こんにちは、寝袋!です。
みなさんは登山に行く時、ルートの情報はどうやって調べますか?
今はインターネットで調べる人が多いのではないかと思います。
だけど、やはり本も手放せません。
登りたい山が決まったあとは、インターネットの情報量は圧倒的ですが、
「次はどの山に登ろうか?」
と、登る山を漠然と探す段階では、やはり幅広い山をカバーしている「本」という媒体が便利です。
北海道の山を登る場合『北海道夏山ガイド』というシリーズが定番です。
北海道内では広く知られていますが、案外北海道以外の登山者には知られていません。
北海道の山々を登るならば、必携の書です。
なぜなら、北海道の登山道がある山を、すべて網羅したガイド本だからです。
目次
シリーズは全6冊
地域別に6冊に
「北海道夏山ガイド」は、北海道を地域別に6つに分け、全6冊で発行されています。
登山道の様子は時代とともに変わるので、数年に一度改訂されますが、地域分けは変わらないので、常に6冊です。
- 道央の山々
- 中央高地の山々
- 東・北大雪、十勝連峰の山々
- 日高山脈の山々
- 道南・夕張山地の山々
- 道東・道北・増毛の山々
と区分されています。
北海道は東北全域よりも広い大地なので、本州で言えば「県別」相当です。
登山道のある山は網羅している
このシリーズは、登山道のある山の、全てのルートを紹介することに目的を置いています。
なので、沢登りやバリエーション的な登山は紹介されていません。
内容
人気のあるなし関係なく
登山のガイド本は、世の中にたくさん存在します。
ですが、各会社、各個人によって好き勝手に山を紹介する場合が多いです。
どの本を見ても紹介されている山(トムラウシ山など)もあれば、全く紹介されない不人気な山もあります。
このシリーズは、
- 「人気・不人気に関わらず」
- 「山の大小に関わらず」
すべてカバーされているのです。
私自身も、今でも読んだことのないページも存在するくらいです。
今でも「こんな山あったのか」と驚かされて熟読したケースもあります。
このシリーズに載っていないということは、一般登山者が行っていい山ではないということです。
登山愛好家たちが手分けして取材
このシリーズは北海道新聞社が発行しています。
著者名は代表で2名のお名前が書かれていますが、実際は、
北海道の多くの一登山愛好家たちが、手分けして各山の取材を行って
作られているのです。
詳細な説明は省きますが、北海道には「HYML(北海道山メーリングリスト)」と呼ばれるグループがあり、その方たちが中心になって作っています。
ガイド本にありがちな、全部が快晴の日の写真ではなくて、取材日によってあまり天候に恵まれていないことも、手作り感満載で個人的に面白いです。
登山グレード
超初心者向けから上級者向けまで、幅広い山を含んでいます。
間違って実力以上の山に入っていかないよう、グレードで区分されています。
単純に、高い低いだけで判断していないので、とても参考になります。
ちょうどよい詳細さ
巻頭の「編集方針」の項に書いてある一文。
簡潔すぎるガイド記事は不安を募らせるものだ。
逆に詳細すぎる記事は未知に対する興味をなくする欠点もあるが、本書では「独力登山」にウェートを置いているので・・・
(中略)多くの人が理解できるように心がけた
この本を読むと「なるほど」と実感しますよ。
著者の方はこう書いていますが、詳しく書くところは書いているのに、
「山で見たものは全部本で知ってた」
というようなことにはなりません。
何から何までという説明ではないのです。
インターネットで見られる「すべて丸出し記事」とは違います。
節度ある編集方針です。
まとめ
北海道の山をすべて網羅したこのシリーズは、北海道の山を登る時にとても役に立ちます。
この本で次に登る山を探して、そのうえで、リアルタイムな情報をインターネットで調べるのがいいです。
大変な労力で作られているためか、一冊あたり2,000円以上となかなか高価です。
まずは身近な地域の山域のものを一冊読んでみて、順次買い揃えていくのがいいと思います。
私も何年かかけて6冊揃えました。
これから登山を始めようという北海道の登山者、本州から登りに来られる登山者に、
「北海道にはこんなにたくさんの山々があるんだ!」
と知ってもらいたいです。
『北海道夏山ガイド』は、
- 最初に買うべきガイド本
- これさえあれば何もいらないという最後のガイド本
です。
この本を手元において、素晴らしい北海道の山々、楽しんでください。