こんにちは、寝袋!です。
春から初夏にかけて、各地の山々で行われる「山開き」。
時々、
「山開きって、その年の登山シーズンが始まるってことでしょ?」
「山開きの前って、やっぱり登っちゃダメなんですよね?」
と聞かれます。
その気持ち、よーくわかります。
私も最初はそう思っていましたから。
答えはじつは複雑で、良いとも悪いとも言えます。
山開きについて、詳しく知ってください。
目次
山開きとは?
安心して登れる季節
一般的に「山開き」とは、地元の山岳会など、その山に詳しい団体が行います。
「山開きのあとは、安心して登れますよ! みなさんどんどん来てくださいね」
という、外部に向けてのアピールといった意味合いがあります。
登山道の整備
山開きの前(山開きで行う場合もある)には、その団体が登山道の整備を行います。
冬の間に荒れた登山道を、実際に登ってみて確認し、補修が必要だったら直しますし、ダメなら通行止めにします。
倒れた看板、ピンクテープ、そういう物を設置し直すわけです。
山小屋の営業
山小屋のある場合には、山小屋の営業開始も兼ねることもあります。
「山開きの後は、誰かがいて食事や寝床の提供を始めますよ」
という合図でもあります。
警備隊の存在
さらに、北アルプス等の場合は、安全面に尽力してくれる山岳救助隊(警備隊)の常駐が始まります。
登山道のパトロール、出張所での待機を通じて、登山者の安全に目を配ってくれるのです。
山開き前に登ってもいいですよ
上で書いたことでおわかりかと思いますが、山開きが宣言された山では、
登山者が安全に安心して登れる状態
になったことを意味します。
ですから、初心者の人や自信のない人は、山開きのあとで登るのが良いと言えるでしょう。
では、最初の質問に戻って、
「山開きの前に登っちゃいけないの?」
の答えはというと、
自分で判断して登れる人は、山開き前に登ってもいい
のです。
「登山道が安全かどうか?」
「危険はないか?」
そういうことを判断出来る人は、山開きよりずっと早く山を楽しんでいます。
極端に言えば、冬山や残雪期を登る人は、みんな山開き前ですしね。
例外もありますので、それは下で話します。
例外はこちら
山開きの前には登ってはいけない山があります。
それは以下のような場合です。
登山道閉鎖
登山道や登山口に至る林道が、通行禁止になっていて、
山開き=通行禁止解除
という山は結構あります。
これは林道の管理部署が安全のために処置している場合が多いので、これに違反することは、ゆくゆくは登山禁止などに繋がります。
絶対に破ってはいけません。
橋を架ける
雪深い土地では、冬期に橋が撤去されている場合があります。
橋を設置し直す=山開き
という場合があり、注意が必要です。
冬期入山禁止
「山は自由に出入りするところだぜ! 登れるかどうかは俺が決めるぜ!」
「特に冬山はそういう世界だろ?」
という人もいるでしょう。
しかし、山によっては、冬期は入山を禁止(制限)されている場合があります。
例えば北アルプスの剱岳が有名ですが、登山計画を提出し許可をもらわなければ入山できません。
山開き前の登山まとめ
以上、山開きは、地元の登山団体が、
この山は誰でも安全に、安心して登れる準備が出来ましたよ
と登山者に周知するイベントです。
決して、山開き前に登ってはいけないということではありません。
ただ、
- 登山道の整備が終わっていない
- 通行できない場合があるかもしれない
- 危険が潜んでいる場合がある
- 救助体制が不十分
ことを充分に意識して、より慎重に計画するべきでしょう。
早い時期には、残雪の白と緑のコントラスト、雪の下から現れる小さな高山植物などの楽しみがあります。
山開きというイベントをしっかり理解した上で、どんどん楽しんでください。
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