こんにちは、寝袋!です。
登山における防寒着として、とっても便利な化繊インサレーション。
ダウンウェアほどの保温性や軽さはないけれど、いつでもどこでも濡れを気にせず、使い倒せる利便性が魅力です。
長期縦走やハードな山行になればなるほど、ダウンよりも安定感があります。
その中で、私が長年愛用しているパタゴニアのナノパフを紹介します。
コンパクトなのに暖かく、濡れにくく、ラフに使っても長持ちする、そういう防寒着を探している人はナノパフです。
目次
ナノパフシリーズの位置づけ
パタゴニアの製品に慣れていない方は、製品群の特徴がつかめない場合もあります。
パタゴニアに限らず、カタログなどを見ると、
「最高の、優れた、あらゆるシーンに、」
などという言葉があふれていて、
「いったい私の買うべきはどれなんだ!」
と、カタログを放り投げたくなります。
まずは、シリーズごとの「おおまかな」特徴を比較してみました。
ナノパフ | マイクロパフ | ナノエアー | ダウン | |
保温性 | ◯ | ◎ | ◯ | ◎ |
耐風性 | ◯ | ◯ | △ | ◯ |
透湿性 | △ | △ | ◎ | △ |
収納性 | ◯ | ◎ | △ | ◎ |
耐久性 | ◯ | △ | ◯ | ◯ |
価格 | ◯ | △ | ◯ | △ |
ナノパフ | 定番化繊インサレーション。弱点なし |
マイクロパフ | 軽さを重視した高級ナノパフ。高価。耐久性やや疑問。 |
ナノエアー | 透湿性をもち行動中でもOKな万能ウェア。 |
ダウン | 軽くて最高の保温性。濡れという致命的弱点。 |
単純な性能比較だけでは表せないので、あとでそれぞれ比較します。
「どういうシーンで使いたいのか?」
「どういう物を自分は求めているのか?」
を、頭の中で整理して、ぜひ読み進めて欲しいと思います。
「これ買っとけば全てにベスト!」
と言えるものではなく、どれにも長所短所があるのです。
そんなベストなものがあるのなら、他はカタログから消えちゃうでしょ?
ナノパフジャケットの詳細
それでは、長年に渡るナノパフシリーズを見ていきましょう。
私は以前、某ブランドの化繊インサレーションウェアを使っていました。
しかし、5年ほど使用すると、中の化繊が偏ってしまったのです。
また、どんどん潰れてカサが減っていくと同時に、保温性も悪くなっていったのでした。
そこで評判だったパタゴニアのナノパフを購入したという経緯になります。
ナノパフは、
「全体がレンガの壁のようなブロックパターン」
になっていて、その一つ一つに化繊が封入されているのです。
それによって、化繊が偏らないようになっています。
最初、
「こんな少ない化繊で本当に大丈夫?」
と思いました。
その前に使っていたものより、薄くてペラペラだったからです。
しかし、着てみると不思議な事に、とても温かいのですよ。
ナノパフシリーズの特徴の一つに、収納性の良さがあります。
胸の内ポケットのファスナーを開けて、その中にグイグイと押し込んでいくと、ポケット自体がスタッフバッグの代わりになります。
小さく収納できる。もっと圧縮できるので、ザックの中ではもっと小さくなります。
軽さと保温性のバランスで、ナノパフシリーズは長い間定番として君臨しているのです。
それでは、具体的に他のものとどう違うのか、見ていくことにしましょう。
どっちを選ぶ? VSダウン
1番悩むのは、
化繊orダウン
ということだと思います。
ダウンの唯一にして致命的な弱点
軽量性、保温性は間違いなくダウンが優れています。
だた、ダウンには
「濡れると一気に保温性を失う」
という致命的な弱点があるのです。
唯一で最大の弱点です。
- 化繊・・・濡れてもある程度の保温性
- ダウン・・・濡れたら一気に保温性を失う
『濡れ』はこう起きる
山で『濡れ』とはどういうシーンで起きるのでしょうか?
雨や雪で起きるだけならそう苦労はしません。
次のような原因で『濡れ』が起きてしまうのが怖いのです。
- ザックの中への浸水
- テント内でうっかり水をこぼす
- 体の湿気(とくに縦走時)
上2つは、私のようなオッチョコチョイじゃなければ、起きないかもしれません。
私も実際まだ濡らしたことはありませんが、「もしも」が怖いです。
そして、「いつかはやる」と思ってもいます。
それより、避けられないのが、テント内で実際に着ている時間に少しずつ湿っていくことです。
1日目は快適だったのに、夜を過ごすうちに、どんどんダウンが寒くなっていくのがわかるのです。
「ダウンは縦走に弱い」
と、私は判断しました。
それで、今はナノパフを常用しています。
どんな用途にも完璧な保温性を提供する、軽量で防風性を備えた定番のダウン・セーター・ジャケット。リップストップ・リサイクル・ポリエステル100%製シェルと800フィルパワー・アドバンスト・グローバル・トレーサブル・ダウン(強制給餌や生きたまま羽毛採取が行われたものでない鳥から供給されたことが、親農場から被服縫製工場まで追跡され保証されている、NSFインターナショナルの認証済みグースダウン)のインサレーション入り
どっちを選ぶ? VSマイクロパフ
マイクロパフ?
ナノパフというものがあるにも関わらず、パタゴニアは新たに
マイクロパフ
というものを投入してきました。
ダウンように軽くて、ナノパフより保温性が高い?
完全に上位互換?
「おいおい、ナノパフの立場は?」
お題目通りですと、間違いなく最高ではないですか!
ところが、カタログからはナノパフが消えていません。
「マイクロパフシリーズはたしかに高価だし、廉価版として残ったのかな?」
と思いました。
しかし、
マイクロパフフーディ | ナノパフフーディ | |
公式価格 | 39,960円 | 34,020円 |
この程度の価格差しかないのが意外なのです。
この価格差なら、ナノパフをあえて選ぶ人はいないのではないでしょうか?
そこには理由があると思います。
私の推測
素材 | |
マイクロパフ | 0.7オンス・10デニール |
ナノパフ | 1.4オンス・20デニール |
私の頭で考えうる推測を、ここで書いておきます。
軽量化に特化したマイクロパフシリーズは、(まだ、今のところ、)耐久性に疑問符がついているのではないでしょうか?
単にナノパフの中身を入れ替えて、
「ナノパフの、中身のインサレーションを改良してバージョンアップ!」
ですと、商品的にインパクトが少ないと思われます。
そこで、徹底的に軽量化したシリーズとして、新たに発売する必要があったのです。
結果、
「ナノパフよりは、いささか耐久性が落ちるかも」
と、パタゴニア自身が疑問に思っているのではないでしょうか。
今のナノパフが使えなくなったときには、マイクロパフの真価も判明していると思うので、その時まで私は待ちます。
もし耐久性が示されれば、これ、最強だと思います。
それこそその時は、ナノパフは消えると思います。
すぐに買って試せる、お金持ちならいいんですけれど。
耐水性を備えダウンのような温かさを提供し、パタゴニアのジャケットの中で重量に対する保温性が最も高い超軽量ジャケット。ダウンに代わる羽根のように軽いプルマフィル化繊のインサレーション入り
不満のないナノパフだけど、マイクロパフとはどのくらい違うのか?
買い換える必要はあるのか?
結局興味を抑えきれず買い足して、使い込みましたので、感想をこちらで書きました。
結果は?
どっちを選ぶ? VSナノエア系
ナノエアシリーズは、用途が全然違います。
ザックから取り出して着る防寒着ではなく、入山から下山まで、ずっと着たままの行動着なのです。
詳しくは、ナノエアだけで記事にしているので、ぜひそちらを読んでいただきたいと思います。
「ナノエアとナノパフ、どっちがいいかな?」
と悩むのは、ややピント外れかもしれませんね。
写真をクリックすると、公式サイトでより詳細な解説とレビューが見れますよ。
保温性と伸縮性に加えて優れた通気性を提供し、動いたり止まったりを繰り返す山での激しい有酸素運動でも継続的な着用が可能なフーディ。フルレンジ・インサレーションを採用し、ソフトな肌触りながら耐久性に優れたシェル素材
まとめ
さむ~い山の上で、ザックから取り出してサッと着るための防寒着。
「ダウンがいいの、化繊がいいの?」
「化繊もたくさん種類があってよくわからないんだけど?」
そういう人は多いと思います。
今回、パタゴニアのナノパフシリーズを紹介しました。
「化繊インサレーションの防寒着」
として弱点のない優れものです。
どうしてナノパフが大人気で、不動の存在なのか、使えばきっとわかっていただけるかと思います。
軽くて、コンパクトで、風を防いで、温かい。
暖かさならマイクロパフが上ですが、ナノパフの万能さも捨てられません。
あなたはどちらを選ばれますか?
写真をクリックすると、公式サイトでより詳細な解説とレビューが見れます。
参考にしてください。
防風性と耐水性を備えた温かいジャケット。シェルと裏地にはリサイクル・ポリエステル100%素材、インサレーションには温かく非常に軽量でコンパクトに収納可能な60グラム・プリマロフト・ゴールド・インサレーション・エコ(消費者から回収されたリサイクル・ポリエステル55%)を使用