こんにちは、寝袋!です。
今回は、北海道にある日本百名山の一つ、トムラウシ山の登り方について解説していきます。
私が登山客に、
「北海道の百名山のなかで、一番好きなのはどこ?」
と聞くと、1番人気なのがこの山トムラウシです。
そういう私も、トムラウシは大好きで、いったい何回登ったことやら。
縦走も含めて、このあたりの山はほんとうにオススメです。
まずは一度、登ってみてください。
きっとまた行きたくなる、そんな山です。
目次
トムラウシ山とは
旭岳がピストンするだけでは大雪の雄大さが味わえないのに対し、トムラウシは最短距離をピストンするだけでも、満喫できます。
前トム平からトムラウシ公園、山頂からどこを観ても延々と続く山々。
そういう意味で、トムラウシこそが、カムイミンタラを味わえる、唯一の百名山と言えるかもしれません。
トムラウシ山の登山コース
トムラウシ温泉短縮コース
もっとも一般的なコースです。
トムラウシ温泉(国民宿舎東大雪荘)から林道を進んだ突き当りが、登山口となります。
本来の「トムラウシ温泉コース」よりは短縮されるので「短縮コース」と呼ばれます。
しかし、それでも長いです。
トムラウシ温泉コース
トムラウシ温泉(国民宿舎東大雪荘)から直接歩き始めるコースです。
車のない人か、縦走で下山してきた人以外は、あまり使われなくなりました。
他
天人峡温泉から化雲岳を経由してトムラウシに至るコースなど、一応他にもコースはあります。
しかし、かなりの健脚者以外は、ヒサゴ沼などでの泊登山になるので、ここでは省きます。
素晴らしいコースばかりですので、ぜひ歩いて頂きたいところなのですが。
コース比較
初めてトムラウシに登る人、百名山をめざしている人にとっては、ほぼ短縮コース一択となります。
トムラウシ温泉短縮コースの登り方
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/tomu-r.jpg)
標準的登山日程
ガイド本でのコースタイムは、短いものだと次のようになります。
登り | 5時間 |
下り | 3時間30分 |
標高差 | 1,176m |
そして、長いものだと次のようになります。
登り | 6時間30分 |
下り | 5時間 |
標高差 | 1,176m |
驚くことに、往復で3時間もの差があるのです。
こういう山は、なかなか珍しいのではないでしょうか。
ただ、そうなる理由も十分わかります。
- アップダウンが多く、登り返しが負担になる
- 距離が長い
- 岩場あり、泥濘あり
で、「体力と技術の差で、所要時間が大きく変わりやすいコース」なのです。
私が知るかぎりでさえ、13時間以上かかってしまった、高齢の登山者もいます。
自信のある人も、ない人も、いつもより余裕を持って計画し、登山を始める時間を調整するといいでしょう。
登山口情報
東大雪荘に売店はありますが、コンビニのような品揃えはありません。
50kmほど手前の、屈足(くったり)のセイコーマートが最寄りのコンビニです。
買い出しは、早め早めに、慎重に準備しておく必要があります。
位置:トムラウシ温泉から砂利の林道を7km、20分。
駐車場:多数
トイレ:あり
携帯電話:全社不可
駐車場:多数
トイレ:あり
携帯電話:全社OK
自動販売機:あり
登山情報
短縮登山口からは、しばらく傾斜のない、穏やかな登山道を歩いていきます。
「お、案外、トムラウシ楽勝かな?」
と感じるかもしれません。
しかし、いつまで経っても上がらない高度に、あとで気づくのです。
「どれだけ歩いても上がらない! 帰りはいつまでも標高が下がらない!」
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/NGP_4409.jpg)
カムイ天上
緩やかな尾根の上を行きますが、けっこうドロドロになっていることが多いです。
単調な登りに飽きてきた頃、カムイサンケナイ川に向かって、ジグを切って急下降します。
そこからは、次はコマドリ沢を登っていきます。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/NGP_4415.jpg)
コマドリ沢入り口
コマドリ沢は、遅くまで雪渓が残っています。
雪渓歩きが苦手な人は、帰り道(下り)で軽アイゼンが欲しくなるかもしれません。
長いコマドリ沢を詰めていくと、前トム平という開けた場所に出ます。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/NGP_4426.jpg)
前トム平
それまで展望のきかなかったぶん、思わず声が出るほど嬉しい場所です。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/NGP_4428.jpg)
ロックガーデン
しばらく進むと、お次は大きな岩がゴロゴロしている斜面です。
ストックを使用してる人は、危ないので一度ザックに収納しましょう。
ナキウサギが生息している場所で、よく目撃されます。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/tomu1kouen.jpg)
トムラウシ公園
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/NGP_4435.jpg)
トムラウシ公園(残雪期はルートファインディングを慎重に)
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/tomu3.jpg)
美しいでしょう?
トムラウシ公園という、景観の良い場所を通過します。
「トムラウシ、来てよかった!」
と思うと同時に、まだまだ遠い山頂に、ため息が出るところでもあります。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/NGP_4439.jpg)
山頂
南沼テント場につくと、見上げるように岩山がそびえていて、それがトムラウシの頂上です。
バランスを崩さないように、疲れた体を慎重に動かしましょう。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/NGP_4442.jpg)
オプタテシケ山方面
旭岳のほうへ続く大雪山系、十勝岳の方へ続く縦走路、
「すごいところへ来たものだ」
と感じる、山頂の景色です。
以前起きた、トムラウシ大量遭難事故を覚えている人も多いでしょう。
あの事故は、大雪山方面から縦走してきて、トムラウシ温泉へ降りる途中でした。
じつは、このトムラウシ山付近は、どこへ降りるにも4時間はかかるという地域なのです。
もしここで何かあっても、エスケープするには、今来たコースを引き返すしか無いのです。
リスクを背負って歩いているコースだと意識して、安全登山に努めましょう。
帰り道のポイント
- 岩場の下り。疲れていますので慎重に。
- カムイサンケナイ川からの急登
- いつまでも下がらないカムイ天上の尾根
たいへんだと思いますが、どうぞ気をつけて帰ってください。
付近の宿泊施設
車中泊、野営場以外では、ほぼこの旅館一択です。
時間のかかる山ということを考えると、慣れない道外の人であれば、前泊後泊で2泊したほうが良いかと思います。
旅館内には、登山者同士が情報交換できるように、ホワイトボードが設置してあります。
鵜呑みにはできませんが、参考になるかもしれません。
日帰り入浴もできます。
登山のために北海道へ飛行機で来る注意点
飛行機を使って登山する場合、いくつか注意点があります。
登山道具の機内持ち込みや、よくある忘れ物などです。
トラブルを避けるためにも、一度読んでいただけると参考になるかと思います。
北海道登山での格安レンタカーの探し方
北海道は、レンタカーの激戦区です。
たくさんのレンタカー会社がひしめきあい、季節によって価格の変動も大きいのです。
大手レンタカー会社から、小規模格安レンタカー会社まで、比較して選べばいいのですが、それはなかなか面倒です。
そういうとき、スカイチケットレンタカーなどの、レンタカー比較サイトなどが便利です。
借りる期間と場所を選んで、一気に比較検討できますよ。