こんにちは、寝袋!です。
登山経験を積んできて、今では登山のガイドをしている私ですが、
「初心者の頃の自分に、これを教えてあげたい」
と思うことがたくさんあります。
それらを、当時の私の気持ちを振り返りながら、まとめていきます。
金言その3、
「登りも下りも登山靴のヒモはきつく締めろ!」
というお話です。
ベテランから学べば学ぶほど、間違っている人が多いので、ご注意を。
目次
私が初心者の頃
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/10/OVRB1937.jpg)
靴ひもをゆるめろ
今ではもう、誰から聞いたのか忘れてしまいましたが、
「登山靴の靴ひもは、登りでは少し緩めて登れ!」
と教えられました。
下から順番にきつく締めてきますが、くるぶしから上の足首の部分では、ヒモを緩めろと言うのです。
その理由は?
理由は、
「登りで足首を曲げられずに、登りづらいから」
ということでした。
私は昔からそう教えられて、実際に長い間、そうやって登ってきました。
たしかにそのほうが、足首が自由に動くし、登りやすかったのです。
私もそう教えてきました
当然、私も新しく山登りを始める人に、そのように教えてきました。
「下りはきつくしないと、つま先痛めるよ!」
などと、したり顔で言ってきました。
「これが登山靴の履き方だから!」
間違いと気付いた今では、ほんとうに恥ずかしいことです。
私があとで気付いたこと
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/10/NGP_4537.jpg)
ベテランほど間違っている
じつは、今書いているこのことを、ベテランの登山者に話したら、
「いや、それで正しいよ! それで正解!」
という人が多いのです。
みなさんはどうですか?
そのように思っている、もしくは、そう教えられている
という人、いませんか?
その理由
これには理由がありまして、
- 昔は登山靴の革が厚くて固かった
- だから、登りではヒモを緩めないと歩きづらかった
- ところが今は、革も薄く柔らかい
- 靴ひもを全部きつく締めても、足首が曲がる
からなのです。(後でもっと詳しく解説します)
つまり、
昔は正しい知識とノウハウだった
ものが、
今は間違った知識
になっているのです。
ベテランさんは、正しいと教えられて、正しいと信じている方法を、今でも実践しちゃっているわけです。
そして、それを後輩たちに教えるのも、仕方がありません。
私も、まったく同じです。
正しいと信じている先輩に教えられて、正しいと信じて実践してきて、正しいと信じて伝えてきました。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/10/OVR80148.jpg)
詳しくお話しますと
昔(昭和中期頃まで)の登山靴は、とても分厚い革を使って作られていました。
夏も冬も同じ登山靴でしたから、アイゼンを付けられるような、
靴全体が固く頑丈なもの
だったのです。
ところが今では、革も薄く、化繊素材も使って、
軽くて歩きやすい登山靴
になっています。
さらに、夏靴と冬靴が完全に分けられているので、それはさらに顕著です。
現在の夏の登山靴は、
完全に靴ひもを締めても歩きやすい
という、優れたものです。
足首もちゃんと曲がりますよね?
登山ガイドからのアドバイス
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/10/OVR80193.jpg)
これで、おわかりでしょうか?
ベテランが、
「昔は正しかったけれど、今は間違っていること」
を、伝えてしまった悲劇です。
現在の登山靴で、ヒモを緩めるということは、
登山靴のサポート力を台無しにする
ことになります。
ちゃんと全部の靴ひもをキッチリ締めて、それでも歩きやすい登山靴の恩恵を活かしましょう。
せっかく良い登山靴を履いていても、無駄になってしまいますよ。
でも、自己弁護になってしまいますが、ベテランさんを責めないでくださいね。
一度正しいと信じ込むと、なかなか気付かないものなんです。
ごめんなさ~い。
こちらもどうぞ
かなりの登山経験を積んだ今になって、初心者の頃を振り返って思います。
「あの頃、これを知っていたら・・・」
登山について、お金も時間も無駄にしてきた私ですが、
「これから誰かの役に立てば、無駄じゃなかった」
と思えます。
初心者・初級者が同じ思いをしないために、恥を捨てて書きまくります。
最初から読んでみてください。
お役に立てれば幸いです。