こんにちは、寝袋!です。
登山地図やガイド本に書いてある時間、たとえば、
『○○山は登り3時間、下り2時間』
というものを、コースタイムといいます。
山全体の所要時間を書く場合もあれば、コースを区切って、
『ここからここまで30分』
という感じで書いてある場合もあります。
今回は、
「登山地図のコースタイムって、なに?」
「速い人と遅い人っているけど、私はどっち?」
という基本的な疑問にお答えしていきます。
コースタイムの利用方法と、初心者が情報を読み取るコツを説明します。
次にあなたが行く山、どんな山なのでしょう?
目次
山登りのコースタイムとは?
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/09/OVRD3588.jpg)
地図に書いてある数字、これがコースタイムです
上の写真の中央部に、赤字で『←1.20 2.00→』と書いてあります。
この数字がコースタイムというものです。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/09/OVRD35881.jpg)
雷鳥平と剣御前小舎の間
この場合、
- 雷鳥平から剣御前小舎へ歩いていくと、2時間かかります
- 剣御前小舎から雷鳥平へ歩いていくと、1時間20分かかります
ということを意味しています。
こういう部分部分のコースタイムを足し算していったものが、登山全体のコースタイムということになります。
例えば、剣御前小舎から東へ別山南峰へ行くと、さらに30分かかるみたいですから、
雷鳥平から別山南峰まで行って帰ってくる場合、
行きは『2時間+30分=2時間30分』で、帰りは『20分+1時間20分=1時間40分』
ということになります。
ここまで大丈夫ですか? 簡単でしょ?
コースタイムは誰がどうやって決めてる?
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/09/OVRD3594.jpg)
「でもさあ、人によって歩くスピード違うでしょ?」
と思われるかもしれません。
よく見ると、地図やガイド本にはちゃんと説明してあります。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/09/OVRD3593.jpg)
人数、年齢、荷物の重さ、天候、いろいろと条件は書かれていますが、つまり、
平均的な人の、平均的な所要時間
と考えて良いと思います。
コースタイムの使い方
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/09/ike0989.jpg)
「『平均的』って言われても・・・自分がどうなのかがわからないんだよ」
そう不思議に思うのは当然です。
問題は、その「平均的」と「自分」との差なんですよね。
「私はコースタイムと同じくらいで歩ける」
「私はコースタイムよりちょっと遅めみたい」
もっと経験すると、
「私は登りは速いけど、下りはコースタイムが精一杯」
などというように、コースタイムと自分とのレベル差がわかってくるものなんです。
そうなればしめたもので、コースタイムを見れば、
「あなたが、だいたいどのくらいの時間で歩けるのか」
すぐにわかるようになるというわけです。
それをつかめるまでがちょっと怖いので、
「初心者は時間に余裕を持って計画しましょう」
ということになります。
コースタイムでわかる裏情報
さて、コースタイムが教えてくれることは、ただの時間だけではありません。
次のような情報も教えてくれます。
往復でタイム差が激しい場合
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/09/OVRD3590.jpg)
「おや、ここはかなり登る(下る)んだな?」
当然ですが、コースタイムは、登りのほうが下りよりも時間がかかります。
そして、その時間差が激しいほど、その登山道は急ということがわかるのです。
上の写真の場合、登りは2時間30分、下りは1時間20分です。
2倍近い時間がかかるということになりますね。
こういうコースタイムのところは、それだけ、
「登りがきつい」
ということですから、かなり体力を消耗しそうですね?
よく見ると、横に親切にも『急坂』とちゃんと書いてありますね。
往復でタイム差がない場合
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/09/OVRD3591.jpg)
「往復で同じ時間かあ」
反対に、どちらの方向でもコースタイムが変わらない場合もあります。
この場合はどういうことかわかりますか?
「たいした登りがなくて平らなところ?」
と思った人は、80点。
いちおう、
「登りも下りも同じくらい存在するところ」
という可能性も考えておくべきでしょう。
これ以上はコースタイムより「地図読み」が必要になってきます。
距離とタイムの関係
同じ1時間のコースタイムだとしても、その距離の違いも意識してください。
「長い距離なのに1時間」と、「短い距離なのに1時間」。
どっちがきついかは、考えなくてもわかりますよね。
ちょっとアドバイス
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/09/OVRB0198.jpg)
さて、あなたが次の山を計画する場合、コースタイムを調べると思います。
基本的なことは説明してきましたが、あともう少し、アドバイスと注意点を聞いてください。
そして、最後に私がおすすめするコースタイムの計算方法、登山計画の立て方をご紹介します。
休憩時間は含まれていません
コースタイムについて忘れては行けないのが、
「コースタイムに休憩時間は含まれていない」
ということです。
休憩もせず、頂上で景色も観ずに、10時間歩き続ける「登山マシーン」のような人以外は、それではダメです。
「1時間歩いて10分休憩する」などと言われますが、大小はともかく、休憩時間の余裕を持ちましょう。
コースタイムは嘘の場合もあります
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/09/OVRD3588-tile.jpg)
地図によっても違います
上の写真のように、地図によってコースタイムが違う場合があります。
それはとくに問題ではないのですが、じつは「コースタイムが全然間違ってる」ときがあります。
コースタイム4時間って書いてあるのに、ほとんどの人が3時間で歩けてしまうというような、明らかな間違いがあるから困りものです。
その地図だけが間違っているのならばいいのですけど、どの地図でも間違っている場合が多くて、
「これって、つまりはパクリそういうことだよね(苦笑)」
と、ため息が出ちゃいます。
早く着くのはまだマシで、
「ここを40分? どう考えても1時間はかかるだろ!」
という「時間通りたどり着けない」間違いは、とくに危険ですよねえ。
疲れてくると遅くなります
あと注意してほしいのは、人間は疲れるということです。
その日の最初の1時間と、最後の1時間では、足の進み方も全然違うでしょう。
極端な話、同じ山を1日に2回登ると仮定したら、1回目は3時間で登れたとして、2回目は3時間では登れません。
そういうことです。
私が計画を立てるとき
以上を踏まえて、実際に私が計画を立てるとしたら、どういうふうにやっているか、参考までにお教えします。
地図を見て、
「登山口→(50分)→A地点→(1時間10分)→頂上→(50分)→A地点→(40分)→登山口」
という山があったとしたら、
「登山口→(1時間)→A地点→(1時間30分)→頂上→(1時間)→A地点→(1時間)→登山口」
というふうに、それぞれ「30分単位で切り上げて」雑に計画します。
表にすると次のようになります。
コースタイム | 計画 | |
登り | 2時間 | 2時間30分 |
下り | 1時間30分 | 2時間 |
山頂休憩 | 1時間 | 1時間 |
合計 | 4時間30分 | 5時間30分 |
細かく計画を立てる人ならば、「ここで休憩時間を10分」とかやるんでしょうけど、私は大雑把にやっています。
上の例ですと、コースタイムより1時間ほど長い登山計画になりますが、これくらい余裕があったほうがいいものです。
実際に歩くと、休憩含めても5時間30分はかからないどころか、コースタイムより速いことが多いです。
でも、それくらいのほうが余裕があって気分良く歩けるので、ずっとこうしています。
もちろん、もっと長い計画の場合は、余裕の時間をもっと多く設定します。
正確に言えば、じつは、コースタイムは平均的な人の所要時間ではありません。それに10%ほどの余裕をもたせて書いてあるのが普通です。
ですから「コースタイムより少し速く歩けて当たり前」なんですが、余裕をもって計画しない人のための安全マージンというわけです。
そこにさらに私のように余裕をもたせると、かなりの余裕が生まれるというわけです。
コースタイムとうまくつきあいましょう
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/09/PA070632.jpg)
以上、登山地図のコースタイムの説明と、ちょっとしたコツを書いてきました。
上で書きましたが、平均的な人の所要時間であるコースタイムと、自分との違いを把握することは大切です。
これから長く山を楽しんでいくのですから、自分も体力の増加や減退など変化があるでしょう。
「以前はコースタイムなんて楽勝だったけどな・・・今はキツイな・・・」
そういう変化に気づくことも、コースタイムの良さでしょうね。
あなたとコースタイムの距離感をつかんで、うまくつきあっていってください。。
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