こんにちは、寝袋!です。
登山道を歩いていて、誰でも1度は見たことがあるピンク色のテープ。
たいていは、木の幹や枝に結びつけてあります。
登山者は「ピンクテープ」とか「ピンテ」とか呼びますが、あれは何でしょうか?
「え?登山道であることをしめす目印ですよね?」
ほとんどの人が直感的に理解していると思うのですが、ちょっとまってください。
本当に登山道を示している?
正しいの?
そもそも誰が付けてるの?
ピンクテープの基本的な意味や注意点はもちろん、特殊なケースなども紹介していきます。
私はピンクテープが好き(?)で、見かけるとついつい写真を撮ってきました(笑)
まさか役に立つ日が来るとは思っていませんでしたが、その場にいるつもりで見てもらえたらいいかな。
登山道にある目印「ピンクテープ」
ピンクテープは道案内?
ピンクテープは登山道の道案内なのでしょうか?
例外(あとで説明します)もありますが、基本的に登山道を意味しています。
「ここは正しい道ですよ!」
と教えてくれているのです。
わかりにくいところに
迷うことのない、はっきりした場所には、ピンクテープは付けられません。
「ここは道に迷う可能性があるな」
と心配して、目印として付ける場合が多いです。
冬山では登山道(夏道)とは関係のないルートで登ることも多いので、冬用のルート案内として使われます。
看板を設置しない・出来ない場所に
メジャーな登山道では、踏み跡もしっかりしていますし、迷いやすいような場所には看板が設置されます。
しかし、あまりたくさんの看板を設置するのも無理ですし、風景が台無しで味気ないものです。
そこで、補佐的な意味で、ピンクテープやペンキ(岩などに矢印などを書く)が利用されます。
誰が付けてる?
さて、ピンクテープはいったい誰が付けているのでしょう?
登山道を維持している山小屋、山岳会、ボランティア団体が、
「登山者の安全を思って」
付けている場合が多いです。
しかし、なかには「一般の登山者が勝手に付けている」場合もあるので要注意です。
正直、正しいかどうかもわかりません。
注意点についてはあとで詳しく説明しますね。
登山道のピンクテープの見方
経験者の方は読み飛ばしてもらって結構ですが、ピンクテープの基本的な見方を説明します。
立ち止まって探しましょう
ピンクテープは、
「もしかすると、ここで行く方向がわからなくなる人が多いかな?」
「天気(視界)が悪かったら間違いそう」
という場所に付けられます。
ですから、
「あれ?登山道はどっちだ?さっきまでハッキリしていたのに・・・?」
と思ったら、立ち止まって周囲を見渡してください。
すると、視界のどこかに、ピンクテープが見えるかもしれません。
自然界において、ピンク色というのはとても目立つので、わかりやすいはずです。
ピンクテープに頼らず、地図やGPSで自分でルートを探すのが本来です。あくまでも補佐であることを忘れないで。あるかないか、行ってみなければわからないわけですし。
点ではなく線で見る
上の写真は、登山道が雪渓で途切れていて、どこに続いているかわかりにくいですよね。
雪の上に踏み跡があるからわかりますが、「もし無かったら」と想像してください。
目印のピンクテープ(赤だけど)がありますが、そこからどっちへ進めばいいのでしょう?
上で書いたように、そういう時は立ち止まって、周囲を見渡します。
すると、先の方に木の枝に結び付けられたピンクテープが見えてくるのです。
「OK!このテープからあっちのテープへ進んでいくんだな!」
とわかります。
つまり、ピンクテープは「点」で考えるのではなくて「線」で考えるのです。
付いている場所で見分ける
ピンクテープは、木の枝に付いていることが多いです。
林業の方もピンクテープを付けるので、それを間違ってしまうのはよくある失敗です。
私の経験上、
「枝についているピンクテープは登山者向け」
と考えて良いです。
木の幹に付いているものは、信じないほうがいいでしょう。
伐採の目印だったりしますから、そっちへ進むと危ないですよ。
何より、先に書いたように「線」になっていない場合が多いので、見分けることが出来るはずです。
ピンクテープのいろいろなパターン
さて、ピンクテープは「誰でも簡単に設置できる目印」ですから、登山ルート以外を意味することもあります。
そういうパターンも知ってほしいと思います。
水場やテント場を示す
上の写真のピンクテープ、どういう意味かわかりますか?
こんなにハッキリしている踏み跡ですから、わざわざピンクテープを付ける必要なんてないのに?
しかも、よく見るとピンクテープの横に、小さくもう1つピンクテープ付いていますよね。
これはじつは・・・
「ここから左手に降りていくと、テント場への道がありますよ」
という目印なのです。
わからない人はそのまま通り過ぎてもいいのですが、テント場に降りる道を探している人にとっては、重要な目印なわけです。
「なんだこのピンクテープは? 必要ないよ」
と思うか、
「おっと、ここか!」
と思うか、人によって違うことになります。
渡渉ポイントを示す
こちらのピンクテープは、ルートを示している意味では同じです。
登山道が沢(この時は雪渓ですが)にぶち当たる場所です。
「はて? どこかで沢を渡らなきゃいけないんだけど、どこで渡ろうか?」
対岸へはどこからも渡れそうですから、ちょっと迷ってしまいます。
そこで対岸にあるピンクテープが目に入るわけです。
「なるほど、あそこに渡ればいいのか!」
と渡ってみると、なるほど、他の場所よりよじ登りやすく、上で登山道につながっていました。
渡渉(沢を渡ること)の目印にピンクテープはよく使われるのです。
「どこから渡渉してもいいけど、ここがやりやすいよ!」
という目印で、ルートの目印とはちょっとだけ意味が違いますね。
進入禁止を示す
通行禁止になった登山道や、崖などの危険な場所に間違って入り込みそうなところにもピンクテープは使われます。
長時間の場合はロープなどに変わることが予想されます。
一時的、応急的に指示する場合、ピンクテープは簡単で便利なんですね。
よほどのことがない限り、誰でもわかりそうです。
時々切れて垂れ下がっている場合もありますから、
「これってもしかして通行止めだったんじゃないかな?」
と警戒することも大切です。
ピンクテープの注意点
ピンクテープは頼りになる反面、注意も必要です。
信用しすぎない
ピンクテープは信用しすぎないようにしましょう。
先に書きましたが、
ピンクテープは、誰が、なんのために付けているか、保証がない
からです。
あくまでも、補佐的なものとして考えて、地図で確認することが大切です。
違う場所への道の可能性
また、付けた人にとっては正しいものでも、あなたにとって正しいかどうかはわかりません。
『山頂へ向かうAというルート』として付けられたピンクテープは『あなたが今日歩くBルート』では間違いなんです。
「ピンクテープがあったから安心して歩いていたら、違う山に登っちゃった」
というのでは困りますよね。
特にヤバいのは沢登りの目印
一番ヤバイと思うのは、沢登りの人たちが残していったピンクテープです。
「おやっ?こっちが登山道なのかな?」
と思って進んでしまうと、沢を下っていくことになってしまって危険です。
割としっかりとした踏み跡があるので、余計に勘違いしそうです。
林業の場合もあり
これも先に書きましたが、林業などの目印と間違わないようにしましょう。
見分け方もわかりましたね?
勝手に付けない
ピンクテープは、むやみに付けてはいけません。
山の景観を壊すので嫌う人もいますし、あなたが正しいかどうかもわからないからです。
付けたら帰りに外す
私も極稀に付けることがありますが、帰りには外して帰ります。
あくまでも、
「自分が今日登って帰るための目印」
として付ける場合だけです。
冬山で旗竿(テープや旗を付けた竿。雪面に突き刺して帰りに戻れるようにする)を利用するのと同じです。
「次に来た人の参考になるかも」
と残すのは、正しいようでじつはマナー違反です。
最重要!ピンクテープまとめ
ハッキリ言えば、ピンクテープはなくても問題のないものです。
本来はピンクテープもペンキも看板も、地図を見ていれば用のないものだから。
ですが、実際のところ、たしかに地図だけではわかりにくい所、あります。
そういう場所に付けられた目印は、安全を願う地元の人のご厚意だと思って、意図をくみ取るようにしましょう。
うるさいくらい付けられたピンクテープにウンザリすることもありますがね。
感謝しつつ、信用せず。
たとえるなら、言葉で伝えるのではなくて、ジェスチャー当てクイズのようなもの。
「これはどういう意味で、何を伝えたいんだろう?」
そう考えることが重要です。
さいごにもう一度。
「ピンクテープは感謝しつつ、信用せず」ですよ。
↓登山における目印と言えば、これも。
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