『硬派な登山者へ贈る』カリマーの大型ザック「クーガー」を徹底レビュー




こんにちは、寝袋!です。

久しぶりに、縦走用の大型ザックを買い換えました。

先代はグレゴリーのトリコニ60でして、

「壊れたらバルトロを買うのに、なかなか壊れない」

と嘆いてきました。

ところが、いざとなって買ったのは、カリマーのクーガー55-75でした。

大人気のバルトロ、私も「良い」と思ってたバルトロ。

それなのにカリマーの「クーガー55-75」にした理由、語ります。

(2020年10月、実戦使用後のレビューも追記しました)

新しい縦走用大型ザック買いました。

カリマーのクーガー55-75。色は派手な「チリ」

私は、日帰り登山よりも縦走のほうが多い登山者です。

ですから、小型ザックよりも大型ザックのほうが消耗が激しく、買い換える機会も多くなります。

今回、長年相棒として使ってきたトリコニ60を、生地がベタついてきたので引退させることにしました。

「さあ、いよいよバルトロ買うぞ! 色はどうしようか?」

と考えて、登山用品店に行きました。

ところがなぜか、お店を出るときに持っていたのは、

カリマーの「クーガー55-75」

だったんです。

クーガー55-75を写真で紹介

今回、新しくクーガーを買って、まだ使っていません。(2020年春時点)

近いうちに1週間ほど縦走するのを手始めに、ガシガシ使っていきますから「実戦レビュー」は後日書きます。

この記事でご紹介するのは、

  • 私がクーガー55-75に決めた理由
  • クーガー55-75を写真で徹底紹介

ということになります。

それではまずは、全体的におおまかな特徴をどうぞ。

細かい部分については、あとで詳しく解説していきます。

赤いザックは多いけど、2種類の赤を組み合わせた派手な色をチョイス

背面や各部の黒色がアクセントでお気に入り

薄くても丈夫なコーデュラナイロン、しかも420デニール

雨蓋には1リットルのナルゲンが2本入ります。デカイ!

雨蓋の裏はメッシュポケット(このザック唯一のメッシュ素材)

ザック上部は一般的なコードロックで絞る形。

前面にはディジーチェーン(カラビナなどを付けて使う)

両サイドにも細めのディジーチェーン

大きなフロントポケット

ウエストベルト周辺。分厚いパッド類が目立ちます。

カリマーの背面長サイズ調整機構。かんたんです。

ショルダーベルトにはD環。これがあるとないとでは便利さが違います。

チェストベルトには緊急用ホイッスル内蔵

雨蓋の形状

下部の開口部

コードロックで絞って2気室にできます

2気室が好みの人はこのように使ってください

雨蓋の4隅には細引きなどを通す部分が付いています

クーガーに決めたポイント

「もともとクーガー好き」信頼性

今は出番がなくなった巨大ザック

じつは、もともとカリマーのクーガーは使っていました。

75-95リットルという超大型のザックで、荷物が多いときに愛用していました。

荷物が重くても背負心地が良くて、頑丈で安心出来て、ファンだったんです。

「クーガーなら安心」

という信頼感があったんですよね。

「メッシュなど使わない」耐久性

トリコニのポケット

他のザックを比べられるとわかりますが、現在のザックは「伸縮性のメッシュ生地」をうまく使うのが特徴です。

たとえば正面の大型ポケットやサイドポケットは、ビヨーンと伸びるので、荷物を一時的に入れるのに便利です。

ところが、このクーガーは、

外見上にいっさいメッシュ生地がない

という作りです。

唯一のメッシュ生地は雨蓋の裏のポケットだけで、そこはいわゆる「内側」です。

メッシュの弱さ

徹底的に分厚いコーデュラナイロンだけで包み込んだザック、それがクーガーです。

今どきの流行に流されない、硬派なザックと言えるでしょう。

その反面、このクラスのザックの中では最重量です。

カリマー クーガー55-75 2,740g
グレゴリー バルトロ65 2,490g
オスプレー イーサーAG60 2,340g

300~400gほど重いです。

ところが・・・

「重いのに重くない」背負心地

超分厚い。そして柔らかすぎない。

よく言われるザックブランドの評判を簡単に書きますと、

  • オスプレーは、軽めで背負心地がやわらかく、便利機能満載
  • グレゴリーは、やや重いけど背負心地で重さを感じさせない

と言われます。

しかし、私はカリマーのクーガーは、グレゴリーの特徴をさらに極端にしたものと考えています。

「グレゴリーよりもさらに重いけど、さらに背負心地でカバーしている」

と感じるんです。

とくに、荷物が重くなるほど強さを発揮するんです。

背中・肩ベルト・腰ベルトのパッドは、グレゴリー以上に分厚く力強いのがわかります。

カリマーの腰ベルト形状

さらに、これはカリマー独自の方式だと思うのですが、腰ベルトが上下から引っ張る形になっているんです。

腰ベルトの上下に固い樹脂パーツが付いていて、両方で締める感じです。

図で説明すると、下のようになります。

カリマーの腰ベルト

この方式のおかげで、ベルトを締めたときに、腰骨をギュッと包んで締め付けるように、密着するように感じます。

そして、長い時間歩いてもズレにくいのです。

分厚いパッド、腰ベルトの締め方によって、

「重い荷物を背負うときでも重くない」

と感じるのは、カリマーが一番だと思っています。

ですから、上で書いたように自重が300g重くても、まったく気になりません。

「上向きなのに使いやすい」サイドポケット

グレゴリーのサイドポケット

最近のザックは、ザックを背負ったままでも水筒が取り出しやすいように、工夫されています。

ポケットが横を向いているか、上からも横からも開けられてメッシュ生地で締め付けるか、どちらかです。

カリマーはそのどちらでもありません。

カリマーのサイドポケットは上向き

一見すると、

「これじゃあドリンクはザック下ろさないと飲めないね」

と思うでしょう?

ところが、実際はそうではないのです。

背負ったまま

上向きなのに

入っちゃう!

ここの角度が絶妙なのです

その秘密は、ポケットの上部の斜めにカットされていることです。

この角度が絶妙なので、

  • 背負ったまま水筒を出し入れ
  • しかも深く入って落ちにくい
  • 上向きなので水筒以外(ストック・ポールなど)も使える

というスグレモノになっています。

メッシュ生地を使わず、これを成功させたカリマー「やるなあ」。

「必要ならば大きくなるよ」拡張性

クーガーは昔から、サイズの表記が他と違います。

今回買った「55-75」というのは、

「55リットルから75リットルまで使えます」

ということです。

そう、容量が変わるのです。

サイド部分に

容量の変化を生む最大の特徴は、サイドにあります。

ジッパーが隠れていて、開けるとマチ付きのポケットが出現します

こんな感じです

カリマーはヨーロッパ系のブランドなので、ザック自体は縦に長いスタイルです。

補足
アメリカ系はロングトレイル用に横に幅広のスタイルが多く、ヨーロッパ系はアルピニスト向けに細長いスタイルと言われます。

ところが、この両サイドの収納を広げることで、幅広スタイルに変身するんです。

片側に2リットルのペットボトルが入ってしまいます。

公式サイトより

上にも伸びる

また、雨蓋のベルトを伸ばすとザックが上に拡張されて、今度はもっと縦にも長く出来るのです。

しかも、ザックが長くなるとハットやヘルメットが当たって邪魔なんですが、クーガーは大丈夫。

公式サイトより

ザックが上に伸びたとき、雨蓋が後ろ側に倒れる形状になっています。

これは、75-95を使っていたときにも感じたのですが、地味ですが良い機能ですよ。

こういう拡張性は、私のように荷物の量が増えることがある人には、とても便利ですよ。

「冬用ザックみたい」フロントポケット

フロントポケット

最近のザックは、フロントポケットがほぼ付いています。

レインウェアなどの濡れたものや、一時的にしまいたいものをサッと収納できて便利です。

たいていは伸縮性のメッシュ生地で出来ていて、それはそれでいいのですが、やはりメッシュの弱点は「弱さ」です。

メッシュを使わないカリマーは?

クーガーはメッシュ生地を使っていないので、折りたたみ式のマチが付いて収納スペースを確保しています。

全部分厚いコーデュラナイロンです。

濡れたものはもちろん、スコップやアイゼンも気軽に放り込めます。

これが最高!

メッシュ生地では、アイゼン入れるとすぐに破れそうで怖いでしょ?

ちなみにオスプレーのイーサーは、メッシュとナイロンを組み合わせていますが、どうなんでしょうか。

軽アイゼン10本爪が裸で楽に入れられます。スコップも余裕。

「サコッシュいらず」ヒップベルトポケット

腰ベルトの大型ポケット

とっても便利な腰ベルトのポケットは、いまや必須と言えるでしょう。

クーガーのポケットは、かなり大きいサイズです。

デジカメやスマホなんか余裕で入ります。

ガスカートリッジ(250缶)が

入ってしまう高さと奥行き

これが両サイドに付いていますので、かなり物が入れれますね。

私はチェストバッグ愛用者ですが、

「もしかすると、いらない(もしくは小型化)んじゃないか?」

と思ってしまうほどです。

クーガーの弱点

私も「クーガー一択で即決」したわけではありません。

お店でバルトロ、イーサーも悩みました。

クーガーには弱点もあるからです。

「心配になる」クラス最大級の重さ

  1. メッシュ生地を使わず、分厚いコーデュラナイロン製
  2. 拡張性があるから、そのぶん生地が余分に使われている
  3. 分厚いパッド、頑丈なフレーム

ですから、前述の通りクラス最大級のヘビー級です。

「いくら重さを感じない背負心地といっても、重いことに変わりはない」

のも事実です。

私は結果的にバルトロとの違い200gを受け入れましたが、悩むところではあります。

「いまどき」レインカバー別売り

クーガーは、レインカバーは別売りです。

私は「レインカバー使わない人間」なので関係ないのですが、必要な人は追加で買わなければいけません。

出費がプラスされますので、そのあたりも頭においてください。

登山ザックはドライバッグで完全防水すべし【ザックカバー不要】

クーガーの背面長調整について

買ってから、背面調整を済ませました。

そうそう、カリマーは他のブランドと違って、背面長のサイズは1つしかありません。

S、M、Lとか、大体3種類あるのが一般的ですが、カリマーは1サイズ。

これは、

カリマーの背面長の調整幅が広くて、1サイズですべての人に対応できるから

なんです。

身長が低い人も高い人も買うものは一緒で、言い方を変えれば、

「誰にでもフィットさせることができる」

ということです。

公式の動画がわかりやすいので見てみてください。

これはカリマーの大きな特徴です。

実戦での使用感レビュー

使い込みましたよ!

1週間程度の縦走を中心に、使い込んでみた結果をレビューします。

ザックも含めて、やはり道具は使ってみての実際の感覚が大切ですから。

感じる重さ

背負心地

私が縦走装備を担いでいくと、水も含めて15kg~20kg前後になることが多いです。

予想通り、荷物が重くなればなるほど、クーガーは力を発揮しました。

グレゴリーのザックもそうですが、正確に言えば、

「荷物が重くなっても、感じる重さは一定のまま」

という感覚です。

ザック自体が剛性十分でヘタレないので、やっぱりいい。

軽めのザックですと、荷物がある一定の重量を超えると、形が崩れて急に肩や腰が痛くなっちゃうものなんです。

大型ザックは重いもの。ヘタな軽量化は必要なしという考え、好きです。

大型ウエストポケットが素晴らしいということ

自撮りが楽でした

私はあまり自分を写真に撮ることはないのですが、時々上のように自撮りもします。

景色の広大さを表現したいときに、人間を入れるとイイなと思っていますので。

これまではチェストバッグにカメラを入れていましたが、クーガーではウエストポケットにカメラとミニ三脚が入ってしまいます。

私は右のポケットにカメラと三脚、左に行動食と地図を入れて歩いています。

そうすると、いざ撮影したいときに、セッティングが楽ちんでした。

巨大なウエストポケット、かなり便利です。

さよなら大きな三脚!登山におすすめの軽量三脚PIXI【自撮りもOK】

収納力は想像以上

まだまだ余裕です

収納力は、長年愛用してきたグレゴリートリコニ60より、かなり余裕がありました。

「いつもと同じ」道具類を詰め込むので、実際の容量の違いはすぐにわかるんです。

上で説明した拡張機能は使わない状態で、すでにトリコニの60リットルより大きかったですよ。

他人とかぶらないのも良いです

個人的に気に入った点は、あまり他人とかぶらないことです。

大人気のグレゴリーバルトロなんて、1回の縦走で何度見ることか。

あっちもバルトロ、こっちにもバルトロ。

それだけ素晴らしいのでしょうが、性能・機能では負けていないと思うんだけどなあ。

まあ、私としては使用者が少ないほうが嬉しいのですが。

カリマークーガーまとめ

長々と説明してきましたが、

「重いけど、頑丈で背負いやすくて、使いやすく、誰にでもフィットさせられる」

カリマーのクーガーを、あなたのザック選びの候補に、加えてみてはいかがでしょう?

質実剛健なクーガーは、硬派な登山者にはとくに良さをわかってもらえるザックです。


私が実際に使っているオススメ登山道具レビューのまとめ

2018年12月18日

スポンサーリンク






一歩前へ踏み出したい登山者には『パタゴニア』がおすすめ



パタゴニア

patagoniaの通販がオススメな理由!

①製品永久修理保証

②サイズ交換・返品が親切

③絶対に使うべき定番製品が超優秀(キャプリーン、R1、ナノパフ、フーディニ)

④アウトレットで安く買える

⑤新しいアウトドアウェアはパタゴニアから生まれる

くわしくはこちらをどうぞ。