こんにちは、寝袋!です。
私が移住して、無事にペンションを開業してから、移住希望者と知り合う機会が増えました。
私の住んでいるような小さな自治体では、人口は減少していく一方です。
そこで、
「実際にこの町に移住して生活している人間の体験談」
として、町が私を前面に押し出し始めたのです。
私が移住した際には、あれだけ非協力的だったのに、時間が過ぎてから、今度は私を利用しようというのには、正直腹が立ちました。
でも、これから移住してくる人のために、
少しでも力になれるのならば
と、了解したのでした。
結果として、たくさんの移住希望者と知り合えて、自分の経験を伝えられたので、良かったと思っています。
伝えるだけでなく、第三者の目で「移住」というものを観察できて、教えてもらったことがあります。
今回は、それを書きたいと思います。
結局、移住する人と移住しない人の違い
です。
目次
私が背中を押す言葉
北海道へ移住を考えている人には、知りたいことや不安なこと、いろいろあります。
私はその人が移住しようがしまいが、冷たい言い方をすれば
どちらでもいい
ので、いいことも悪いことも、聞かれたことについて、ありのままを伝えています。
そのポリシーは、このブログの「移住について」の記事とも共通します。
でも、もうほとんど移住することを決めていて、
ほんの少し、背中を押されるのを待っている
と感じたときは、ちょっとだけ、前向きな意見を言わせてもらうこともあります。
2つは手に入りませんよ?
最後の一歩が踏み出せない理由の一つに、
「今あるものを手放したくない」
というものがあると感じます。
北海道に移住して、得るものの魅力は最大限に感じているのに、今、自分が手にしている何か(収入?環境?安定?)は、失いたくない。
そりゃー、今あるものを失わずに、新たに何かを得られるものなら、それに越したことはありません。
でも、北海道への移住は、きっと当てはまらないでしょう。
2つは手に入りませんよ? 絶対にどちらかしか手に入りません
野垂れ死にはない
1番のネックは、仕事のこと(=収入のこと)のようです。
たしかに1番気にかかることだと思います。迷うのもわかります。
ただ、迷っても迷っても、不安は消えないのです。
そういうとき、
「大丈夫、今の日本、野垂れ死にはないから!」
と私は言います。
最悪でも、何も食べられなくて餓死するようなことにはなりません。
そうでしょ?
絶対に生きていけます。
具体例を挙げてみます
上のような言葉を掛けて、ちょっとだけ背中を押すところまではしますが、あとは、その人の気持ち次第です。
ここで、いくつか私が知っている人たちの例を書いてみますね。
A子さんの場合
A子さんは当時20代でした。
関東から、初めての北海道旅行で、たまたま、ペンション「シュプール」を訪れてくれました。
それから毎年2回ほど北海道を旅して、そのたびに泊まりに来てくれました。
そんな彼女が、ある日、
「今年の夏、ある温泉宿で住み込みで働くことにしました!」
と言ってきたのです。
「え? 仕事やめてきたの?」
と聞くと、もう車に生活用品を積んできているというではないですか。
今まで移住するとか言ったこと無かったのに・・・。
彼女はひと夏の間、温泉宿で(3食部屋付き、ほぼ無給で)働きながら、休日には北海道で遊んでいました。
そして、秋までには自分の住む部屋と、旅行会社の仕事を決めていました。
それから数年後、同じように北海道を旅していた人と知り合い、結婚しました。
旦那さんは仕事をやめて移住し、半年の間無職でしたが、彼女が仕事してその間を支えたのでした。
B君の場合
B君は、中国地方在住の20代で、彼は初めてペンション「シュプール」に泊まりに来た時、すでに、
「じつは、北海道に住みたいなあと考えているんですよ!」
と話していました。
「でも、まだよく知らないから、しばらく北海道をあちこち見ていくんです」
と、旅立っていきました。
それが5月頃で、それから4ヶ月ほど経った9月でした。
B君からまた予約が入って、泊まりに来ました。
「お、また来たね。今回はどのあたりを見に行くの?」
と聞くと、
「あ、もう決めました。じつは今日フェリーで渡ってきたんです。◯◯町で酪農ヘルパーします」
ええーーー、北海道を一回見て、二回目で移住?
「まあ、とりあえずやってみますわ! ハハハ」
彼はそれから酪農ヘルパーとして働いていましたが、約1年後、また泊まりに来ました。
「じつは今日、フェリーで帰るんです。北海道最高でした。でも、他にやりたいこと出来たんで、一度帰ります!」
「また、北海道遊びに来るんで、その時寄りますね」
風のように来て、風のように去っていきました。
Cさんの場合
Cさん夫妻は50代で、関西在住の方でした。
私たちと同じような、小さなペンションをやりたくて、移住を考えているということでした。
それで私たちを訪ねてきてくれたのでした。
公務員をされていて、とても安定していることと、私よりも上の年代でしたから、
「ほんとうにやるんですか?」
と、かえって私のほうが心配になりました。
そのご夫妻の決意は固くて、結局それから1年後に移住して、間もなく退職金を元手にペンションを始められました。
「借金無しで始められるし、自分たちが生活できればそれで十分なんですよ」
と、いう感じで営業されています。
もし自分が50代で移住できるかと聞かれたら、
「とてもそんなガッツはない」
と思いますので、感心しましたね。
Dさんの場合
Dさんは、毎年のように北海道を訪れて、
「もう、北海道に知らないところはない」
というような人です。
ペンション「シュプール」に泊まりにきた時に、
「いつか北海道に移住したいので、旅しながら場所を見ているんですよ」
と話していました。
でも、それからも毎年北海道を訪れてはいるものの、いっこうに移住の話は出てきません。
時々、
「ああ、北海道に移住したいなあ」
と、お酒飲みながらつぶやくだけでした。
初めの頃は、私も耳を傾けていたのですが、じつは、Dさんのような人がたくさんいるということに、気づき始めたのです。
それからは話を聞くだけ時間の無駄なので、
「へー、そうなんだ」
と聞き流すことにしています。
彼らにとっての「移住したい」とは、
「(したいか、したくないかと聞かれれば)移住したい」
なのです。
語るためだけの夢というやつです。
Dさんのような人、(失礼な言い方ですが)掃いて捨てるほどいるんですよ。
いつでも会いに来てください。
私は思うのです。
「結局、思い切って来てしまえるかどうか?」
だと。
考えて、考えて、死ぬほど考え抜いても、
「移住で成功する理由を見つけたとしたら、それと同じだけの失敗する理由も見つけてしまう」
のです。解決しません。
「とりあえず行ってみる! あとは行ってから考えるわ!」
という決断が、遅かれ早かれ、いつかは必要になってくるんです。
結局、移住するかしないか、すべてはそこにかかっています。
まあ、よかったら、いつでも私たちのペンション「シュプール」に泊まりに来てください。
とりあえずの「第一歩」として、少しは参考になるかもしれませんよ。
移住希望者はウェルカムです!
ペンション「シュプール」は偽名です。このブログは本業とは別に、個人の趣味で書いているので、もし本当に興味ある方は、このブログからメールでお尋ねください。お返事させていただきます。