こんにちは、寝袋!です。
夏の登山中に、うっかりデジカメを池に落としてしまいました。
落としたカメラは富士フィルムのAPS-Cコンデジ『X70』です。
たしか当時9万円前後で買ったお高めのコンデジで、防水性はゼロです。
ショックを受ける私に、仲間が、
「ちょっと待って!ヘタに触らないで!」
と叫びました。
うまく行けば、運次第ですが復活できると言うのです。
結果からご報告しますと、なんと無事に復活しました!
「まさか、もう一度このカメラが使えるとは・・・」
だって、中まで水浸しだったんですから。
デジカメ水没からの復活の方法、記録しておきましたので参考になれば。
今これを読んでいる人は、きっとカメラ水没させちゃった人でしょう。
うまく復活するといいですね!
目次
水深15cmのところに完全水没!
まずはどういう状況だったか簡単に説明を。
登山途中に立ち寄った標高1,500mほどにある池。
そこのほとりで花の写真を撮って、そこで人に呼ばれて「とっさに」ジャケットのポケットへ。
それからなんだかんだして、気付くとポケットにカメラがないではありませんか。
「どこで落としたものか・・・」
と探していると、池の中に沈んでいる姿を発見してしまいました。
「うわーー」
と取り上げて確認しようとすると、仲間が、
「ちょっとまって! ヘタに触らないで!」
と言うのです。
なかなかお高めのコンデジで、お気に入りですし、防水性もないので、一刻も早く救出したいのに!
カメラの様子を写真に撮ったので、
「おいおい、そのためかよ~」
と思いましたが、じつはそれはおまけ(必要だったのか?)でした。
その仲間、以前にカメラを水没させたことがあって、そのときに対処法を調べて知っているというのです。
カメラ水没のときには絶対に電源を入れない
「まずは、絶対に電源を入れないこと! 動くか確認したくなるけど、それやったらアウトだから」
カメラというのは、電気が通るからショートして壊れるらしく、電気さえ通らなければ案外大丈夫だと。
落としたときには電源はオフでしたから、可能性はあると言うのです。
すぐにやるべきこと
池から上げて、仲間が指示を飛ばしてきます。
バッテリーを外す
まずはバッテリーを外します。
水に浸かった時点で漏電とかしてそう(電気系苦手です)ですが、とにかく外します。
SDカードなどを外す
次に、もしカメラがご臨終でも、それまでに撮った写真データを守るために、SDカードなどを外しておきます。
カメラを水没させてわかったのですが、そのときに一番心配だったのは、カメラより写真データでした。
カメラはお金でなんとでもなるけど、思い出はプライスレスってやつですね。
なるべく水を出す
次に、開けられるようなフタとかと全部オープンにして、なるべく水切りをしました。
「案外水は入っていないのかな?」
と思うほど、カメラの中の隙間って狭いみたいです。
あまり水は出てきません。
でも、実際は、水が抜け出てくるような隙間がないだけで、中には当然水が溜まっていました。
レンズの中で左右に揺れる水を見ると、正直げんなりします。
さて、山などの出先で出来ることは、ここまでです。
あとは、帰ってからの作業になります。
「塩水じゃないし、水もキレイだし、中がサビる前に水分が出せるかが勝負」
ということらしいです。
私が家に帰ったのはそれから2日後で、それから次の作業に入りました。
帰ってからの復活手順
カメラ内部はいつまでも乾燥しません
さて、私の感覚では、
「水が入ったということは隙間があるということだから、干しておけばいつか水分はなくなる」
と思いましたが、そうではないのです。
口の狭い容器の中の水分がいつまでたっても無くならないのと同じで、狭いカメラの中は通気性がなく、いつまでも乾きません。
登山者の方なら、プラティパスがいつまでも乾燥させにくいので、ご存知のかたも多いでしょう?
時間が経つと、水分が基盤などをサビさせてしまって、アウトらしいです。
使うのは乾燥剤とジップロック
そこで、タンスなどに使う乾燥剤(シリカゲル・お菓子などに入っているアレ)を使うのです。
まずは、小さなジップロックに、カメラと乾燥剤を入れます。
ジップロックに入れるのは、空間を小さくして乾燥剤の効果を発揮させるためです。
空間が大きいと、周りの空気の水分ばかり吸い取ってしまいますからね。
そしたら、それを大きめのジップロックに入れて2重にします。
「2重にするのはなんとなく。より密閉する感じがするから」
だそうです。
乾燥剤はどんなものでも良いのですが、交換の目安がわかるものが便利です。
私が使ったものは、乾燥剤の中に青い粒が入っていて、水分を吸うと赤色に変わるというものです。
普段乾燥剤なんて使わないので、こういう目印があると便利でした。
粒が赤くなると取り出して、新しい乾燥剤と交換します。
ちなみに赤くなった乾燥剤も、天日干しするとまた青く、使えるようになります。
最初のうちはすぐに赤くなりましたが、それがゆっくりになっていって、そのうち赤くならなくなります。
つまり、
カメラの内部の水分を全部吸い取った
ということになります。
見た目でわかりやすかったのは、レンズの中の水滴がどんどん小さく消えていったことです。
上の写真ではあと少し水滴がありますが、
「これはもしかするとイケるかも!」
と思った瞬間でしたね。
カメラが復活できた理由
そうして水没から1週間後、乾燥剤の色も変わらなくなって、バッテリーを充電し直して、試してみたのでした。
すると、なんと復活しました!
時刻などの設定などは全部消えて、リセット状態でしたが、すべての動作が普通にできました。
ボタン設定が変わっていたので、一瞬違和感がありましたが、故障ではありませんでした。
良かった~(涙)
さて、振り返ると、わかったことがあります。
「なぜカメラが水没から復活できたのか?」
電源を入れなかった
これは仲間に感謝ですが、水没後に電源を入れなかったのが何よりも良かったようです。
写真撮ってイライラさせた(笑)けど、結果的にこうしてブログにも使えましたし、仲間には感謝です。
自分だけだったら、きっと電源入れて終わってただろうなあ。
塩水じゃなかった
海ではなく、山の池でしたから、淡水でしかもキレイな水だったのも幸運でした。
塩水ですと、乾燥させても塩分が残って、サビますから。
また、ゴミなどが少なかったのもラッキーでした。
山の池にバンザイ。
運が良かった
何より、結局は「運」だったと思っています。
落としたときに電源オフだったことや、水質もですし、仲間がアドバイスしてくれたことも、仲間が以前に水没経験あったことも。
同じようにやっても、復活するかしないか運命は分かれるらしいので、たまたま幸運だったということでしょう。
デジカメやスマホを水没から復活させよう
私のカメラは、幸運にも水没から復活することができました。
液晶画面の隅がひび割れてしまいましたが、使用上は問題ないですし、たいしたことではないです。
池に沈んだカメラを見た時は、かなりショックでした。
フジフィルムの高級コンデジでX70というのですが、もう生産されていません。後継機のXF10というのは、液晶がバリアングル(可動式)ではなく、ダイヤルの数も少ないのが気に入りません。実質後継機のない機種なんです。
今まで使ってきた思い出、カメラを買い替える出費、何を買えばいいんだという絶望感に襲われて、
「どうしてポケットのジッパーを締めなかったんだ!」
と悔やみました。
それがまさか、もう一度使えるようになるなんて!
今カメラやスマホを水没させて調べているあなた、電源は入れていませんか?
そうじゃないあなた、もしものために覚えておいてくださいね。
なにより、私のように大切なカメラを落とさないように、気をつけてくださいね。
あの気分、味わってからでは遅いですよ!
ちなみに私が落としたカメラはこれです。APS-C素子の高級コンデジ。もう中古品しかありませんので買うべきものではありませんが、名機だと思っています。今ならリコーのGR3ぐらいでしょうか。