こんにちは、寝袋!です。
「モンベルのベースレイヤーって、どうなの?」
「他のブランドより安いけど?」
「とりあえずはモンベルでいいよね?」
と考えている人に、ひとつだけアドバイスをしたいことがあります。
モンベルのベースレイヤーというと『ジオライン』シリーズです。
モンベルだって、ちゃんとした登山ブランドですし、
比較的安価で性能もいい
ものを作っています。
ジオラインだって、通常の登山で問題になるとは思えません。
しかし、残念ですが、大きな弱点があるのです。
買った時にはわからない、使った人だけがわかる、最大の欠点です。
目次
モンベルのベースレイヤー展開
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/03/20190328-OVRD1255.jpg)
まずは、モンベルのベースレイヤーの製品展開をみてみましょう。
ジオラインとスーパーメリノウール
モンベルは、他のブランドでもよくあるパターンで、
化繊系&ウール系
の2シリーズを展開しています。
化繊=ジオライン
ウール系=スーパーメリノウール
です。
ジオラインのモデル展開
ジオラインシリーズは、以下のように展開されています。
季節や運動量に応じて、選ぶことができます。
クールメッシュ | COOL MESH | 夏用薄手 |
ジオライン | L.W. | 薄手 |
M.W. | 中厚手 | |
EXP. | 厚手 |
私は、近年追加で展開されている「クールメッシュ」以外を、全部使ったことがあります。
それまで使っていた、運動用のシャツと違って、
登山用に作られたベースレイヤーというものの優秀さ
に気付かされました。
違うブランドのものを使って初めて気づく
それから数年、
「ベースレイヤーとはこういうものだ」
と思って、特に不満もなくジオラインを使っていました。
ただ、ちょっとボロになってきたのもあって、評判の良い他のブランドのものを、使ってみることにしたのです。
すると、当たり前だと思っていたものが、
じつはジオラインの弱点・欠点だった
ということが、はじめてわかったのです。
「比較して・長い間使ってみて」初めてわかってきた違いです。
ジオラインの弱点
ジオラインの弱点は、ずばり、
耐久性の低さ
です。
例えば、パタゴニアのキャプリーンと比較すると、天と地です。
正直言うと、吸湿速乾性能も、パタゴニアのキャプリーンに比べると、低いと感じています。
ただ、これは私の体感的なものですし、まったく同じ状況で、2つの比較をすることは難しいです。
例えば、洗濯した後の乾くスピードで、比較してもいいでしょう。
でも、ベースレイヤーの機能は、それだけではありません。
そもそも水分をどれだけ吸い上げているか、そこに違いがあるかもしれません。
肌さわりの違いも、数字では表せません。
ここでは、そういう意味での性能は、あえて語らないことにしましょう。
まずは伸びてくる
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2018/11/OVRD0504.jpg)
ビヨーン&ヨレヨレ
使っていて、まず、
「あれ、伸びてきてブカブカになってきた!」
と感じます。
モンベルの普通のTシャツなどは、とても長持ちしますし、全然伸びません。
ですが、ジオラインは・・・どんどん伸びてくるのです。
ベースレイヤーでこれは問題です。
ベースレイヤーは、肌に密着して、どんどん汗を吸い上げるべきなのに、
ブカブカで肌から離れてしまう
のですから。
次に穴が開く
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2018/11/OVRD0505.jpg)
右脇にデカイ穴
安いモンベルとはいえ、普通の衣類に比べると、そこそこのお金を出して買ったものです。
とくに、ベースレイヤーは見えないところなので、ついつい我慢して使って、もとを取りたくなります。
でも、長く使っていると、今度は穴が開いてしまいます。
繊維が弱いんですね。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2018/11/OVRD0507.jpg)
裾にこすれて薄くなった箇所
ベースレイヤーなので、直接、岩などに擦れる使い方はしていないのに、こうなってしまいました。
購入後1年でブカブカになって、他ブランドに変えてから、山では使っていません。
もったいないので、それからはずっと、室内での下着として使っています。
ベースレイヤーとして、新品時の性能で使えるのは、1年ほどでしょう。
ちなみに、モンベルの製品は嫌いではないので、あまりイチャモンを付けたくないのです。
しかし、これは正直に書かせてもらいました。
カタログにもHPにも、「耐久性」に関しては一切触れていないので、問題ないでしょう。
モンベルさん、ウソつかない。
パタゴニアのキャプリーンとの比較
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/03/20190328-OVRD1254.jpg)
青がキャプリーン2、ストライプがキャプリーン3です
さて、私がモンベルのジオラインの欠点に気づいたのは、パタゴニアのキャプリーンを使ってからでした。
当時、登山者の間では、
「パタゴニアのキャプリーン2が最高」
という評価がありました。
当時のキャプリーンのモデル展開は、薄いものから順番に、1~4で数字で表されていました。
「これは一度使ってみたいな」
と誘惑に負けて、試しに買ってみたのです。
今から思えば、登山人生の大きな転機でした。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/03/20190328-OVRD1257.jpg)
脇
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/03/20190328-OVRD1258.jpg)
そで口。やや、糸がほつれた
先程も書きましたが、ここでは、性能はあえて目をつぶり、耐久性だけ語ることにします。
初めて買ったキャプリーン2、じつはこの青いものです。
もう、何年経ったか、わからなくなってしまいました。
現在はラインナップが違うので、かなり昔と思ってください。
他にも何枚か併用していますが、それでも、いまだにこの見た目です。
伸びた感じはなく、フィット感は、まったく変わっていません。
キャプリーンは、かなりピッタリフィットで着るサイズ感で、
「いつ破れるか?」
と、脱ぎ着のたびに不安でしたが、破れる気配がありません。
価格の違い
モンベルのジオラインは、L.W.(薄手)のTシャツで、2,880円(税込み)です。
パタゴニアのキャプリーンは、キャプリーンライトウェイトのTシャツで、5,184円(税込み)です。
2倍まではいきませんが、かなり価格が違います。
私も最初は尻込みしました。
しかし、2倍以上は、絶対に長持ちします。
今では、まったく後悔などありません。
むしろ、早く買い換えればよかったと、残念にすら思っています。
ちなみに、もう喉から手が出るほど言いたいのですが、
性能が同じと仮定して
の話ですからね。
キャプリーンのモデル展開
2019(2020年5月修正)年現在のキャプリーンは、次のようなシリーズ展開となっています。
キャプリーン・クール |
薄手 | もっとも速乾性に優れる |
キャプリーン・ミッドウエイト |
中厚手 | 幅広い季節に対応 |
キャプリーン・サーマルウェイト |
厚手 | R1のようなブロックパターン |
キャプリーン・エア |
特殊 | 3Dニット構造 |
キャプリーン・エアは、今までのベースレイヤーの概念とは多少違います。
冬のクライミングなど、フィールドを選ぶアイテムだと思います。
サーマルウェイトは、ポーラテックパワーグリッドを使用していて、薄手のR1フリースといったイメージです。
※2019年夏以降、キャプリーンの最薄のシリーズは、さらにシリーズが分かれて展開されました。
詳細は下記の記事で詳しく書いています。
キャプリーン・サーマルウエイト | |
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![]() |
クルー | ジップネック |
キャプリーン・ミッドウェイト | |
![]() |
![]() |
クルー | ジップネック |
(写真をクリックすると、公式サイトで詳細が見れます)
最後に
モンベルのベースレイヤー『ジオライン』シリーズ。
比較的安価で、登山用のベースレイヤーとして、充分な基本性能を持っています。
山登りを始めるのに「安くて手に入りやすい」というのは、助かりますよね。
しかし、
「それじゃあ他のブランドのものは、価格が高いだけ?」
かというと、そうではないのです。
モンベルのジオラインには、耐久性が低いという致命的な弱点があるのです。
そして、それをきっかけに、他のブランド(今回はパタゴニアを例にしました)の製品を使ってみると、
優れたベースレイヤーって、こういうものなんだ!
と感じるでしょう。
一度使うと、きっともう、ジオラインには戻れないと思います。
登山ウェアは、過酷な環境で使うものです。
数回の登山でダメになるようでは、お金を捨てるようなものです。
高いものには、高いだけの価値がある。
ベースレイヤーは、見た目が関係ないので、とくにそれが現れるアイテムだと思います。