【田中陽希とカメラマンに聴いた】グレートトラバース撮影裏話




こんにちは、寝袋!です。

NHKで放送されている「グレートトラバース」はご存知ですか?

田中陽希さんというアドベンチャーレーサーが、日本中の山々を人力移動だけで駆け巡る番組です。

「100名山一筆書き」から始まって、200名山のチャレンジも終え、現在は300名山にチャレンジしています。

さて、その「100名山」のときに、田中陽希さんが私のペンションに宿泊されました。

それから縁があって何度かお会いしています。

チャレンジの様子を間近で観ることが出来て、一緒にお話する時間は、とても貴重なものでした。

登山好きのみなさん、ファンのみなさんに、多少でもフィードバックできればと思い、今回まとめてみます。

番組撮影の裏話や、田中陽希さんの隠れた一面などご紹介します。

みなさんが番組を、より楽しめる手助けになればと思います。

田中さんが宿泊してわかったことがあります

公式サイトより引用

当時、田中陽希さんは「100名山一筆書き」に挑戦されていました。

私は、

「面白いことやってる人がいるんだな」

「1年でゴールできるのかな?」

と興味をもって、スタートからずっと番組を見ていました。

「近くに来たら応援しに行こうかな?」

なんて思っていましたが、まさか私のペンションに宿泊されるとは。

貴重な時間を過ごさせていただきました。

「ああ、この番組ってこうやって撮影してるんだ~」

と、面白かったです。

いろいろな憶測と間違った認識

さて、いまさら書くまでもないことなのですが、この番組に対して憶測も飛び交っていました。

それは、次のようなことです。

NHKが企画している?

グレートトラバースは、

「NHKが作っている番組で、田中陽希さんが出演者」

という間違った認識がありました。

これは間違いです。

あくまでも田中陽希さん個人のチャレンジで、それをNHKが許可を得て撮影しているだけなのです。

田中さんとスタッフが話し合って?

「道中一緒に行くんだから、田中さんとスタッフで話し合って行程を決めてるんでしょ?」

と思いがちですが、これも間違いです。

田中陽希さんは自分だけでルートを決めて、そのあとをスタッフがついていくだけです。

もちろん、事前に予定を聞くことはしていますが、それはスタッフの撮影の都合というだけです。

本当に歩いてるの?

これについては今更疑う人もいないでしょうが、もちろんすべて歩いています。

100名山スタート当時は、あまりにも信じられないチャレンジでしたので、

「ところどころワープしてるんでしょ?」

と考える視聴者もたくさんいたんですよ?

昔そういうバラエティ番組もありましたしね。

宿泊の経緯について

ここで、田中陽希さんが私のペンションに宿泊することになった経緯について説明しましょう。

これは一般の人はなかなか知らないことなので、楽しいですよ。

本人からTELが

ある日、ペンションに電話がかかってきました。

「◯日に1人泊まれますか?」

空きはありましたから、予約をお受けしました。

「私、歩いて日本を旅していまして、次の日に◯◯山に登りにいきたいと考えています」

ちょっと私は面食らいました。

歩いて旅をする人は、時々泊まりに来られるのでわかるのですが、うちから歩いて◯◯山へ?

ここで正確に書くわけにはいきませんが、到底歩いていく距離ではありません。

「この人、◯◯山のこと全然調べていない素人だな? まあいいや、来たら説明してやめさせなきゃ」

などと思っていました。

「わかりました。では、名前をお願いします」

「田中です。田中陽希といいます」

エエーーーーッ! 

「そ、それならわかる・・・(苦笑)」

その後NHKスタッフから

それからしばらくして、今度はまた電話がありました。

「男性◯名(忘れました。たしか4名?)ですが、泊まれますか?」

お部屋は田中陽希さんで満室になっていましたので、

「すみません、もう満室なんです」

とお断りました。

「あのー、私たちNHKの番組で田中さんを撮影しているのですが、なんとかなりませんか?」

ああ、それは不便でしょう。でも、もうどうしようもありません。

「ごめんなさい。どうしてもお部屋が準備できないんです」

私、この時知ったのです。

あくまでも、田中さんは1人で勝手に動いていて、スタッフはついて来ているだけなんだと。

きっと、田中さんに聞いたんでしょうね。

「◯日はどこまで行く予定ですか?」

というふうに。

ペンション到着まで

当時は、GPSでリアルタイムで位置を公表していました。

ですから、その日はずっと田中さんの現在地を確認していたと記憶しています。

途中で、

「おいおい、まだそこなの?」

という時もありましたが、ちゃんと予定通り来られました。

「やっぱりすごいスピードだわ」

田中陽希さんが到着され、玄関の中に入った時点で、NHKの撮影スタッフさんはカメラを下ろしました。

明日の出発時間だけ確認していました。

そこから、スタッフさんたちはどこか別の宿へ移動していきました。

出発時には

出発のとき

翌朝、早いうちに朝食を食べて、田中陽希さんは出発していきました。

私は朝食の間に外に出てみたのですが、すでにNHKのスタッフはカメラを構えていました。

「おはようございます」

じつはこの◯◯山については、直前に計画変更になって、予定外のコースからの登頂計画になっていたのです。

スタッフさんたちも情報が少なかったらしく、

  • ルートの様子
  • 危険なポイント
  • 水場について
  • 携帯電話の電波について

いろいろと聞かれました。

ディレクターのOさんはじめ、全部で4名だったと思います。

みなさんいかにも「やりそう!」なオーラの人ばかりでしたよ。

車移動について

田中陽希さんは、チャレンジ中すべて人力移動しています。

「温泉や買い出しは行く?」

宿泊された時、

「近くの温泉入りに行く?」

「なにか買い出しいく?」

と聞きましたが、全て断られました。

誤解をまねくので絶対に

「別に前に進むわけじゃなくて、戻ってくるのに?」

と思いましたが、

「もし車に乗っているところを見られたら、余計な誤解を生むと思うのです。ですから、チャレンジ中は一切乗らないことにしているんですよ」

と言われました。

なるほど、メジャーな人は私のような一般人とは、心構えも違うんだと感心しました。

お酒について

100名山チャレンジ中は、田中陽希さんは禁酒していました。

チャレンジ中は禁酒

「私はチャレンジ中はいっさい飲みません。本当は大好きなんですけどね」

とおっしゃっていました。

「100名山終わったら、いつかお酒飲みに来たいです」

と言っていたのですが、じつはそれからお酒を飲む機会に恵まれました。

けっこうお強い

田中陽希さん、けっこうお酒はお強いです。

ひとしきり飲んだ後、「そろそろ終わりかな?」と思ったら、

「もう少し飲みませんか?」

と、ビールを追加していました。

うーん、強いですね。

好きなのに我慢できるって、さすがプロアスリートは違いますね。

優しい人です

じつは田中さんがいらしている(100名山チャレンジ中ではない)とき、どこから聞きつけたのか、ファンが突然来たのです。

私としては、宿泊施設を営むものとして、誰が泊まっているかなどは口には出来ません。

私は困りましたし、少々イライラもしました。

すると、田中陽希さんが出てきて、

「今はお話できません。すみませんが、イベントなどの会場でお願いします。他の方に迷惑かかりますから」

と、優しく説明して帰ってもらっていました。

ファンの方も直接説得されて、納得して帰っていきました。

田中さん、優しいですし、少なくとも私より出来た人間です(笑)

「ファンがいるような有名人は大変だな」

と、感じた出来事でした。

カメラマンのほうが大変?

グレートトラバースという挑戦について、さまざまな誤解や憶測があります。

それについては、100名山、200名山とチャレンジが浸透していくにつれて、解けてきたと思います。

ただ、こういう意見はいまだに消えていません。

「カメラマンのほうが大変だし、すごくない?」

カメラマンも大変ですが・・・

たしかに、カメラマンは、

  • 重い機材を持ち
  • 同じペースで
  • 時には先回りして
  • 映像のことも考えながら

移動していきます。

瞬間的な労力は、スタッフのほうが大変かもしれません。

あるロード区間で

じつは、200名山のチャレンジ中に、私が登山口へ車を走らせている時、たまたま国道を歩いているのを見かけました。

私も急いでいたので、車から手を振ってその場を去りました。

そのとき、彼は1人でした。

強い風が吹いて小雨がまじるなか、黙々と速歩きしていました。

スタッフがいつも一緒にいるとはかぎらないのです。

唯一全ピークをともにした人は1人のみ

これは彼から聞いたのですが、100名山から200名山までのチャレンジで、

「すべての山のピークを踏んだのは、私と駒井(研二)さんだけ」

ということです。

これは、日程的な問題もありますが、「実力的について行けない鬼門の区間」があったためです。

それは、200名山チャレンジの序盤、北海道日高山脈のカムイエクウチカウシ山を登ったときです。

通常の登山道は雪崩で使えず、彼は長い縦走路を往復することになりました。

その道中はハイマツ藪こぎの連続で、かなり厳しいところです。

そこでスタッフはついて行けず、撮影を駒井さんにまかせ、途中で脱落して帰りを待っていたそうです。

録画している人は、ぜひもう一度御覧ください。

平出氏

話はそれますが、同行カメラマンのなかに、平出和也さんの名前があります。

この人は、世界屈指のアルパインクライマーです。

もちろん、山を登ることに関しては、田中陽希さんより圧倒的に上です。

田中さんはクライマーではないですから当たり前ですが。

すごさの種類が違います

まとめますと、田中陽希さんとスタッフを、すごさで比較するのは間違っているということです。

瞬間的な苦労はスタッフのほうが上回りますし、山を登ることだけに関しても上の人もいます。

ただし、田中さんのように、すべての行程を一緒に歩いているわけではありません。

カメラマンも交代しますし、撮影スタッフがいない時間もあります。

田中陽希さんの出来ることと、スタッフの出来ることは比べてはいけないのです。

現在300名山チャレンジ中

たまたま、田中陽希さんに泊まっていただいたおかげで、私は、

グレートトラバースというチャレンジの裏事情

を知る幸運に恵まれました。

本当はもっと写真もありますし、プライベートなお話もあります。

山の名前も場所も、詳しくお話したいところですが、ここでは伏せておきます。

みなさんが番組を見られる際に、

  • もっと田中陽希という人を知って
  • スタッフさんのことを知って
  • 画面に映らない苦労があることを知って

見られると、もっと楽しめるのではと思います。

とくに、番組ではカットされる、

  1. 地味なロード区間
  2. 宿の手配などの事務的な作業

のことを頭に置かれてみると、

より大変なチャレンジだと理解することが出来る

のではないでしょうか?

「ルートを決めて、山のことを調べて、日程を決めて、宿の手配もする。」

一年中ずっとそれを繰り返すって、きっとすごく大変です。

300名山のチャレンジが無事に終了することと、みなさんがもっと楽しめることを祈っています。

グレートトラバース公式HP

200名山極悪区間

日本中の山について詳しい人なら、200名山の範囲での、でこの区間の困難さがおわかりだと思います。

200名山チャレンジは北海道からスタートしましたが、

「カムイエクウチカウシとペテガリが終わったら、もう終わったようなものだ」

と感じた人もいたのでは?

本人と駒井さんだけしか到達できなかったルートというのがそれです。

平出和也さん

同行カメラマンの1人としても活躍されている、平出和也さんについて詳しく書いています。

本業のクライマーとしての実力がすごいです。

【シスパーレ】クライマー平出和也さん【裸で縄跳び高度順応】

2019年2月5日






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