こんにちは、寝袋!です。
「あなたは、本物のシエラカップを知ってますか?」
もしこう聞かれたら、ほとんどの人がこう答えるでしょう。
「本物も偽物もないでしょ? いろんなメーカーが作ってるし」
「そもそも、『シエラ』じゃなくて『シェラ』じゃないの?」
「本物ってなに? 使いやすいってこと?」
じつは、『シェラカップ』は『シエラカップ』ですし、世の中のほとんどが模倣品で、本物というのは確かにあるのです。
まあ、私も愛用していますが、本物だから偉いというわけでもありません。
ただ、
シエラカップには「本物」があって、こういう歴史で作られた・・・
というのを知っておくと、ちょっと物知り顔出来るかも知れません。
あと、本物ならではの使いやすさ・便利さはありますので、そちらも紹介します。
現在では入手困難です。
この記事を読んで、少しでも興味があれば、見つけたら買って損はないですよ。
目次
シエラカップは「Sierra-club-cup」
シエラカップとは、正確には「sierra-club-cup」といいます。
アメリカの自然保護団体「シエラクラブ」のカップということです。
シエラクラブとは?
シエラクラブは、アメリカの伝統ある自然保護団体です。
1892年、自然保護の父と言われるジョン・ミューアによって設立されました。
世界に広がる「国立公園」という考えを作った人です。
クライマー憧れの聖地・ヨセミテ渓谷周辺にある、ジョン・ミューア・トレイルというロングトレイルで有名です。
シエラクラブの会員限定アイテム
そのシエラクラブ設立当時、クラブの会員の証として会員が持っていたのが、シエラカップというわけです。
刻印ナンバー1はジョン・ミューア
当時、シエラカップには会員ナンバーが刻印されていました。
ナンバー1は、当然ジョン・ミューアが持っていました。
本物のシエラカップ
みなさんも、きっと見たことありますよね。
「いかにもアウトドアって感じがプンプンする」
無骨で飾り気のない金属製のカップです。
底に、「Sierra club」と刻印してあるのがわかりますか?
これが、本物のシエラカップです。
といっても、シエラクラブの会員に配られるものではなくて、資金集めのために一般的に売り出されたものですが。
「シエラカップと言えばこういう形」というイメージ通りの姿をしていますね。
後で詳しく紹介しますが、実は同じようで同じではなく、本物ならでは長所があります。
見た目でわかりますか?
答えは後ほど。
シエラカップの優れたところ
シエラカップの良いところを見ていきましょう。
鍋と食器を兼ねる
シエラカップは、飲んだり食べたりする食器としても使えますが、煮たり焼いたりという鍋としても使えます。
目玉焼きを作ったり、ソーセージを焼いたり、コーヒーを飲んだり、お皿としても使えます。
安定している
底が広くて、上部がさらに広がっている形状で、置いたときに安定しています。
同じ容量でも、カップより重心が低いんですね。
重ねられる
シンプルな形なので、同じものを何枚も重ねて、コンパクトに収めることができます。
個数が増えても、ザックの中でかさばりません。
分厚くて頑丈
軽量化が進む現在には珍しく、肉厚で重いです。
といっても85gですけどね。(チタン製で50g前後)
そのぶん頑丈です。
直火にかけられる
アルミやステンレスで出来ていますので、直火にかけることが出来ます。
たとえばインスタントコーヒーを飲む場合、シエラカップでお湯を沸かし、そのまま飲むことができます。
お湯の量がピッタリで余りません。
私のシエラカップも焦げていますが、たしかスパムを焼いた時だったかな?
上手く使えば、これ一つでけっこう幅広く使えます。
持ち手が熱くならない
持ち手と本体は別部品で、持ち手は遅れて熱くなります。
肉厚なのも関係しているでしょう。
現在のシエラカップは・・・
シエラカップは本来、上記のような長所を持っています。
ところが、現在のシエラカップは違うと思いませんか?
簡単に説明すると、
- 素材が薄くて直火では使えない
- 軽量化のためにチタン製が多い(焼けません)
- 持ち手が折りたたみの物が多く、耐久性がない
- 結果、せいぜい飲み物を飲むだけ
となっていて、
「アウトドアっぽい雰囲気を味わうただのコップ」
という働きしかしません。
本物を使ってニンマリ
最初に書いたとおり、本物のシエラカップならではの長所もありますが、さほど差はありません。
私も、エバニューのチタン製シエラカップと併用しています。
ただ、飲み物を飲むとき、洗っているとき、自分の目にチラッと飛び込んでくる「Sierra club」の刻印。
これが、なんとも言えない気分なんです。
大自然の中で、ちょっとだけジョン・ミューアの気分?
時代を越えて、距離を越えて、ヨセミテ渓谷にいるような・・・。
静かなテントの夜、ウイスキーを入れてシエラカップで飲んでいると、そんな満足感を味あわせてくれます。
好きな人は、好きでしょう?
現在は、どこにも売っていません。
どうしてなんでしょうか?
気になる人は、もしどこかで見かけたら、すぐにゲットしておくのがいいでしょう。