こんにちは、寝袋!です。
北海道の日高地方には「高山植物の宝庫」と呼ばれる山があります。
その名はアポイ岳。
標高はたったの800mほどで低い山なのですが、本州なら2,000m以上でしか出会えないようなお花が咲いています。
また、
「アポイ岳にしか咲かない」
という、固有種がとても多い山です。
子供でも気軽に登れるこの山のことを、詳しくご紹介したいと思います。
目次
アポイ岳のプロフィール
- 標高810m(登山口からの標高差740m)
- 世界ジオパークに認定されています
アポイ岳の場所は?
北海道の日高地方、襟裳岬の北西にあります。
千歳空港から、約150km(車で3時間)です。
登山口には「アポイ岳ビジターセンター」があります。
どうして高山植物が咲くの?
アポイ岳のある日高地方は、北海道の中でも夏に涼しい地方です。
真夏でも25℃前後の気温しかありません。
また、強風で知られる襟裳岬(えりもみさき)からの風や霧で、冷涼な気候となります。
そのため、標高810mしかないのに、高山植物が咲くのです。
どうして固有種が多いの?
アポイ岳は、地下深くのマグマが、地殻変動で押し上げられて出来た山です。
アポイ岳には「かんらん岩(がん)」という、珍しい岩石が多いです。
このかんらん岩は、
「植物の成長を邪魔する」
という一面を持っていて、そこでは植物は育ちにくいのです。
そんなアポイ岳で育つ植物は、特殊な環境にあわせて変化して生きています。
そのために、アポイ岳には「アポイ岳にしか咲かない花」が多いのです。
登ってみよう【ルート説明】
所要時間 | |
登山口~5合目避難小屋 | 80分 |
5合目避難小屋~山頂 | 90分 |
下山 | 100分~120分 |
しかし、お花を見ながらノンビリ歩くことが多くなりますので、時間に余裕を持つとより楽しめます。
登山者によっては、
「お花を見ることに集中して、時間が来たら引き返す」
という楽しみ方をする人もいらっしゃいます。お花最優先?
登山口は、ここ「アポイ岳ビジターセンター」の横にあります。
駐車場はたくさんあります。
入山ボックスに記帳したら、しばらくは砂利道を歩いていきます。
そのうち、なだらかな森の中を歩く登山道になります。
登山口からすぐに、お花がたくさん咲いていますよ。
ルートはとてもわかりやすくて、迷う心配はありません。
また、アポイ岳は春から秋まで人が絶えることがない人気の山ですので、安心です。
五合目にある避難小屋までは、ずっとなだらかな登山道が続きます。
そして、避難小屋から7合目までは、しばらく急登して稜線を目指していきます。
五合目までの「森歩き」とは違って、展望が開けて山頂が見えてきます。
麓の町、様似町の市街地が見えます。
海から近くてさえぎるものがないので、景色が良くて気持ちがいいですよ。
7合目付近は「馬の背」と呼ばれ、とても展望がよい場所です。
なだらかな稜線歩きが楽しめ、それから最後に少し登って山頂です。
5合目から上は「ハイマツ帯」なのですが、山頂付近はダケカンバが生えています。
「植生の逆転現象」
も、アポイ岳の特徴の1つです。
山頂は広いですが、展望がよくないので、馬の背の展望台まで降りてから大休憩をする人も多いです。(おすすめ)
アポイ岳の花々
アポイ岳では、4月上旬から10月上旬まで、長い期間に渡ってかわるがわる、お花が咲きます。
アポイ、サマニ、ヒダカなど、この地方独特の冠が付く名前がたくさんありますよ。
とくに、ヒダカソウはアポイ岳にしかなく、しかも見れる年と見れない年があるくらい、たいへん貴重です。
どの花もきれいで可愛いですね。
お花ももちろんですが、秋には小さなキノコたちも目を楽しませてくれます。
いつ登っても飽きない山です。
ニホンザリガニもいます
第4休憩所で小さな沢を橋で渡るのですが、その沢は年中凍ることがありません。
そして、そこは、絶滅危惧種のニホンザリガニの生息地でもあります。
夏場にのぞきこむと、小さな姿を見ることが出来ますよ。
おすすめ宿泊施設
アポイ岳は比較的短時間で登れる山ですので、少し離れたところ(苫小牧方面、えりも方面)からでもアクセスは簡単です。
北海道では、日高地方のどこからでも、日帰り登山を楽しまれている山です。
山荘という名前ですが、一般的な温泉ホテルです。
日帰り入浴もOKです。
苫小牧、千歳方面への前後に。
登る前に
アポイ岳ビジターセンター
登山口でもある「アポイ岳ビジターセンター」は、ぜひとも立ち寄っていただきたい場所です。
30分ほどアポイ岳のことを勉強すると、アポイ岳をより深く楽しめます。
おすすめ図書
最後に
アポイ岳は標高の低い山ですが、お花を目当てに日本中から登山者が訪れる、人気の山です。
登山者だけではなく、地元では小学生の体験学習でも訪れます。
お手軽に登れますし、季節を変えて、何度も楽しんでいただけたらと思います。
アポイ岳は、かんたんに登れる山ですが、ルートや楽しみ方を工夫すると、もっと深く満喫することができます。
私がオススメする登り方の秘訣を紹介しています。