こんにちは、寝袋!です。
日本には2種類のクマがいます。
- 北海道に居生息している大型のヒグマ
- 本州と四国に生息しているツキノワグマ
です。
どちらも、決して凶暴な動物ではないのですが、大きくて力があり、場合によっては命を脅かす存在ですから、山に入るときは対策が必要な畏怖するべき対象です。
今回は、
「ヒグマとツキノワグマ、どっちが怖いのか?」
ということについて、北海道の登山者目線で書かせてもらいます。
ツキノワグマ
ツキノワグマはアジアに広く住んでいる種類で、アジアクロクマという本来の名前があります。
ツキノワグマは和名で、胸に白い三日月型の模様があるので、日本ではそう呼ばれています。
体長は180cmに満たないので、一般的には、
「ツキノワグマは小さい」
と言われていますし、みなさんもそういう認識だと思います。
ヒグマ
ヒグマはヨーロッパ、アジア、アメリカ大陸に広く分布して生息しています。
日本では北海道だけに生息していますが、正確にはエゾヒグマといいますが、一般的に単にヒグマと呼ばれています。
体長は3m近くなりますので、ツキノワグマと比較して、
「ヒグマは大きい」
と言われています。
北海道の山とヒグマ
北海道の山を登りに来られる人は、本当にヒグマを怖がっている人が多いです。
また最近では下界にも出没が増えていてニュースにもなっていますから、キャンプやアウトドアで楽しむ一般の旅行者の間でも、警戒心が高まっていると感じます。
私の住む田舎では、ヒグマは日常茶飯事のように出没します。
夜の間に畑に入ってトウモロコシを食べていったり、道を歩く姿が目撃されたりします。
正直ヒグマが出没しても通報することもなくて、
「あそこにクマ出たらしい」
というニュースが日常会話で交わされる程度です。
「ヒグマはいて当たり前」というのが田舎の感覚です。
ただし、市街地や学校の近くに出没した場合は別で、その場合はちゃんと役場等に通報され、警戒することになります。
北海道の登山者はどうしてる?
それでは、北海道の山に一番入っているであろう、北海道の地元登山者はどうしているのでしょうか?
他人の命を預かる登山ガイドは別ですが、一般の登山者で熊スプレーを携帯している割合は、じつはとても低いのです。
熊鈴を付ける程度で、知床だろうが日高だろうが大雪だろうが、平気で歩いて楽しんでいるんですよ。
もちろん、ヒグマのことは怖いですし、警戒もしていますが、
「めったに遭うものではない」
「遭ったとしてもヒグマは逃げていく」
ということを知っているからなんです。
ところが、北海道の山を登りに来られる、本州の登山者は熊スプレーを携行される方がとても多いです。
「熊スプレーを持っている登山者は本州の人」
と言っても大げさではないと思います。
高価なものですから、個人的には、
「うわーもったいない」
と思ったりもしますが、
「ツキノワグマより大きくて怖い」
と感じていらっしゃるので、それは否定するべきところではありません。
より安全に、より慎重に、準備されることはいいことだと思います。
北海道の登山者はツキノワグマを恐れているという事実
目線を変えてみます。
私達北海道の登山者は、
「ヒグマは大きいけど、大人しくて山で人を襲うことはない」
「だから必要以上に怖がらず、熊鈴だけ付けてれば大丈夫」
と思っています。(大半は)
ですが、ヒグマは怖くなくても、ツキノワグマは怖いなあと感じている人は多いです。
私もヒグマよりツキノワグマのほうが怖い印象です。
「ツキノワグマって小さいけど凶暴らしいよ」
と思ってるんです。
きっと、本州の人に言わせると、
「ツキノワグマなんて小さいから大丈夫。ヒグマのほうが怖いに決まってるでしょ」
ということになるのでしょう。
面白いですね。
ヒグマとツキノワグマ、どっちが怖い?
結局、ヒグマにしろツキノワグマにしろ、生態をよく知らない、身近ではないほうを、私達は恐れているのではないでしょうか?
北海道の人はツキノワグマを恐れ、本州の人はヒグマを恐れる。
テレビのニュースで聞くのは、市街地に降りてきたものとか、突発的に起きた印象的な事例です。
それらを遠くの地で見聞きしていると、
「うわー、ヒグマって(ツキノワグマって)怖いんだな~」
と思い込んでしまいますよね。
ヒグマが巨大だから怖いというのは、
「50mの崖は怖くないけど、100mの崖は怖い」
というようなものだと思います。
どっちも落ちれば死にます。
きっとツキノワグマもヒグマも、殴られればどっちでも死ぬわけで、怖さに差はないのでは?
そのうえで、ヒグマもツキノワグマも、基本的に人を恐れていて、積極的に襲ってくるものではないと「お互いの地域のクマについては」知っていますよね。
両方の知識を合わせると、真実に近づくのかも。
ヒグマもツキノワグマも、畏れを抱きつつも、必要以上に恐れる必要はない。
そんなものだと思います。