「ペグが抜けない方法」覚えておきたい基本とクロス打ち




こんにちは、寝袋!です。

登山でもキャンプでも、テントを固定するためのペグの打ち方は大切です。

「地面に刺さってれば大丈夫でしょ?」

なんて軽く考えてたら、強風のときに吹き飛ばされて、テント倒壊にまっしぐらです。

「ペグなんて、手で抜ける程度の短い棒」

に過ぎませんからね。

「抜けにくいペグの打ち方ってあるんだろうか?」

と考える、一歩進んだキャンパーのために、

クロス打ち

という方法をお教えしましょう。

知っていると、きっと役立ちます。

周りの人が慌ててる嵐の中で、あなたはテントの中でグッスリ。

これであなたも「ペグ打ちの上級者」です。

まずはペグ打ちの基本

モンベルのステラリッジと付属ペグで説明します

まずは、「ペグを抜けにくくする方法」の前に、基本的なペグの打ち方をおさらいしましょう。

角度について

簡単な図を描いてみました。

ペグがもっとも保持力を発揮できるように大切なことは、

ペグとガイライン(ロープ)が直角

になることです。

たまに、ペグを地面にまっすぐに刺している人がいますが、それは間違いです。

どこまで打つ?

ペグは、なるべく深く打ち込みましょう。

あとで説明しますが、

「撤収するときに抜けないから」

と頭を長く出すのは、感心しません。

深く打ち込めば、そのぶんペグは強く保持してくれます。

私は、ガイラインをかける場所が、かろうじて地上に出るくらいまで打ち込みます。

抜けにくい打ち方「クロス打ち」

さて、基本的なペグの打ち方は出来ているとして、それでも、

ペグが抜けやすい状況

というのがあります。

  • 強風が吹き荒れる時
  • 地面が柔らかすぎてペグが効かない

ときです。

強い力でガイラインが引っ張られて、ペグの刺さっている穴が、ガイライン方向に大きくなります。

そして結果的に、ガイラインに引っ張られて抜けてしまうのです。

クロス打ちとは?

そこで登場するのが「クロス打ち」という方法です。

ペグが抜けないようにする工夫は、あとで説明するようにいくつかあります。

「クロス打ち」は、ペグの打ち方を工夫して強化しようという方法になります。

クロス打ちの方法を写真説明

通常に打った場合

見るからに地面が柔らかく、ペグがグラグラしています。

ペグが引っ張られるのを支えるように、もう1本打つ

本来のペグがガイライン方向に引っ張られるので、それを防ぐために、もう1本のペグを打ち込みます。

ここでは説明のために、違うペグを使います。

打ち込んだあとは、こんな感じです

拡大してみるとこんな感じです

ガイラインを本来のペグで支え、そのペグを、もう1本のペグで支えるのです。

これで地面の保持力が強くなります。

地面の中でこうなっているイメージ

地面の中でどうなっているかというと、上の写真のような感じです。

クロス打ちが強い理由

単純計算ですが、クロス打ちの場合は、ペグを保持する地面の面積が2倍になります。

面積が2倍⇒抜けにくさも2倍

というわけです。

「じゃあ、太いペグを使ったら一緒じゃないの?」

と思いますが、その場合はペグを打ち込む苦労も2倍になるんですよね。

クロス打ちは、

「簡単に打ち込めるペグを2回打つ」

ので、1本のペグ打ちの苦労は変わらなのが長所です。

クロス打ちの欠点

クロス打ちにも、欠点はあります。

それは、ペグの本数が増えることです。

本来12本必要なテントだったら、全部をクロス打ちすると24本も必要になってしまいます。

私の場合は、16本にしています。

ペグが折れた時の予備も兼ねて、それくらい余裕があると十分です。

要所だけをクロス打ちして、他にも必要な場合は、その他の方法で対応しています。

ペグ抜け防止のいろいろな方法

クロス打ち以外にも、ペグを抜けないようにする方法はあります。

ただ、読んでもらえばわかりますが、可能か不可能か、現地に行くまでわかりません。

石で補強する

シンプルイズベスト。ペグの上から大きな石を載せる

ペグが抜けないようにする方法で、一番簡単なのが、上に重い石を載せることです。

風の力ってかなり強いので、簡単に持てるような石では役に立ちません。

両手でようやく持てるくらいの、なるべく重い石を選びましょう。

石がない場合は、もちろん出来ない方法です。

ハイマツに固定する

ガイラインをハイマツなどに結ぶ方法もあります。

この場合はペグを使いませんが、周囲にちょうどハイマツがあるかどうか、運任せです。

木は強いので、安心感は抜群です。

参考「最強ペグをお探しの方へ」

ペグは抜けないことも大切ですが、それと同じように、

「どんな地面でも刺さりやすい」

ことも大切です。

ペグにこだわる人が知っている、登山者向け軽量最強ペグがあります。

最強の軽量ペグ(MSRカーボンコアステイク)のおすすめ

2018年11月21日

参考「深く打ちすぎて抜けないのが怖い方へ」

初心者にかぎらず案外多いのですが、

「ペグを深く刺さなければいけないのは知ってるよ」

「でも、深く刺すと抜けなくなるから、ちょっと長めに頭を出しておくんです」

という人です。

抜けにくいのがいいペグなのに、抜けやすいようにしておくとは、支離滅裂です。

どんなペグでも「宝の持ち腐れ」になってしまいますよ。

「ペグをどれだけ深く刺しても抜ける方法」

を準備していないから、そんなこと言ってるんです。

プライヤータイプのマルチツールを、ザックに忍ばせておくだけです。

【レザーマンスケルツールCX】登山におすすめ万能マルチツール

2018年11月23日

参考「クロスペグ?」

「クロス打ち」とは別に「クロスペグ」という言葉があります。

これは、断面が「X」になっているペグのことです。

通常の「V」断面より保持力が強いものです。

ペグはテント泊の命綱

これもクロス打ち? ダブル打ち?予備があればこれも可能

登山を続けていると、いつか、テントが危機にさらされる時が来ます。

一晩中荒れ狂う暴風でテントがゆすられて、中から手で抑える夜。

ガイラインが緩んで、外に出て締め直す夜。

テント自体が潰れてしまって、潰れたテントの中で過ごす夜。

眠れない夜というのは、長いものです。

テントは、ポールだけでは弱いものです。

ポールなんてすぐに折れちゃいます。

ガイラインを張って、ペグで地面に固定して、初めて強さを発揮するのです。

「命綱」なんて言葉がありますが、ガイラインが切れることは、まずありません。

だからこそ、

ガイラインを地面に固定するペグこそが命綱

なのです。

  • 石や木がなくても
  • 予備のペグさえあれば
  • 自分で可能な

ペグの補強方法「クロス打ち」を覚えておきましょう。

「悪天候でも強いテントを張れる人」

クロス打ちをマスターして、あなたもそうなってください。

ペグハンマー、重いから、山には持っていけないよねえ。

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