【日本百名山in北海道】トムラウシ山の登り方ガイド【全ルート解説】




こんにちは、寝袋!です。

今回は、北海道にある日本百名山の一つ、トムラウシ山の登り方について解説していきます。

私が登山客に、

「北海道の百名山のなかで、一番好きなのはどこ?」

と聞くと、1番人気なのがこの山トムラウシです。

そういう私も、トムラウシは大好きで、いったい何回登ったことやら。

縦走も含めて、このあたりの山はほんとうにオススメです。

まずは一度、登ってみてください。

きっとまた行きたくなる、そんな山です。

トムラウシ山とは

wikiより
トムラウシ山(トムラウシやま)は、北海道中央部、上川管内美瑛町と十勝管内新得町の境にそびえる大雪山系南部の標高2,141 mの山。「大雪の奥座敷」と称される。地元では昔から「カムイミンタラ」(神々の遊ぶ庭)として崇められてきた。日本百名山に選定されている。

旭岳がピストンするだけでは大雪の雄大さが味わえないのに対し、トムラウシは最短距離をピストンするだけでも、満喫できます。

前トム平からトムラウシ公園、山頂からどこを観ても延々と続く山々。

そういう意味で、トムラウシこそが、カムイミンタラを味わえる、唯一の百名山と言えるかもしれません。

トムラウシ山の登山コース

トムラウシ温泉短縮コース

もっとも一般的なコースです。

トムラウシ温泉(国民宿舎東大雪荘)から林道を進んだ突き当りが、登山口となります。

本来の「トムラウシ温泉コース」よりは短縮されるので「短縮コース」と呼ばれます。

しかし、それでも長いです。

トムラウシ温泉コース

トムラウシ温泉(国民宿舎東大雪荘)から直接歩き始めるコースです。

車のない人か、縦走で下山してきた人以外は、あまり使われなくなりました。

天人峡温泉から化雲岳を経由してトムラウシに至るコースなど、一応他にもコースはあります。

しかし、かなりの健脚者以外は、ヒサゴ沼などでの泊登山になるので、ここでは省きます。

素晴らしいコースばかりですので、ぜひ歩いて頂きたいところなのですが。

コース比較

初めてトムラウシに登る人、百名山をめざしている人にとっては、ほぼ短縮コース一択となります。

トムラウシ温泉短縮コースの登り方

標準的登山日程

ガイド本でのコースタイムは、短いものだと次のようになります。

登り 5時間
下り 3時間30分
標高差 1,176m

そして、長いものだと次のようになります。

登り 6時間30分
下り 5時間
標高差 1,176m

驚くことに、往復で3時間もの差があるのです。

こういう山は、なかなか珍しいのではないでしょうか。

ただ、そうなる理由も十分わかります。

  • アップダウンが多く、登り返しが負担になる
  • 距離が長い
  • 岩場あり、泥濘あり

で、「体力と技術の差で、所要時間が大きく変わりやすいコース」なのです。

私が知るかぎりでさえ、13時間以上かかってしまった、高齢の登山者もいます。

自信のある人も、ない人も、いつもより余裕を持って計画し、登山を始める時間を調整するといいでしょう。

登山口情報

東大雪荘に売店はありますが、コンビニのような品揃えはありません。

50kmほど手前の、屈足(くったり)のセイコーマートが最寄りのコンビニです。

買い出しは、早め早めに、慎重に準備しておく必要があります。

短縮登山口
標高:957m

位置:トムラウシ温泉から砂利の林道を7km、20分。

駐車場:多数

トイレ:あり

携帯電話:全社不可

トムラウシ温泉
標高:646m

駐車場:多数

トイレ:あり

携帯電話:全社OK

自動販売機:あり

登山情報

短縮登山口からは、しばらく傾斜のない、穏やかな登山道を歩いていきます。

「お、案外、トムラウシ楽勝かな?」

と感じるかもしれません。

しかし、いつまで経っても上がらない高度に、あとで気づくのです。

「どれだけ歩いても上がらない! 帰りはいつまでも標高が下がらない!」

カムイ天上

緩やかな尾根の上を行きますが、けっこうドロドロになっていることが多いです。

単調な登りに飽きてきた頃、カムイサンケナイ川に向かって、ジグを切って急下降します。

そこからは、次はコマドリ沢を登っていきます。

コマドリ沢入り口

コマドリ沢は、遅くまで雪渓が残っています。

雪渓歩きが苦手な人は、帰り道(下り)で軽アイゼンが欲しくなるかもしれません。

長いコマドリ沢を詰めていくと、前トム平という開けた場所に出ます。

前トム平

それまで展望のきかなかったぶん、思わず声が出るほど嬉しい場所です。

ロックガーデン

しばらく進むと、お次は大きな岩がゴロゴロしている斜面です。

ストックを使用してる人は、危ないので一度ザックに収納しましょう。

ナキウサギが生息している場所で、よく目撃されます。

トムラウシ公園

トムラウシ公園(残雪期はルートファインディングを慎重に)

美しいでしょう?

トムラウシ公園という、景観の良い場所を通過します。

「トムラウシ、来てよかった!」

と思うと同時に、まだまだ遠い山頂に、ため息が出るところでもあります。

山頂

南沼テント場につくと、見上げるように岩山がそびえていて、それがトムラウシの頂上です。

バランスを崩さないように、疲れた体を慎重に動かしましょう。

オプタテシケ山方面

旭岳のほうへ続く大雪山系、十勝岳の方へ続く縦走路、

「すごいところへ来たものだ」

と感じる、山頂の景色です。

エスケープ出来ない
以前起きた、トムラウシ大量遭難事故を覚えている人も多いでしょう。

あの事故は、大雪山方面から縦走してきて、トムラウシ温泉へ降りる途中でした。

じつは、このトムラウシ山付近は、どこへ降りるにも4時間はかかるという地域なのです。

もしここで何かあっても、エスケープするには、今来たコースを引き返すしか無いのです。

リスクを背負って歩いているコースだと意識して、安全登山に努めましょう。

帰り道のポイント

  • 岩場の下り。疲れていますので慎重に。
  • カムイサンケナイ川からの急登
  • いつまでも下がらないカムイ天上の尾根

たいへんだと思いますが、どうぞ気をつけて帰ってください。

付近の宿泊施設

車中泊、野営場以外では、ほぼこの旅館一択です。

時間のかかる山ということを考えると、慣れない道外の人であれば、前泊後泊で2泊したほうが良いかと思います。

旅館内には、登山者同士が情報交換できるように、ホワイトボードが設置してあります。

鵜呑みにはできませんが、参考になるかもしれません。

日帰り入浴もできます。

登山のために北海道へ飛行機で来る注意点

飛行機を使って登山する場合、いくつか注意点があります。

登山道具の機内持ち込みや、よくある忘れ物などです。

トラブルを避けるためにも、一度読んでいただけると参考になるかと思います。

【北海道登山】飛行機に乗せられない登山道具・注意点・ノウハウ

2019年3月1日

北海道登山での格安レンタカーの探し方

北海道は、レンタカーの激戦区です。

たくさんのレンタカー会社がひしめきあい、季節によって価格の変動も大きいのです。

大手レンタカー会社から、小規模格安レンタカー会社まで、比較して選べばいいのですが、それはなかなか面倒です。

そういうとき、スカイチケットレンタカーなどの、レンタカー比較サイトなどが便利です。

借りる期間と場所を選んで、一気に比較検討できますよ。

レンタカーについて詳しく書いてます
あわせて読んでください。

北海道登山は車が便利「安くレンタカーを借りる方法と注意点」

2019年3月1日

【日本百名山in北海道】全9座登山コース解説&登り方まとめ

2019年1月16日

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