こんにちは、寝袋!です。
登山などのアウトドアで、自分で炊いたご飯というのは美味しいものです。
お湯で戻すアルファ米も便利ですけど、私は断然『炊飯派』です。
炊飯と言っても難しく考えることはなく、ガスはもちろん、固形燃料やアルコールでも簡単にご飯が炊けます。
とくに、火力調整の出来ない固形燃料は「災い転じて福となす」で、
着火するだけで最後まで何もしない『自動炊飯』
が出来ます。
エスビットの固形燃料(ミリタリー14g)を1個だけ使って、自動炊飯する方法を詳しく解説します。
「12分しか燃えないのに、ご飯が炊けるはずないよ!」
という疑問も、実験で説明します。
固形燃料に着火するだけで、自動的にご飯が炊けるので超簡単!
目次
軽量な固形燃料でごはんを炊きたい!
炊飯の基本の流れ
アウトドアでご飯を炊くとき、基本的な流れは以前ガスストーブでの炊飯で解説しています。
炊飯の基本的な流れをご存知ない人は、まずはこちらの「山やキャンプでご飯を炊く超基本」をお読みくださったほうがわかりやすいかと思います。
基本的には、
- 米を水に30分つける
- 強火で沸騰させる
- 沸騰したら弱火で20分
- 10分ほど蒸らす(放置)
となります。
ガスの場合は火力調整が簡単ですが、固形燃料は火力調整ができないところが問題点です。
そのため、
「1回火をつけるだけで、放置するだけでご飯が炊けなければいけない」
という、いわゆる『自動炊飯』が必要になるわけです。
炊飯の条件
今回使ったものは、
- エスビット チタニウムストーブ
- エスビット固形燃料ミリタリー14g・・・1個
- 風防
です。お米を1合炊く場合を想定しています。
エスビット固形燃料ミリタリーは「14gで、約12分燃焼する」と書かれています。
ここで多くの人が疑問に思うでしょう。
「沸騰させたあと、20分間弱火で炊く必要があるのに、12分しかもたない燃料で炊けるわけがない!」
そうなんです。私もそう思っていました。
でも、炊けるんです。
エスビット燃料で自動炊飯した様子
それでは、実際に自動炊飯してみた様子をみてください。
結果を言いますと、
- 12分しかもたないはずの燃料で
- 8分かけて沸騰して
- その後13分弱火で維持して
自動炊飯成功です。
私がやったことは最初に着火しただけで、蒸らしまで約35分間放置しただけで、ご飯が炊けました。
ハッキリ言えば「ガスで炊くより簡単だった」のですが、どうしてうまくいくんでしょう?
私には3つの疑問が浮かびました。
エスビット固形燃料の3つの疑問
そもそも「12分しかもたない」と公式に書かれているのに、21分も燃焼するのもおかしいです。
「どうしてだろう? 理由を突き止めなくては安心して使えない」
と私は思いました。
そこで、次の3つの疑問に答えを出すべく、実験してみたのです。
- 実際のところ、エスビット固形燃料は何分燃えるのか?
- 炊飯のときはどうして20分以上燃えたのか?
- 燃焼時間を調整するために、固形燃料を増やしたらどうなるか?
固形燃料をいくつか無駄にしましたが、その成果は次のようになります。
疑問「エスビット固形燃料は実際何分燃えるのか?」の答え
最初の実験は、ただ固形燃料を燃やしたら、何分間燃えるのかを調べました。
はたしてメーカーの言うとおり、12分燃えるのか?
なんと、エスビット固形燃料は、16分間燃えて消えました。
「12分燃える」という公式の説明は、
「ある程度強い火力がもつのは12分ですよ」
ということなのだと思います。
これで「16分燃えます」なんて書いてあったら、ちょっと困りますね。
良心的な注意書きだと思います。
しかし、こと炊飯に限って言えば、沸騰させた後の「トロ火」が重要なので、
エスビット固形燃料は16分燃える
と考えていいのです。
しかし、先に書いたように、実際の炊飯では21分燃えました。
公式説明より長く16分燃えることはわかりましたが、まだ疑問は残りますよね。
疑問「どうして炊飯のときは20分以上燃えるのか?」の答え
そこで、クッカーを置いて、実際の炊飯に近い状況で燃やしてみました。
クッカーの中には、空焚き防止のために、水だけ入れてあります。
なんと、上にクッカーを置くと、20分以上燃えるようになりました。
観察していたのですが、上にクッカーを置くと、最初から火力がやや弱めに燃焼している感じでした。
これは、
- クッカーと風防で酸素の供給量が少なくなる?
- 熱がこもりやすいので燃料が長持ち?
のだろうと推測しています。
とにかく結果的に、炊飯の状況では、
エスビット固形燃料は20分以上燃え続ける
ということがわかったのです。
これならば、炊飯に必要な、
強火で沸騰させて、その後弱火で20分ほど炊き上げる
という条件に、ある程度近くなる(沸騰8分・その後12分ですが)ことがわかりました。
だから、エスビット固形燃料で自動炊飯が可能なのです。
疑問「固形燃料増やしたら長くもつのでは?」の答え
ここで私は考えました。
「だったら、固形燃料を少し増やしてあげれば、もっと長く炊けるのでは?」
そこで、固形燃料を1.5個(エスビットは手で簡単に割れます)にして、燃焼時間を計測してみたのです。
着火後から、通常より大きな炎が上がって、
「おおっ、これはすごい」
と思っていましたが、時間的にはたいして変わりがない16分で燃え尽きてしまいました。
つまり、
固形燃料は量を増やしても長持ちしない
火力が上がるだけ
という結果になりました。
ということは、もし固形燃料を使って燃焼時間を長くしたいならば、あとで追加していくなどの方法が必要になるのでしょう。
それは面倒なので、自動炊飯には使えません。
そもそも1個で上手に炊飯できるので、燃料を増やす必要はありません。
勘違いしやすいところなので、参考までに実験してみただけです。
まとめ「エスビット固形燃料で自動炊飯する方法」
実験のために記事が長くなりました。
グラフにまとめると、上のようなイメージです。
「細かいことはいいから、とにかく自動炊飯のやりかただけ教えてくれ!」
という人は、簡単です。
- お米を30分以上漬け込む
- エスビット固形燃料(ミリタリー14g)1個着火
- そのまま放置
- 35分後に食べなされ
以上!
固形燃料は、序盤は火力が強く、後半はチョロチョロ弱火が続くので、炊飯に向いているのです。
ただ、ご自分のクッカーとストーブで、1回は練習してから山へ行ってくださいね。
私はガスで炊飯すると、うっかり時間を忘れて、火力調整が遅れてしまうこともしばしば。
そういうおっちょこちょいでも簡単な「エスビット固形燃料による自動炊飯」ぜひお試しください。
たったの15g・・・最軽量かな?
愛用の風防。ハサミで切って使います。チタン製でたったの15g。
↑そもそも固形燃料のメリット・デメリットについて知りたい人はこちらの記事もどうぞ。