こんにちは、寝袋!です。
パタゴニアを代表する人気製品の一つ、レギュレーターフリースのR1。
暖かさと通気性を両立して、まさに「レギュレーター」として働く高機能フリースです。
そのシリーズに、2020年に新しく「R1エア」というものが加わりました。
従来のR1よりも通気性に特化して開発されたということでしたが、それから1年、じっくり使ってみましたので詳しくレビューしたいと思います。
「これまでのR1とどのように違うのか?」
「R1エアのサイズ感はどうなの?」
という人は、参考になると思います。
「目的にあったものを選んでこそのテクニカルウェア」ですので、選び間違いのないようにしてください。
目次
パタゴニアのテクニカルフリースの新種「R1エア」
おおまかな特徴
パタゴニアの公式サイトに書いてある説明は、ほぼ通常のR1に似通った解説です。
ただカタログには詳しく説明がありまして、通常のR1よりも通気性をアップさせ、より運動時の快適さに特化したものとなっています。
実際にどうなのかは後述します。
シリーズ展開
クルー | ジップネック | フルジップフーディ |
街でも人気 | 山では定番 | フードが欲しい人向け |
R1エアは3種類ラインナップされています。
襟なしのクルー、胸までのハーフジップタイプのジップネック、フルジップでフード付きのフルジップフーディの3種類です。
R1シリーズ全般に言えることですが、フルジップのタイプはややゆったりとしたシルエットになっています。
クルータイプはなぜか街着としても人気のようです。
私もクルーを使っていますが、私はオシャレではないので理由はわかりません。
ただ、テクニカルなフリースが、街着としても便利なのはよくわかります。(贅沢~)
R1エアの詳細
まずは私が使っているR1エアクルーを使って、R1エアの基本的な作りをご紹介します。
まずひと目見て真っ先に目に入る特徴は、やはりその素材です。
通常のR1といえば、ブロック型のフリース素材でした。
生地が厚めのところと薄めのところが交互にパターンになっていましたが、そのブロックパターンをウェーブ状にされています。
全般的にシンプルなR1エアですが、胸ポケットがあるとやはり何かと便利です。
私は今回はクルーネックを使っていますが、ネックの形状は用途によって選べばよいでしょう。
私はいつもはジップネックが好きなんですが、ベースレイヤーや上着との兼ね合いで今回はクルーネックをチョイス。
裾や袖周り、首周りに当て布で補強が施してあります。
この補強は後述するサイズ感にも影響してくるポイントなのですが、
「実にいいところに補強されてる」
と感じました。
手首の内側や裾の背中側というのは、使っているとどうしても擦れることが多い場所でして、激しい登山では真っ先にほつれたり破れてくる場所です。
パタゴニアのR1素材はとても耐久性があるのですが、それでも補強してあると安心ですからね。
このあたりは、
「さすがパタゴニア、現場をわかってる!」
と信頼できるところなんですよね。
R1エア使い込みレビュー「R1との違い」
それでは、1年半使ってみた感想を書いていきますが、通常のR1との違いを比較しながら説明したいと思います。
R1との生地の違い
通常のR1の生地は、みなさまご存知、代名詞とも言えるグリッドタイプです。
生地が厚い四角形が並んでいて、その隙間が薄くなっています。
この隙間が、空気の抜けをよくして、体の熱を外に効果的に放出してくれるというわけです。
それが「レギュレーター(調整器)」の所以ですね。
R1エアは、R1の生地のパターンをウェーブ型にしたような形状をしています。
裏面の凹凸が大きかったのに対し、R1エアの場合は表生地のほうが凹凸が大きくなっていますね。
R1より通気性アップ
実際に使ってみると、この新開発のパターンによって、とても通気性が高くなっているのを感じます。
数字的なことはわかりませんが、生地が薄い部分の総面積が増えているのでしょう。
一般に衣料品として販売されているフリースは、分厚いものは暖かく、薄いものは寒いです(当たり前)。
対して登山用のテクニカルなフリースは、生地の厚みに対して暖かく、しかも暑くなりすぎないように熱を逃がす必要があります。
それが優れてるのがパタゴニアのR1なのですが、それをさらに通気性に特化した感じです。
そして、例えば上にジャケットを着て空気の流れを遮断すると、一気に暖かくなるのです。
「この時期、R1ではちょっと暑いんだよなあ」
というときには、とってもいいですよ。
私の感想としては、R1エアは「R0.7」です。
R1より軽い
ネック形状が違うので比較として十分ではありませんが、かなり重量差があります。
手に持った感じからも、生地自体の軽さを感じますよ。
R1エアのサイズ選びについて
R1エアのサイズを選ぶとき、注意するべきポイントがあります。
それは、上の方で書いた「要所に補強された当て布」のためです。
レビューで、
「R1エアの生地は伸縮性が小さめ」
と書かれていていますが、実際は生地自体は結構伸縮します。
通常のR1と比べて、大きく変わるということはありません。
ただ、補強の当て布が伸縮性ゼロなので、結果的に全体の伸びが小さくなってしまいます。
これは欠点だけではなくて、長期的に見れば逆に「袖や裾がビロビロに伸びてしまわない」という長所でもあると思います。
サイズ選びで注意しなければならないのは、この伸縮性の低さにあります。
一番気をつけるところは、袖通しの具合、首通し(クルーの場合のみ)になります。
極端に腕が太いとか、頭が大きいとかですと、窮屈に感じてしまう場合もあるかもしれませんよ。
ただ、よほどのことがない限り、
通常のR1と同サイズで大丈夫
と思います。
R1エアの使い分け
パタゴニアの愛用者には、実はこういう悩みがありました。
「R1では暑い」
となったときに、それより涼しめで同じ働きをするものというと、キャプリーンサーマルウエイトしかなかったのです。
また、逆もしかりで、
「キャプリーンサーマルウエイトではちょっと寒いよね」
となったときに、いきなりR1だったわけです。
おれたちは、その中間が欲しいんだ!
そういう登山者の声を聞いて登場したのが、このR1エアなわけです。
先程も書きましたが、私はこれはR0.7だと思っています。
暑さで表すと、
キャプリーンサーマル<R1エア<R1<ナノエア
というわけです。
寒冷期の行動もできるウェアとして、こういう位置づけで使うと便利だなと思っています。
実際、北海道の冬山ではマイナス20℃はざらですが、それでもR1エアのほうがちょうどよい場面も多いですね。
風とか太陽の具合で変わりますが、行動中は季節を問わず暑いものです。
こんな人にはR1エア
最後に、R1エアを買うべきかどうか、その判断基準を私なりに書いておきます。
R1より少し涼しめの行動着が欲しい場合
R1では暑い時期、例えば初冬の高山帯などで行動着が欲しい人は、一度試してみるといいですね。
キャプリーンサーマルでは寒い場合
キャプリーンサーマルは、パタゴニアのベースレイヤーとして最厚のものです。
それだけでは寒いなと感じる場合や、レイヤリング(重ね着)でうまく対応できない場合は、ちょうどよい場合があると思います。
番外:街で着れるR1が欲しい場合
R1の優れた性能を、街でも味わいたいという贅沢な方は、R1エアはいいかもしれませんね。
R1ほどガチな感じではない、柔らかい印象ですので、街着として成立するのかもしれません。(だから売れてる?)
2021年秋、R1デイリーという街着向けのR1も発売されましたし、そういう人が増えているのかもしれません。
まとめ
私が使ってみた感想では、極端な話、R1からR1エアに置き換わっても大丈夫な感じもします。
細かい状況に合わせて、デリケートに使い分けることも大切ですが、そこまで神経質になるほど、登山者はヤワではないですし。
ですから、上に挙げたことに当てはまる人は、1回使ってみるのも手です。
欲しかった「隙間」を埋めてくれるかもしれませんし、もし狙いと違ってもR1と同じように使えるでしょう。
私個人としては、R1エアの通気性は秋冬にはとても使い勝手がよいので、とても気に入ってます。
以上、R1エアとR1の違いを基本に、R1エアの使用感をお伝えしてきました。
参考になれば幸いです。
⬇写真をクリックすると公式サイトで詳しいレビューが見れます。
クルーは首周りがごちゃつかないのが好きな人に。街着としても人気らしいです。
登山にはジップネックやフーディーが便利な場合が多いかな?