こんにちは、寝袋!です。
「スノーブリッジ」・・・直訳すると雪の橋?
スノーブリッジは、まさしく雪の橋なんですが、かわいらしい(?)名前とは裏腹に、
「怖くて危険なもの」
です。
想像して下さい、いつ落ちるか・どこが落ちるか予想できない橋を渡る自分を。
- スノーブリッジはどういうものか
- どこで事故が起きるのか
- 比較的安全な歩き方
を解説します。
私が今まで撮りためたスノーブリッジの写真も載せますので、
「自分だったらここから突破するかなあ?」
と考えてみるのも面白いですよ。
目次
スノーブリッジとは?
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/OVRB1960.jpg)
スノーブリッジ(秋です)
雪が積もって
冬の間に、沢地形には雪が大量に降り積もります。
そして、沢地形は日当たりが悪いので、夏(場合によっては秋も)でも融け残ります。
どんどん融けて
残雪は普通は太陽の熱で、上(表面)から融けていくイメージですよね
しかし、下を流れる雪融け水や地面の熱で、実は下からも融けていくのです。
橋のように残ったもの
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/933216_s.jpg)
似てますよね?
その結果、下が空洞になるのですが、それをスノーブリッジといいます。
沢地形のあちらとこちらを繋ぐように、まさに橋のようになりますので、ぴったりなネーミングですね。
危険が潜むスノーブリッジ
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/sekkei03.jpg)
見事な橋!
暑い時期に残雪があると、
「雪の上を歩ける!」
と、なんとなくウキウキします。
ちょっと手で触ってみたりしてね。
でも、スノーブリッジはじつのところ、かなり危険なものです。
毎年、事故も起きてしまいます。
「いつ」落ちるかわからない
スノーブリッジは、いつ落ちるかわかりません。
前の人は大丈夫だったのに、すぐ後ろの人が落ちるのも「登山あるある」です。
重い人が落ちそうなイメージがありますが、そうとも限らないんですよね。
もろくなったスノーブリッジが、いつ落ちるか?
予想はとてもむずかしいのです。
「どこが」落ちるかわからない
あとで、スノーブリッジが「一般的に」どこが危ないかを説明します。
でも、地形は同じではありませんし、融け方も同じではありません。
場所によって、スノーブリッジの残り方は違うので、どこが落ちるかを予想することも経験が必要です。
スノーブリッジの歩き方
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/PICT0014.jpg)
スノーブリッジの歩き方には基本があります
スノーブリッジは、いつどこが落ちるかわかりにくいと書きましたが、
なるべく危なくない基本的なスノーブリッジのセオリー
があります。
それだけでも、ちゃんと知っておけば、事故を防ぐことができます。
危ない場所を知る
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/snowbridge001.jpg)
まずは、スノーブリッジのどこが危険な場所なのか知りましょう。
スノーブリッジは、
- 中央部は薄くなっているので一番危険
- 端っこの地面に接するところも薄いので危険
- 端っこと地面の間に隙間があると危険
です。
下手な絵ですが、上を参考にしてください。
中央部で落ちると、地面まではかなりの高さを落下してしまいます。
大怪我につながるのは、たいていこのパターンです。
また、端っこの隙間に落ちてしまうと、最悪はい出せない場合もあります。
スノーブリッジは、端から少し離れたところを歩きましょう。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/sekkei02.jpg)
落ちるのは中央からと決まってます
乗る前にコースを決める
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/sekkei01.jpg)
渡ってる本人はおっかなびっくり
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/雪渓トラバース.jpg)
上の写真をみてください。
前に何人も歩いているのに、一番最後尾の人が、かなりおっかなびっくり、へっぴり腰で歩いていますよね。
離れて見ていると、
「そこは崩れないでしょ?」
と思うかもしれませんが、
いざスノーブリッジに乗ってしまうと厚みがわからない
ものなんです。
おそらくこの人は、
「いつ落ちるか、どこが薄いのか」
わからないままに進んでいるんです。
全身に嫌~な汗をかいていると思いますよ。
スノーブリッジは、乗る前に観察し、コースを決めておくことが大切です。
スノーブリッジのイメージトレーニング
それでは、私が撮った写真の中から、スノーブリッジを集めてみましたので、見て下さい。
「自分だったら、ここからスノーブリッジに乗って、ここを歩く」
と、イメージトレーニングしてみてください。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/DSC00672.jpg)
踏み跡はあるけど、本当に大丈夫?右に寄るとヤバイ。高さ不明
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/DSC00699.jpg)
この踏み跡はかなりヤバそう。面倒ですが沢に降りるのも安全策です
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/DCF00075.jpg)
どうします?
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/IMG_0070.jpg)
乗る前に観察!
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/DSC00674.jpg)
難題!沢に降りる場所も選びましょう
上の写真、どこかで沢に降りなければ、上に登っていけませんね。
どこから沢に降ります?
降りるところって細く薄くなっているので危険です。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/IMG_0071.jpg)
こういうのは乗らないで地面を歩きましょう
どうでしたか?
基本的なセオリーがわかっていても、それでも迷うところがあったと思います。
実際、どこが正解だったかはわかりません。
ただ「今回は落ちなかった」だけかもしれないですしね。
最後に、私がスノーブリッジを渡るときに、いつもやっていることを書いておきましょう。
「おれはここで落ちるほど、日頃の行いは悪くないはず!」
と祈ることです。
今まではうまくいってますが・・・そのうち・・・(笑)
スノーブリッジの歩き方まとめ
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/05/PICT0004.jpg)
スノーブリッジという言葉の意味、基本的な歩き方の基本を説明しました。
スノーブリッジは、落ちるとすぐに骨折事故になります。
場合によっては、そこで通行止めということもありますので、そういう場合はあきらめましょう。
スノーブリッジは沢地形にできます。
それはつまり、携帯電波が届かない可能性が高いことを意味します。
とくにソロ登山の場合は、注意して慎重に判断してくださいね。
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