題ないだろう。
作業開始!
まずはこの「合成うるし」というものが、どのくらいの粘度なのか見てみる必要がある。
シャワシャワ過ぎるとパテ代わりには使えないだろうし。
少量出してみた
あれ? 思ったより柔らかいな。
パテと言うよりあきらかにボンドっぽい粘度をしている。これは想像とは違うぞ。
金粉を混ぜる
合成うるしの上に付属の金粉を落とす。適量がよくわからない。
とりあえず混ぜてみる。
つまようじを使って、合成うるしと金粉がよく混ざるようにこねくり回す。
全体が金色になったが、はたしてこれでいいものかどうか。
まずは試しに
じつはもう一つ欠けたご飯茶碗があるので、それで試しにやってみる。
人前に出ることのないご飯茶碗なので、失敗しても問題はない。
欠けた大きさは九谷焼より少し小さめなので、これでうまくいかないようだったら、九谷焼の欠けは到底直せないということだ。
ちょうどよい実験となる。
盛ってみた。
『乾いたあと、キレイに磨いていく』という作業工程があるので、やや厚めに盛っておいた。
うん、これでうまく乾けばいい感じになるかもしれない。
人体実験しているみたいでこのご飯茶碗には申し訳ないが、ちゃんと使うので許してほしい。
本番
いよいよ本番の九谷焼に取り掛かる。
飲み口を下にしているのは、粘度が思ったよりないので、合成うるしが下に流れるからだ。
この向きで固定して乾燥させれば、ちょうど飲み口のほうに溜まるのでいいだろう。
乾燥
漆というのはとても乾燥に時間がかかるらしい。
合成うるしもその特徴は受け継いでいるらしく、冬場だと5日程と書いてあった。
北海道は寒いし、多めに考えて一週間待てば乾くだろう。
ちなみに、
「決して厚塗りはしないでください。薄く何度も塗るようにしないと、飛躍的に乾燥時間が伸びます」
と注意書きが書いてあった。
「多少長くなっても、最終的に乾くのならばOK」
と考えたのだが、これがじつは大間違いで、大失敗になってしまった。
続く。