こんにちは、寝袋!です。
ハードボイルド映画や西部劇などで、こんなシーンを見たことありませんか?
渋いオッサンが、ズボンの後ろポケットから、金属製の容器を取り出して酒を飲む・・・
デコボコな金属の表面が、月明かりにキラリと光って・・・なんてね。
「いつも酒を携帯してるなんて、ワイルドやなあ」
「こんなアル中みたいにはなりたくない」
と思いつつも、男性なら一度は憧れたことがあるのでは?
そこで使ってる酒の容器、あれがスキットルです。
私も登山で愛用しています。
常温でも美味しい強い酒を、軽く運び上げられるのでとても便利です。
さらに、
「カッコイイうえに気分も良い」という圧倒的な素敵性能
をも備えています。
スキットルの基本から材質の選び方を解説して、登山者のみなさんをスキットルの世界にご招待。
目次
そもそもスキットルってなに?
スキットルは、金属やガラスで出来た小さな蓋付きの容器で、お酒を入れて持ち運ぶものです。
お尻のポケットに突っ込みやすいような形状をしています。
使い捨ての容器とは違って、中身を入れ替えてずっと使えるものですので、意匠や装飾に凝ったものもあります。
長く使い込んだものは愛着がわき、手放せない相棒になるのは、時計や万年筆などと同じですね。
スキットルのいいところ
「そもそも、スキットルってどこがいいものなの?」
その疑問にお答えしていきましょう。
ビンより軽い
スキットルはウイスキーやブランデーなどの、アルコール度数が高めの、強い酒を運ぶことが多いです。
そういう場合、お茶やコーヒーと違って、ペットボトルや樹脂製のボトルに入れるのでは、役不足なんです。
せっかくの美味しいお酒も、風味や味が変わってしまうんですね。
かといって、ガラスビンのままで登山に持っていくには重いです。
スキットルは、強いお酒を、味を変えずに、軽く持ち運べる入れ物なんです。
オシャレ
スキットルは、ある意味工芸品としての美しさも持っています。
後で詳しく説明しますが、シンプルなものもあれば、彫刻を施したもの、革を巻いたものなど、個性があります。
ザックから酒瓶を取り出してラッパ飲みすると「大酒飲み」感が漂いますが、スキットルで飲んでいると「紳士」っぽく見えます。(私だけ?)
やってることは一緒なんですけどね。
愛着がわく
スキットルを使い込んでいくと、金属や革の表面に傷が付いて、いい「味」が出てきます。
「私は山ではいつもこれで酒を飲んでいる」
なんて、周りから見ても素敵ですし、何より自分自身が気分いいです。
愛着がわいて、お酒も美味しく感じるというものです。
使い捨ての道具じゃなく、良いものを長く大切に使うタイプの人にはおすすめですよ。
山用のスキットル選び方「材質」
スキットルをこれから使ってみようかと考えている人は、スキットルの材質の選択が一番大切です。
ここではガラス製は省いて、その他の主な材質について特徴を説明していきます。
ピューター(≒すず)製
本来、スキットルといえばピューター(≒すず)製です。
「登山以外で使うのであれば、これ一択」
と言っていいでしょう。
比較的柔らかい金属なので、厚みがあり重いのが欠点ですが、彫刻や表面処理に凝ったものが多くて、一番工芸品に近いです。
ステンレス製
ステンレスは、サビませんし長持ちする金属ですが、欠点はお酒の風味を変えてしまうところです。
安価なものを買うと、ほぼステンレス製です。
軽いので登山にはピッタリですし、とりあえず使ってみるにはいいかもしれません。
私はお酒マニアではありませんから、ステンレス製でもたいして不満はありません。
お酒に関しては、違いのわからない男です。
チタン製
ステンレス以上の軽さと、風味の変わらない性質をあわせ持った最高の材質がチタン製です。
登山に使う場合、性能面ではこれがベストです。
欠点は、高価なことと意匠がシンプルにしか作れないことです。
材質まとめ表
スキットルの材質をまとめると以下のようになります。
重さ | 味 | 意匠 | |
すず | 重い | 良好 | 彫刻できる |
ステンレス | 軽い | いまいち | シンプル |
チタン | 軽い | 良好 | シンプル |
山用のスキットル選び方「ふた」
スキットルの材質を選んだら、あとは好きなデザインのものを探すことになります。
そこで、ある意味デザインの一部にもなりますが、「ふたの形状」にも注意してください。
大きく分けて2つのタイプになります。
まずは一般的なふたです。
キュッキュッと回してふたを外して飲みますが、ふたはどこかに置いておくか手に持つことになります。
こちらは、ふたが本体と連結されているタイプです。
これのいいところは、小さなふたを失くさないことです。
どちらがいいとはいえませんが、違いがあるということは知って選んでください。
スキットルと合わせて使うもの
スキットル本体とは関係ないですが、セットであったらいいものも紹介しておきます。
コッヘルやシェラカップに入れてお酒を飲んでもいいですが、せっかくいい容器に酒を入れていくのですから、カップにもこだわってみてもいいかもしれません。
「風味の変わらないチタン製スキットル」で運んで、飲むのが「風味の変わるステンレス製カップ」では元も子もありませんからね。
私はカップは常にピューター(すず)製の物です。
意匠が気に入っていますし、どうせ小さい(親指の先くらい)ので重さも気になりません。
スキットルの口は小さいので、家でお酒を注ぐときに小さな漏斗があると便利です。
大切なお酒をこぼさないためには、あったほうが無難です。
私が登山でスキットルを愛用する理由!
さて、あらためて、私が登山にスキットルを持っていく理由をお話しましょう。
これは同時に、
「あなたにもスキットルをおすすめしたい理由」
にもなります。
強い酒を軽く持っていける
ちなみに私はお酒も詳しくありませんし、弱いほうです。
缶ビール1本で出来上がってしまう安上がりな人間です。
でも、登山には強めの酒を持っていきたいんです。
40度前後のウイスキーなどが多いかな。
お酒がなくても問題ないですが、夕焼けや星を見ながら、チビチビとやるのは好きなんです。
そして、気持ちよくなって寝袋に潜り込む・・・ああ最高。
『ちょっとの量ですぐに気分良くなる強い酒』を、軽く持っていくにはスキットルがいいんです。
常温でも美味しい酒
強い酒(私はウイスキーや花酒)は、常温でも美味しいです。
氷も水もいりません。
舌がビリビリくるようなストレートを、なめるように飲むのが好きなので、
ビールはぬるいし重いし高い
普段飲んでいるのはビールですが、長い縦走にビールなんて持っていけないわけです。
毎晩1本飲むとして、初日は何本背負っていくのさ?
しかも沢で冷やせないとぬるいですし、空き缶も最後まで背負っていかなくちゃいけないでしょう?
北アルプスなどの山小屋が整備されたところは買えばいいのですが、高いです。
といいつつ、買ってしまうのですけどもね(笑)
気分が最高なのよ
スキットルで運ぶ強めのお酒ももちろんいいのですけど、スキットル自体が気分を盛り上げてくれることも重要です。
薄暗い中で、鈍い銀色の輝きの中で揺れる琥珀の液体。
手でスキットルをなでて、手触りや意匠を見ながら飲むと、ほんと最高なんです。
ただ酒を飲んでいるんじゃない!
スキットルと酒と一緒に、山の時間を楽しんでいるんだ!
登山用スキットルと酒のおすすめ
私は、
「山では酒だろ! 酒飲むために山登ってるのが山男ってやつよ!」
という漢ではありません。
むしろ、
「お酒なくても無問題、ちょっと飲んだらすぐ昇天」
という乙女のようなヤサオトコです。
それでもなぜか、山では40度から60度のキッツイ酒を持って登り、気分良くなるのは好きなんです。
そこに間違いなくあるのが、スキットルという道具の存在です。
まさにスキットルの魔力。
良いものを買って長く使ってください。
どんどん、山でのお酒の時間が素敵になっていくでしょう。
多少重いけど、アウトドアブランドの物よりピューター製をオススメしたい。気分的にはダントツ。
機能面で選ぶならチタン製。でも、高いです。
ステンレス製は安いのでお手軽です。
私はウイスキーか、この花織酒(はなういしゅ)です。なんと60度です。
私は弱いので、いいウイスキーじゃないと頭が痛くなります。