こんにちは、寝袋!です。
山登りを愛する人間として、信じられない事件が起こったのが2019年です。
なんと、山の中でテントごと装備が盗難されたのです。
場所は、北アルプスの雷鳥沢キャンプ場と、剱沢テント指定地です。
どちらもテントを設営したまま出かけ、帰ってきたらテントごとなくなっていたということです。
今までは、登山者どうしの信頼関係で成り立っていて、正直盗難に関しては無防備でした。
これからは、どうなってしまうのでしょう?
事件の被害者さんたちは、情報の拡散を求めていらっしゃいます。
事件の詳細をこちらでも書くと同時に、
山での盗難はどうやったら防げるのか?
を、私なりに考えてみます。
目次
盗難事件のあらまし
2019年9月、2つのテント場で、2日連続でテントが盗難されました。
両方とも「ニーモ」というブランドのテントで、テントを張ったまま山頂を往復している間に盗まれたようです。
2日連続で、場所も近いことから、同一犯の可能性が高そうです。
雷鳥沢キャンプ場の事件
雷鳥沢にテントを張ったまま、立山(雄山から別山など)を縦走するのはメジャーなコースです。
被害者が縦走から帰ってくると、テントと中の装備がまるごと消失していました。
前日から、なにやら怪しい人物が周囲を歩いていた気配があったそうです。
出発直後にすぐに犯行が行われたようで、計画的です。
剱沢テント指定地の事件
雷鳥沢の事件と連続して、剱沢でも同じ手口の事件がありました。
剱沢にテントを張ったまま、剱岳を往復するのは一般的な登山計画です。
剱岳登頂へは、アタックザックに必要最低限の装備しか持っていかないので、ほとんどの装備がテントに残っていたと思われます。
これまでは信頼関係で成立
街なかでは荷物を放置することはありませんが、山の中では「デポ」といって、平気で荷物を放置します。
これは、
「登山者が盗難なんてしない」
という、お互いの信頼関係で成り立っていることです。
正直心配もしませんし、他人を疑ったことすらありません。
現金や貴重品だけは、さすがに肌身から離しませんが。
過去、私も登山者同士の信頼関係を信じて、荷物を放置したことがあります。
これからはこういうことが出来なくなるの?
犯人の行動予測
最初からその目的で?
テント内の装備がそっくり無くなるということは、犯人はかなりの量の荷物を運ぶことになります。
自分もそのテント場に宿泊している必要がありますから、自分のテント泊装備もあるはずです。
とすると、単独犯というより、グループでの犯行と考えたほうが自然かと思います。
例えば1人がテント泊装備を担いできて、もう1人がカラの大型ザックを背負ってくると行った感じでしょうか。
かなり計画的と思います。
出来心?
出来心での犯行も考えられますが、可能性は低いでしょう。
簡単に運べる高価なもの(例えばカメラ、GPS、スマホなど)なら話は別ですが、テント泊装備を運ぶとなるとおおごとですからね。
盗んだものはどうするのか?
犯人は盗んだものをどうするのでしょうか?
- 自分で使う
- 売りさばく
のどちらかでしょう。
山での盗難を予防するために
それでは、私たち登山者が盗難被害に合わず、山に向き合って楽しんでいくためには、どうすればよいのでしょう?
テント以外の例もあります
ネットで「山の盗難」について調べてみると、意外なことも出てきました。
- 新しめの登山靴
- 新しめのザック
なども盗まれることがあるようです。
登山靴は、どれだけ新しくても、
「他人が1回でも履いたものを使いたくない」
と思いますが、犯人にとってはそうでもないのですね。
売りさばくのでしょうか?
アクセスの良い場所ではとくに注意する
犯行のある場所についてですが、今回の事件の2箇所は、どちらも比較的アクセスが簡単です。
とくに雷鳥沢は、立山黒部アルペンルートで労せず室堂まで来れます。
歩くのは室堂駅から雷鳥沢まで、観光客でも歩ける距離です。
こういう場所には、登山者以外の輩でも侵入できそうで、気をつけるべきかもしれません。
ロックを付ける
テントのファスナーをロックするのもいいかもしれません。
ファスナーをロックしておけば、テント内の物を出すには、ロック自体を壊すかテントを破るかしかありません。
テントを壊せばテントは売り物(使い物)になりにくいでしょう。
盗みの対象から外される可能性が高まるかもしれません。
犯行時間も、多少とはいえ長くなるかもしれませんし。
雷鳥沢の被害者さんは、テントのファスナーにロックを付けていたそうです。
しかし、ファスナー同士ではなく、ファスナーに付いた引手のヒモ同士をロックしていたといいます。
申し訳ないですが、これではあまり意味がないかもしれません。
ヒモなんてすぐに切れますから。
ファスナー同士ですと、テント生地を切る必要が出てくるので、もしかすると防げたかもしれません。
名前などを書く
一番効果がありそうなのは、名前などを目立つように書くことです。
これは、テント以外でも登山靴やザックなど、いろいろなものに使えそうです。
目立つところにマジックで書き込みがあれば、
- 売りさばくときに価値が下がる
- 使うときに目撃される可能性がある
- 盗んだものを特定される可能性がある
ので、犯行を逃れることが出来るかもしれません。
書くならば、できるだけ目立つように書くべきでしょう。
「犯人が盗む気にならない」
ことが大切です。
私ならば、名前は恥ずかしいので、ヘタな絵でも描くかもしれません。
犬でも鳥でもドラえもんでも。
その代わり、(盗まれず)自分で使っている間は
「◯◯◯テントの人だ!」
と特定される可能性が面倒ですが。
高価なものを避ける
これはちょっと難しいですが、高価なものや新しいものを避けるというのも手です。
しかし、盗難のことばかり気にして、使いたい道具を使えないというのは本末転倒です。
ですからせめて、新品や高級品は、山深いところで使い込むまで、人の多い場所には持ち込まないくらいでしょうか。
予防策を打ちつつ、信頼関係を失わないこと
今回の事件は、近くに山小屋や下山口があって、撤退することが簡単な場所でした。
もしこれが、奥深いテント指定地だったらと思うと、ゾッとします。
まさに、命に関わる問題です。
私は今のところ、何も予防策をとっていません。
しかし、もし北アルプスなどへ次に遠征するときは、対策をとるつもりです。
ただ、1つ言いたいのは、
登山者どうしが疑心暗鬼にとらわれるのは一番の損害
ということです。
被害者にとっては金銭的損失も痛いですが、直接被害に合っていない私たち登山者全体にとっても、これは大損害です。
「この人、大丈夫かな?」
といつも思いながら、山を登りたくありません。
テントやザックのデポの心配をしながら、山を歩きたくありません。
『予防策を練りつつ、信頼関係を失わない』
山をいつまでも素敵なフィールドとして保っていきましょう。