こんにちは、寝袋!です。
私は山に関する言葉が好きです。
勇気を奮い立たせてくれる力強い言葉、山にいる今を幸せに感じさせてくれる言葉、また山に行きたくなる言葉など。
山にまつわる言葉って、決して聞こえがよくて、かっこいいだけじゃありません。
飾り気のない言葉なのに、なぜか心に染み込んでくるような、いつまでも忘れない言葉が多いです。
私が好きな山の言葉を紹介する2回目は、熊谷榧(くまがい かや)さんの言葉です。
私はまだまだ登山人生なかばと思っていますが、
「時間を大切にしなきゃな・・・」
と、じーんとくる言葉でした。
「若い山屋さんたち・・・」
でも、あの頃はまだ、遅れても山に登ることが出来たのだなあ・・・
若い山屋さんたち、登れるときに、好きな山にどんどん登ること。
言葉の背景
これは、熊谷榧(くまがい かや)さんという画家さんの言葉です。
登山が好きで、それをきっかけに山岳画を描かれていました。
しかし、ご高齢(1929年生まれ)になり膝を悪くしてからは、山には行けなくなったために、人物の絵などを描かれています。
ちなみに私は、熊谷榧さんのことは、まったく知りませんでした。
それなのに、熊谷榧さんのこと、言葉を知ることになったのは、次のような出来事があったからです。
この言葉との出会い
母親のこと
私事ですが、私の母親は登山が好きです。
今でも高齢者同士サークルのようなものを作って、せっせと近所の低山にハイキングに出かけています。
年に1回私が帰省したときでも、
「今日は山歩きの日だから、見送りできないからね」
と言い残して出かけてしまうような山好きです。
「山登り」ではなくて「山歩き」と言うところが、微笑ましく思っています。
さてある日、そんな母親から、突然絵手紙が来ました。
その絵手紙には、なんの前触れもなく、人参の絵と、この言葉が書いてあったのでした。
ですから私にとっては、
この言葉は熊谷榧さんではなくて、母親に言われた言葉
なんです。
ジーンと来ました。
先日
話はちょっと変わりますが、この冬に帰省した時、母が、
「いいところ見つけたから行こう」
と、実家から3分ほどにある歩道橋に、私を連れていきました。
するとそこには、雪で真っ白になった北アルプスの山々が遠くに見えるのです。
「お母さん、暇な時ここに来て山を見てる」
と言うのです。
ちょっと前までは、近くのマンションの踊り場が展望台だったらしいのですが、最近はこの歩道橋を見つけたと。
私たちにはまだわからない老登山者の世界
そんなこともあって、私はご年配の登山者の気持ちを、時々考えるようになったのでした。
身内の話はお恥ずかしいのですが、母のおかげで今の自分の登山を見つめ直すきっかけにもなったのでした。
うちらは「楽でも」「きつくても」山に登ることが出来ます。
「登れない」なんてことは、滅多にないのが、若い我々の山登りです。
でもいつか、熊谷榧さんのように、山に登ることが出来ない日がやってくるでしょう。
そのときに、後悔しないように、「山に登れる今」を大切にしなければと思います。
未来の自分から、今の自分へのメッセージかもね。