こんにちは、寝袋!です。
みなさんは、どうして山登りを始めましたか?
そして、山登りのどういうところに魅せられますか?
美しい景色、達成感、体力作り、仲間、ひまつぶし・・・理由は人それぞれ、無限にありますよね。
私は、ロマンです。
山にロマンを感じるから、登りたいし、登っている人を知りたいし、山の世界の端くれでありたいんです。
そして、そのロマンを盛り上げてくれる1つが、「言葉」です。
山に関わった人たちが残した言葉が大好きです。
自分の心を奮い立たせ、気持ちよくさせ、支えてくれる言葉を紹介していきたいと思います。
今回は、ある高校生の谷川岳一ノ倉沢遭難事故にまつわる言葉です。
「山々に山がすべてであらねども・・・」
山々に 山がすべてで あらねども
すべてをかけて 悔ゆることなし
来てみれば 聞きしにまさる一ノ倉
若き命を 永遠(とわ)につつみて
この言葉の背景
昔、クライマーの聖地谷川岳で、ある高校生クライマーが滑落死しました。
そのご両親が、現場を訪れて残した詩です。
世界で1番遭難者を出している、ギネスにも載っている魔の山。
すべての8,000m峰の死者数を足しても637人なのに、谷川岳だけで805人というから驚きです。(2012年まで。wikiより)
一般登山、ロッククライミング、スキー、幅広い登山者に愛される山です。
この言葉との出会い
私は山好きの両親の部屋で、この言葉が書かれた置物をみつけました。
山小屋風のお土産品で、そこに書かれていたのですが、当時小学生だった私の心に、なぜか印象に残ったのでした。
書かれていたのは前半の部分だけでしたが、まだ山にも登っていないのに、
「なんだか、山登りって格好いいなあ。燃えるなあ」
と感じたんです。
それからずっと覚えていたのですが、あとになって、この言葉の由来を知ったわけです。
前半部分しか知らないときは、
「世の中には山以外にも、いいものはたくさんある。でも、すべてをかけても、悔いはないくらい素晴らしいものだ」
と理解していました。
そして、この言葉を歌ったのは、登山者だと思っていたのです。
そういうふうに読めますよね?
しかし、後半を知った時、私は大げさでなく衝撃をうけました。
しかも、歌った人は、死んだ登山者の父親だったのです。
「登山者を見守る立場で、しかも親が、息子を奪った山に対してこういう詩を読めるのか!」
ほんとうに心が震えましたね。
とても山を理解し、息子さんを理解されていたのだなと感動しました。