こんにちは、寝袋!です。
「登山でヘルメットを使う」
と聞くと、岩壁などのクライミングを思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、現在は一般ルートでの登山でも、ヘルメットの着用が義務付け・推奨されている場所も増えてきました。
実際、ヘルメットはとても安全に貢献しますし、安心感があります。
今回は、初めてヘルメットを買う人向けに、登山用ヘルメットの選び方・使い方を紹介していきます。
目次
登山用ヘルメットの役割
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頭にかぶるものですから、当然、登山者の頭部を守るのが役割です。
それでは、登山で頭が危険にさらされる状況は、どのようなものがあるでしょうか?
滑落・転倒
高所からの滑落はもちろんですが、一番身近でたくさん発生しているのが、転倒です。
誰もが経験するのが、転倒です。
ちょっとした転倒でも、頭部を打ち付けてしまえば、それは大怪我につながってしまいます。
落石
「直径15cmもある大きな石が落ちてきて、頭にぶつかった」
という場合に、ヘルメットがあったから助かるかと言うと、それはわかりません。
もちろん、無いよりマシですが・・・。
実際には、もっと小さな、小石程度に当たるケースのほうが多いです。
それがヘルメットに当たるのと、頭に直接当たるのとでは、衝撃がぜんぜん違いますよね。
頭ゴッチン
登山道に飛び出た木の枝や、岩、トンネル状になった場所で、頭をぶつけてしまうことはよくあります。
私のヘルメットに付いている傷は、全部、この「頭ゴッチン」で付いたものです。
私のようなオッチョコチョイは、ヘルメットに助けられています。
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頭ゴッチン(水平歩道は頭ゴッチンの宝庫)
登山用ヘルメットの種類
登山用ヘルメットは、大きく2種類に分けられます。
「ハードシェル」と「インモールド」です。
ハードシェル
ABS樹脂の硬い表面の裏に、スポンジなどの衝撃吸収素材を貼り付けた、シンプルなものです。
「工事用ヘルメット」に近いイメージです。
インモールド
発泡ポリスチレンなどの厚めの衝撃吸収素材を、やや硬めの素材で表面を覆ったものです。
スポーツ自転車用のヘルメットに近いイメージです。
現在の主流は、こちらです。
比較
ハードシェル | インモールド | |
価格 | 安い | 高い |
大きさ | 小さい | 大きめ |
重さ | 重い | 軽い |
通気性 | 悪い | 良い |
デザイン | イマイチ | 格好良い |
ヘルメット各部の構造
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インモールドタイプ
インモールドタイプは、成形が比較的自由なので、換気口を大きく取ることができます。
そのためムレにくく、使用感は夏でもさほど気になりません。
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フィット感調整部
ダイヤル式、ラチェット式などありますが、サイズの調整機能が付いています。
見た目では、ブランドものと安物では変わりがないように見えます。
しかし、著名なブランドのものは、調整部がきちんと出来ていて、ほとんどの人にフィットさせることが出来るでしょう。
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着用のイメージ
ヘルメットの着用は、あご紐で行います。
登山用といっても、とくに変わった構造はしていません。
ヘッドライトの取付方法
ヘルメットは全体としては丸いですから、ヘッドライトを着けるときにちょっと困ります。
何もしないと、すぐにズレてしまうのです。
登山用ヘルメットには、ちゃんとヘッドライトの固定用のパーツが付いています。
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後頭部
ヘルメットの後頭部、前頭部に、ヘッドライトのバンドを固定するパーツが付いています。
写真でわかりますか?
初心者の人は案外気づかず、ただの飾りと思ってしまう人もいます。
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固定パーツにバンドを差し込みます
固定パーツに、バンドを差し込んで使用します。
入れやすく外れにくい形状になっていますので、一度使えば難しくありません。
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後ろを入れたら前も
私の使用している「ブラックダイヤモンド ベクター」というヘルメットでは、前後とも下から差し込む形状になっています。
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完成!
これで、ヘルメットの上からでも、ヘッドライトがガッチリと固定されました。
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こういう固定方式もあります(グリベル公式より)
使用上の注意
ヘルメットは、大きな衝撃を一度受けたものは、使用しないことになっています。
見た目には大丈夫でも、内部で衝撃吸収素材が劣化している可能性があるからです。
おすすめモデル
ヘルメットは、上で書いたように、一度大きな衝撃を受けたら買い替えです。
しかし、めったにそういうことがないのも事実(あったら大変)です。
ですから、けっこう長く使われることになるでしょう。
ちゃんと信頼できるブランドのものを使われたほうが、いいと思います。
ハードシェルタイプ
インモールドタイプ
ブラックダイヤモンドの定番。価格も手頃で、オススメです。
私はずっとベクターです。
超軽量モデルといえば、ペツルのシロッコです。160gしかありません。他モデルはだいたい250g。
昔はオレンジしかなくて、みんな一緒でした。
インナーキャップ
ヘルメットを使用する時、ヘルメットの下にかぶるインナーキャップは便利です。
汗を吸い取ってくれますし、頭への当たりを和らげてくれますよ。
最後に
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岩場じゃなくても・・・
はじめに、どういうときにヘルメットが役立つかを書きました。
転倒&頭ゴッチン
が双璧です。
落石や滑落という大きな災難よりも、もっと身近ですし、多発している印象ですね。
今までは、剱岳や槍穂稜線などの岩場ばかりで推奨されてきました。
きっとこれからは、ごく普通の登山道しかない山でも、使用が一般的になっていくと思います。
とてもいいことだと、私は思います。