こんにちは、寝袋!です。
前回、愛用している1人用テント「ソウロ」について、登山者目線でのレビューを書きました。
長所も短所もたくさんあるので、
「誰にでもオススメできるものではない」
「でも、理解した上で使うなら最強テント」
という、少々尖った性能のテントです。
今回は、そちらでは十分に紹介できなかった設営方法を、解説していきたいと思います。
写真が多めですので、テントの細部を知りたい方にも参考になるのではと思います。
目次
ヒルバーグ「ソウロ」の設営方法
ヒルバーグを代表する最強ソロテント「ソウロ」について、こちらで説明しています。
まずはこの記事を読んで、長所と短所を知った上で、設営方法を読まれることをオススメします。
雪融けが進む無人のキャンプ場で、こっそりと設営してきました。
砂地のテントサイトで、トレッキングコースもあり、冬場は誰も来ません。
登山道具の撮影によく使っている、私のホームグラウンドです。
「ソウロ」設営スタートです
それでは、ソウロを実際に設営していきます。
ポールを本体に差し込みます
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2721.jpg)
ポールはすべてカーブがついています
まず3本のポールを伸ばしてみましょう。
ソウロのポールは「長いの2本、短いの1本」です。
右端の短いポールには赤い目印(手前のほう)が付いているのがわかりますか?
すべてのポールが微妙にカーブしていて、設営しやすくなっています。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2722.jpg)
テント本体をサイトに置きます
それでは、テント本体をサイトに広げましょう。
ソウロは、フライシートもガイライン(張り綱)もすべて一体化しています。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2723.jpg)
スリーブの色を確認します
ポールを差し込むスリーブには、「青、白、赤」の3色が縫い付けてあります。
ポールの両端を、同じ色のスリーブに差し込むのですが、まずは青と白に長いポールを差し込みましょう。
ポールは長いものならどちらでも一緒です。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2724.jpg)
青いスリーブ
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2725.jpg)
スリーブの末端は頑丈に補強してあります
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2727.jpg)
長いポールを2本差し込んだところ
同じ色のスリーブに差し込むと、ポールは交差することになります。
この時点では、
「うわっ、なんだか細いテントだな? 大丈夫かな?」
と感じるかもしれません。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2729.jpg)
次に短いポールを赤いスリーブに
ここで最後のポール(短くて赤い目印付き)を、赤いスリーブに差し込みます。
ここでぐっと、テントに幅が出ます。
交差する3本のポール、いかにも強そうです。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2730.jpg)
フライシートに付いているフック
ポールにフックを掛けていく
次に、フライシートに付いている黒いフックの部品を、ポールにはめていきます。
下部から順番にやっていきます。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2732.jpg)
パチン、パチン、と。
フックはたくさんありますが、どこに掛けるか迷うことはありません。
「何も考えず、適当にはめていく」
と、そこが正解で、間違ったところには付かないようになっています。
簡単なのです。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2733-1.jpg)
フライシートが張られました
フックをすべて掛け終わると、これでだいたいテントとして自立しています。
フライシートはピンと張られています。
ちなみにフックは、女性の力でも簡単に掛けられますし、外すときも力は必要ありません。
小さな屋根の取り付け
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2734.jpg)
ソウロ独自の小さな屋根
次に、ソウロ独自の小さな屋根を取り付けます。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2738.jpg)
2つはこんな感じ
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2739.jpg)
残り2つはフック
フライシートに黒いリングが4つ付いていますので、そのうち2つには棒のような部品(上写真)を差し込み、残り2つにはフック(下写真)を掛けます。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2742.jpg)
屋根を取り付け終わりました
上の写真を見ていただきたいのですが、小さな屋根についているヒルバーグのワッペンが、出入り口の方向と同じになります。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2759.jpg)
屋根の下には通風孔
この屋根が付いているのは、格好いいから・・・ではありません。
この下には、雨のときでも開けられる通風孔があって、それを守っているのです。
ただ、私も含めて、ソウロに惚れている人は、
「この屋根があるから格好いい! 唯一無二のチャームポイント!」
と、思っているんじゃないかな? うっとり(笑)
あとは、ペグを打ってテント本体を固定して、ガイライン(張り綱)を張るだけです。
ダブルウォールのテントなのに、簡単ですよね?
これが、一体式の設営なんです。
ペグは12本、張り綱も6セット12本!
ソウロは、ペグを12本使います。
本体を固定するのに6本、12本のガイラインを固定するのに6本です。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2744.jpg)
ガイラインは上下2本で1セット
ソウロのガイラインは、1方向につき上下2本で1セットです。
2本のガイラインを、1本のペグに掛けられます。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2743.jpg)
上のガイラインは、ポールに一巻きしてから
ここで唯一の注意点なのですが、上のガイラインは、張る前にポールを一周させて巻きます。
これによって、屈強なポールとテント本体との連結を、確実なものにするのです。
ソウロのガイラインの張り方のコツ
ガイラインを張る時、1本のペグに2本のガイラインを掛ける方法は、あまり一般的ではありません。
ほとんどのテントでは、同じ方向に1本しかガイラインがありませんから。
ガイラインの本数が2倍なのも、軽量化よりも耐風性を重視した、ヒルバーグならではの特徴と言えます。
コツというかアドバイスなのですが、
「ペグの場所を決める時は、下側のガイラインで場所を決めましょう」
上のガイラインは長さに余裕があるので、それからペグに掛けても対応できますから。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2745.jpg)
下のガイラインに合わせてペグの場所を決めて・・・
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2746.jpg)
それに上のガイラインを掛ける
これは、ヒルバーグを初めて使う人がちょっと戸惑うところかもしれません。
難しいことではないんですけれど。
完成!
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2747-1.jpg)
完成!(ペグの打ち方が不十分なのは見逃してください)
完成した姿は、とても美しいと思います。
愛用者だからこその贔屓目があるかもしれませんが、少なくとも、
他のテントにはない独特のシルエット
をしていることは間違いないでしょう?
公式youtubeの設営方法もあります
ヒルバーグ公式サイトには、設営の様子の動画もありますので、そちらもどうぞ。
撤収方法はこちら
撤収の方法はくわしく説明しませんが、設営の手順を逆にやっていくだけです。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2764.jpg)
小さい屋根を外し
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2765.jpg)
フックをポールから外し
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2766.jpg)
ガイラインを外し
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2767.jpg)
ポールを引き抜くだけです
設営以上に、撤収はあっという間ですよ。
そして、丁寧にたたまなくても、適当に数回折りたたんで、余裕でスタッフバッグに入るので、さらにスピーディーです。
風が強い時のテントの設営と撤収は大変です。
しかしソウロは、ポールを先に立てて、あとでテント本体が立ち上がるので、吹き飛ぶ心配が少ないのです。
ペグを先に打つと、さらに安心ですよ。
ソウロの細部写真
それでは、あらためてソウロの設営時の細部を写真で紹介していきます。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2748.jpg)
持ちやすい大きめのファスナー
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2749.jpg)
広い前室
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2752.jpg)
フライシートと地面に隙間がないので雨風が入りにくい
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2750.jpg)
中にはメッシュポケットが2つ
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2751.jpg)
天井に紐などを掛けられるループが付いています
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2753.jpg)
天井についているこれは、三角形の通風孔です
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2755.jpg)
けっこう大きな通風孔です
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2758.jpg)
小さな屋根で覆われて、雨の日の換気に活躍します
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2754.jpg)
出切り口はメッシュにも出来ます
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2760.jpg)
フライシートとインナーテントの連結部
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2762.jpg)
インナーとフライシートの間、けっこう余裕があります
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2774.jpg)
長めのマットを入れても頭の上がこんなに余ります
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2773.jpg)
横もこんな感じで広々としたスペースです(長方形ではないので2人はキツイ)
全体的な印象として、部品を小さくとか、薄くとか、そういうことには気を使っていないのが伝わるでしょうか。
大きく、使いやすく、壊れにくく。
徹底したコンセプトです。(そのため重い・・・)
グラウンドシートは必要なのか?
私はグラウンドシートは使っていません。
なぜなら、もともと十分にフロアが厚いからです。
ちなみに、ソウロのフロアは厚さ70デニールですが、これはモンベルステラリッジの場合、フロア(30)とグラウンドシート(40)を合わせた厚さと同じです。
参考までにモンベルのグラウンドシートの重さは、200gほどです。
重量差ってこんなトリックがあることも知っておきましょう。
テントのフロアに穴が開かないように守るもので、とくに最近の軽量テントはフロアも薄く、すぐに穴が開く恐れがあるんです。
そこでテントの下に、さらにもう一枚シートを足すのですが、それがグラウンドシートです。
ヒルバーグ「ソウロ」設営まとめ
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2020/03/OVRD2763.jpg)
THE TENTMAKERの名に恥じない
ヒルバーグ・ソウロの設営方法、写真を使って説明してきましたが、どのように感じられたでしょうか?
一体型のテントならではの、簡単さ・速さが伝わればいいのですけれど。
使えば使うほど、慣れれば慣れるほど、
「ああ、よく考えられてる。こういう時に助かるんだよ!」
と感心させてくれます。
参考になれば幸いです。