こんにちは、寝袋!です。
富山県の立山、石川県の白山、両方とも有名な山です。
県も隣り合わせのこの2つの山は、なにかと共通する地名、似た地名が多いです。
例えば「室堂(むろどう)」です。
どちらの山にも室堂はあって、どちらも登山ベースという似た位置づけでもあります。
「室堂以外にも似た地名多いよなあ・・・」
以前から感じていたのですが、地図を引っ張り出して一覧表にしてみると、思っていた以上にあったので紹介します。
目次
登山あるある「室堂ってどっちの室堂?」
立山と白山、近い地域にあるうえに、地名が混同しやすくてまぎらわしい。
「あ、白山行ってきたんだ!お花キレイだったでしょ?」
「え?私が行ったのは立山ですよ」
「ん?室堂から立山にも登れたっけ?」
みなさん、似たような経験ありません?
北陸の山に行くと、注意していないと混乱するんです。
それは、同じ地名や似た地名が多いから!
立山と白山で見られる同じ地名・似た地名一覧
以前から紛らわしいと思っていたので、一度地図で調べてみました。
他にもあるかもしれませんが、私が見つけたのは以下のとおりです。
立山(たてやま) | 白山(はくさん) |
室堂(むろどう) | ⬅ |
弥陀ヶ原(みだがはら) | ⬅ |
地獄谷(じごくだに) | ⬅ |
不動滝(ふどうたき) | ⬅ |
大汝山(おおなんじやま) | 大汝峰(おおなんじほう) |
別山(べっさん) | ⬅ |
大日岳(だいにちだけ) | 大日ヶ岳(だいにちがたけ) |
真砂岳(まさごだけ) | 真砂獄(まさごだけ) |
剣御前(つるぎごぜん) | 御前峰(ごぜんみね) |
剱岳(つるぎだけ) | 剣ヶ峰(つるぎがみね) |
※剱岳などは地理的には立山ではありませんが、山岳信仰的には同じ山域となります。
※読み方は違う読みもあります。違ってたら教えてください。
どちらかの山に登られた方ならご存知かもしれませんが、こんなにあるんですよ。
山岳信仰から来た地名
同じ地名や似た地名が多い理由は、立山と白山は山岳信仰が盛んなことが挙げられます。
日本三霊山(富士山とこの2山)に数えられ、古くから修験者たちが修行のために山に入っていた地域なのです。
そのため、修験者たちは信仰になぞらえて、地名をつけました。
例えば・・・
室堂とは
室堂とは、修験者たちが岩屋などにこもって修行したときの、「篭(こも)り堂」のことと言われています。
どちらの室堂も、現在では登山の入り口のような位置関係ですが、当時はそのあたりですでに山の奥深くだったのでしょうか。
弥陀ヶ原とは
弥陀ヶ原とは、阿弥陀様がいらっしゃるところという意味らしいですが、とくに原っぱを指すわけではなく、「原」という言葉自体が「阿弥陀様がいるところ」という意味を含んでいるといいます。
現在では、どちらも比較的広くて平らな台地です。
ちなみに同じく霊山として有名な月山(がっさん)にも、弥陀ヶ原はあります。
大日とは
大日(大日岳、大日ヶ岳)とは、仏教では大日如来のことです。
天照大神を祀った場所のことを、大日と言うらしいです。
三霊山なのに富士山には地名がない理由
ところで、同じ三霊山なのに、富士山には似た地名がありません。
どうしてでしょうか?
これは、立山と白山には似た景観があって、(どちらが先かはわかりませんが)、
「おや、ここはあの山の弥陀ヶ原に似ている景観をしているな」
と感じた修験者が、同じ地名を似た景観のところにつけたと言われています。
富士山は、霊山というのは同じでも、独立峰で景観が明らかに違いますので、地名がつかなかったのでしょう。
じゃないほうの室堂の呼び方
日本全国の登山者の方々は、どちらをどう呼んでいるのでしょうか?
私が聴いてきた限りでは、
「立山のほうの室堂、白山のほうの室堂」
なんて言いわけているように感じます。
では、地元石川県、富山県ではどう呼んでいるのでしょうか?
これが面白くて、
石川県の人は、白山の方が「室堂」、立山のほうは「富山室堂」とか「立山室堂」と呼んでいます。
対して富山県の人は、立山のほうが「室堂」、白山のほうは「白山室堂」(石川室堂とは聴いたことがない)と呼んでます。
どちらにとっても、「おらが室堂こそ室堂」なんでしょうね。
ちなみに私は「立山のほうが室堂、白山は白山室堂」ですね。
立山のほうの室堂からは、剱岳や黒部方面、薬師岳方面と、行けるところが多いので、利用する機会が多いから。
これから登られる方は、2つの山の景色を比べてみるのも、面白いかもしれませんね。