こんにちは、寝袋!です。
今回は、私が好きな場所のひとつ「雲ノ平」について書きます。
雲ノ平の魅力については、数々の登山者がレビューしてくれています。
「どこから行っても遠い、最後の秘境・雲ノ平」
と言われますが、たしかに遠いです。
富山県折立(おりたて)登山口から、コースタイムで10時間以上ですので、
「途中の太郎平小屋、薬師峠テント場、薬師沢小屋へ1泊をはさむ」
計画をたてる人が多いでしょう。
ただし、折立から雲ノ平へ、1日で一気に行くことは、決して無茶ではありません。
一般的な登山者の体力であれば、充分可能です。
そのための方法というか、コツを書きますので、雲ノ平を目指す人の参考になればと思います。
目次
折立から雲ノ平へコース概略
折立登山口から雲ノ平へ向かう場合の概略は、以下のようになります。
有峰林道の料金所を通過
折立登山口に車で向かう場合、必ず有料の有峰林道を通行しなければいけません。
料金所を通過して有峰林道を走り、折立登山口の駐車場に停めることになります。
コースタイム
コースタイムはおおまかに以下のようになります。
折立登山口から太郎平小屋 | 5時間 |
太郎平小屋から薬師平小屋 | 2時間 |
薬師平小屋から雲ノ平 | 3時間30分 |
ざっと、10時間以上かかりますね。
一気に行こうとすると、なかなか長時間の行動となります。
途中の宿泊候補地
ルートの途中で宿泊を挟む場合は、次の3つの宿泊地が候補になります。
- 太郎平小屋・・・小屋泊まりのみ。
- 薬師峠テント場・・・テント宿泊ならここだけ。ルートから薬師岳方面に20分外れる。
- 薬師沢小屋・・・小屋泊まりのみ。
これらのどこに宿泊しても、1日目か2日目、もしくは両日とも、
いまいち短い行動時間で中途半端
になってしまいます。
一気に行きたくなる理由
素晴らしい山域ですから、ゆとりをもって、じっくりと歩ければそれがベストです。
ただし、奥深いだけに、
- 水晶岳や鷲羽岳や黒部五郎岳も登りたい
- 高天原温泉も入りたい
- 雲ノ平で連泊して散策したい
など、欲張っていくと、どうしても時間が足りなくなりがちです。
すると、考えたくなるのが、
「1日で一気に雲ノ平へ行けたら、余裕できるんだけどなあ」
ということです。
2日に分けると、行動時間が短くなりすぎるので、余計にそう考えたくなるんですよね。
1日で行きにくい理由「有峰林道のゲート待ち」
コースタイムだけを見れば10時間ほどですから、早めに出発できれば行けそう。
でもその「出発を早く」というのが簡単ではないのが、このルートの問題点なんです。
ゲートが開く時間
有峰林道の料金所がオープンするのが、朝6時です。
シーズン中は、早朝からこの料金所前にズラッと車が並び、オープンと同時になだれ込んでいきます。
先頭に並んだとして、6時に料金所通過です。
後方になるともう少し遅くなります。
折立登山口まで30分
料金所から折立登山口まで、30分はかかります。
そこで駐車して、トイレして、準備をすると、歩き始めるのが7時なら早いほうでしょう。
7時にしか登山をスタートできないと、コースタイム10時間で、雲ノ平到着が17時。
安全登山とは言えませんね。(健脚自慢の人は別ですよ)
このことが、雲ノ平へ1日で行けない最大の理由です。
早く出発したいのに、できないんです。
バスだともっとかかります
ちなみにシーズン中は、富山駅から折立登山口までバスが運行されます。
ですが、これは車で行くよりもっと遅くなります。
雲ノ平へ1日で行く方法
折立登山口から雲ノ平までの全体像、1日で行くことの問題点がおわかりいただけたでしょうか?
しかし、最初に書いたように、ちょっと計画を工夫すれば、決して無理ではありません。
体力的にもとくに厳しいことなく、雲ノ平へ1日で入れます。
折立登山口を朝早く出発することさえできればOKなんです。
料金所を前日に通過すればよい
料金所が開くのが遅いのだから、
「前日のうちに通過しておけばいい」
ということになります。
たったそれだけのことです。
折立登山口でキャンプ(車中泊)
一番簡単な方法は、前日のうちに折立登山口に到着して、キャンプすることです。
駐車場で車中泊でもいいでしょう。
かなり広いテントスペースもありますし、トイレも炊事場も完備されています。
これで、翌朝は好きな時間に出発することが出来ます。
たとえば朝5時に出発すれば、雲ノ平には15時過ぎです。
有峰ハウスに宿泊する
有峰林道の料金所を通過したあとに、1軒だけ宿泊施設があります。
『有峰ハウス』といいます。
こちらは宿泊できますし、食事もできますので、
「テントは広げたくない」
「登山前日はゆっくりしたい」
と考える人には、唯一の手段となります。
朝は好きな時間に出発できるのは、テントと同じです。
注意!折立休憩所は宿泊できません
折立登山口には、立派な屋根付きの休憩所があります。
こちらは、宿泊厳禁です。
仮に宿泊しようとする不届き者がいても、夜間は鍵がかかっていて入れません。
折立から雲ノ平への写真ガイド
それでは、折立登山口から雲ノ平まで、私が撮った写真で簡単にコースを紹介します。
景色は変化に富んでいますし、歩いていてとても楽しいルートです。
折立から雲ノ平へ1日で行くまとめ
行けるからといって、急いでいく必要はありません。
素晴らしい山域へ出かけていくのですから、ゆっくりと歩くのがもちろん最高です。
「プラス1泊」というぐらいの気持ちで、楽しんでもらいたいくらいですが、なかなかそうもいかないのが現実の悲しさ。
そこで、今回は折立から雲ノ平へ一日で行くための、ちょっとしたコツをご紹介しました。
決して無理でも無茶でもない方法です。
限られた時間で雲ノ平を、黒部源流域を楽しみたい人は、どうぞ計画の参考にしてください。