こんにちは、寝袋!です。
ペンションを開業するためには、いろいろな法律をクリアーする必要がありました。
ところが、一般人にとっては、法律をクリアーする条件どころか、クリアーすべき法律が何であるのかさえ解らないのです。
おそらく・・・消防とかかな??
私達がいかに手探りで進んでいったのか思い出して書いてみたいと思います。
目次
聞くのが一番! いきなり本丸に乗り込む。
素人なりにネットで調べたところ、どうやらペンション(旅館)の開業には、おおざっぱに
- 保健所の許可
- 消防署の許可
- 役所の許可?
が必要っぽいことがわかってきました。でも、じつは今書いてて、本当にそうなのか自信はありません。
じつは全体像を把握していないまま、私は開業許可を取ってしまっていたのです。
どうしてそんなことになったのか、説明します。
最初は消防署に行ってみました。
「ペンションを始めようと思っているんですが、どうすればいいですか?」
消防署に行っていきなり聞いてみました。すると、署内をひっくり返したような大騒ぎになり、応接室に通されるわ、(暇そうにしてた)お偉いさんが出てくるわ、大げさなことになってきました。
「調べてあとで伝えます」
ど田舎ではペンションの開業などという事例がほぼなく、経験したことのある署員などいなかったようです。
後日、これこれこういう書類が必要ですと言われました。
次に保健所に行ってみました。
保健所も同じような状況で、後日、必要な書類だとか、どういう検査が必要だとかを言われました。
ここでちょっと気になったのが、
「支庁(北海道は広いので、まあ県庁みたいなものか)には話はしてあります?」
と言われたことです。どうやら、消防とか保健所とか個別の許可をもらったあと、最終的には支庁の許可が必要になるらしい。
これ、一回支庁に行ってみたほうがいいか?
支庁に乗り込んでみたら、すべてをガイドしてくれた。
お役所というのは上に行けば上に行くほど暇なようです。
支庁に行ったら通された部署(なんというところだったか忘れた)で、1名つきっきりで説明してくれました。
それこそ何から何まで。換気性能の計算の仕方とか、どこの部屋はどうしろだとか、ここは消防法ではこうだからこうしろとか。
まるで私がペンションを開業するために雇った専門アドバイザーのように、何から何まで手取り足取り教えてくれるのです。
これは幸いと、私は何度も何度も支庁へ足を運び、書類を整えていきました。
↓
町役場の許可
↓
支庁の最終許可=ゴール
本来各部署の許可を揃えてから町役場に行って許可をもらい、それを最終関門である支庁に許可をもらいに行くのです。当然支庁で書類不備となり、差し戻しになるケースがほとんどらしい。何度も何度も繰り返して、ゴールを目指す。
各部署の人もよくわからないものだから、支庁にお伺いを立てて、それを私に伝えている様子でした。
ところが、私は「意図せず」最終関門の支庁の担当者の「指示通り」書類を作り、許可を集めているものですから、不備などあるわけないのです。
町役場の担当者に言われました。
「支庁さんがこれでいいって言うんだから、私達が見る意味ないんだけど・・・」
なんだか試験問題の答えを事前に先生に教えてもらった不正入学者の気分でした。
私が悪いんじゃない。聞きに行っただけなのに全部手助けしてれた支庁が悪いんだ。
ごめんなさい。
法律はどんどん変わる。だから、調べるより聞けってこと。
私の場合はちょっと特別な例で参考にならないと思います。
でも、これはじつは重要なことなんじゃないかと思っています。
ネットで調べてみると、「旅館の開業に必要な許可はこれだ!」的な記事がたくさん出てきます。
でも、正直、一度やった私でもポカーンな言葉が羅列されていて、いったい何から手をつけていいのかわからない方がほとんどではないでしょうか?
特に最近は「民泊」が増えてきているために許可も目まぐるしく変化しています。きっとこれからも変わっていくでしょう。
さらに厄介なことに、地方地方で法律の解釈も曖昧な感じで、厳しいところもあれば緩いところもあります。
こういう時はお役所に頼るのが一番です。
こちらが調べるのではなくて、役所の人間に調べさせればいいんです。
市民が聞きに行くと、役所の人間というのは「答えなければならない」という義務感に囚われていますから、一生懸命調べます。
頼り切ればいいんです。そして、どうせ頼り切るなら最終許可を出す大本営に乗り込んでやればいいんです。
もし旅館を始めようと思ってここを読んでいる方がいたら、私はアドバイスしたいです。
「素人が調べてもどうせわからない! 最終許可を出すヤツの指示通りやれ!」
とにもかくにも、このようにして(何やってるかわからないまま)私はペンションを開業する準備を終えたようです。
ま、いっか。うまくいったみたいですし(笑)
実際にペンションを開業するまで
このあとの流れを簡単にお話します。
許可をとってしまえば、すぐに開業といきたいのは山々ですが、私は今のままでは危ういと感じていました。
それは知り合いがバーを開店して失敗したのを目の当たりにしていた経験があったからです。
バーテンの腕もよく、雰囲気もよくて大好きなバーだったのですが、残念なことに営業資金が少なかったのでした。
どんないい店でも、店を始めて口コミが広がるまでには時間がかかります。
ところが、資金が少ないとスタッフの顔からも余裕がなくなり、それは雰囲気にも現れるのです。その店を気に入っていた私でさえ、
「なんだか楽しくないな」
と感じるようになって足が遠のきました。
その店は間もなく閉めてしまいました。
私はそのとき、まだペンション開業する夢はありませんでしたが、印象に残った出来事でした。
私達はログハウスを自分たちの手で改良したり、丸太でベッドを作ったりして開業準備をしつつ、さらなる資金集めを続けました。
すでに建物のローンが始まっていましたから、お金を貯めるのは厳しいことでしたが、
「ここが運命の分かれ道!」
と「3年くらいお客さんが来なくても生きていける資金」を貯め、石橋を叩いて渡ることにしました。
結果的には、DIYで作るものが多かったり、看板やホームページを作ったりと、やるべきことは山ほどあったので、ちょうどよい準備期間だったかなと思っています。
ペンション『シュプール』(仮名)開業!
こうして私達は、
- 北海道へ移住
- 貯金
- ログハウスのペンションを開業
という目標を達成して、田舎暮らしを楽しみつつペンション営業を始めることになったのでした。
夢に描いた未来を実現し、ライフスタイルを確立したと思いつつあれから10数年が経ちました。
今の生活にはさほど不満はありません。これ以上望むのは贅沢だと自分でも思います。でも・・・
「一生このままじゃダメかも。今のうちに次のライフスタイルへ向けてスタートを切るべきだ!」
と考えるようになりました。次のライフスタイル、それは、
『永久放浪』
です。