こんにちは、寝袋!です。
登山経験を積んできて、今では登山ガイドをしている私ですが、
「初心者の頃の自分に、これを教えてあげたい」
と思うことがたくさんあります。
それらを、当時の私の気持ちを振り返りながら、まとめていきます。
金言その2、
「後ろから人が迫っても焦るな! 追いつかれたから遅いわけじゃない」
というお話です。
私が初心者の頃
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恐怖の追跡者
初心者の頃、私は後ろから追いかけてくる人が怖かったです。
「後ろから追いつかれるってことは、自分が登るのが遅いからだ」
「なんだか恥ずかしい」
と考えていました。
前を行く人との距離が詰まって、自分のほうが速そうだとわかると嬉しかったです。
しかしその反面、後ろのほうに見えている人影が、少しずつ近づいてくると、イヤでした。
「誰もオレの前は歩かせねえ!」
みたいに思っていたわけではなく、ただ、追いつかれるのがイヤだったのです。
チリンチリンという熊鈴の音や、話し声がうしろから聴こえてきたときは、無理にでもペースを上げていました。
ま、結局追いつかれる場合も多かったですけどね。
追いつかれたときは
もし追いつかれたときは、
いかにも休憩してました
という様子を装って、水を飲んだり写真を撮ったりしていました。
「私は登るのが遅いんじゃなくて、写真とかで楽しみながら登ってるからね」
と言いたかったのです。
実際は、ただ単に体力の無さから登るのが遅いだけだったのに。
我ながら、
「あの頃は、何をそんなに気にしていたんだろう?」
と自分が情けなくなります。
別に速さ勝負してるわけでもないですし、その日会った人なんて、2度と会わない可能性のほうが高いのに。
格好つけていたんでしょうね。
または、初心者である自分が、不安だったのかもしれません。
「登るのが早い=格好良い」
「登るのが遅い=初心者、格好悪い」
と思っていたのです。
私があとで気付いたこと
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何度か山登りをしていくうちに、私は気付きました。
私を追い越していった人が、その先で休憩したり写真を撮ったりして、追い越し返すこともあります。
その逆も然りで、私が追い越した相手が、その後ペースアップして追い越していくこともありました。
結局、みんな一定のスピードで歩いているわけではないですし、休憩のポイントも違って当然です。
そして、案外山頂では、それほど時間が変わるわけでもありません。
お茶でも飲んで、腰掛ける場所を探している程度の差しか付きません。
そもそも、
「私が思っている以上に、周りは私のことを気にしていない」
のです。
気にしてたのは、自分だけ?
みなさん、追いつかれても追いついても、とても和やかに自然体ですしね。
「あ、みんな他人のペースのことなんて気にしてないんだ!」
と気づいたのは、どのくらい後だったでしょう。
登山ガイドからのアドバイス
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他人のペースのことを気にして、自分のペースを上げ下げするのはやめましょう。
私にかぎらず、初心者にはありがちでしょう?
追いつかれても、恥ずかしいわけじゃない。
追いついても、偉いわけじゃない。
そもそも、
登るのが速いから、上級者というわけじゃない。
登るのが遅いから、初心者というわけじゃない。
のです。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/10/NGP_2217.jpg)
あえて言えば、あの頃の私のように、
速いときと遅いときが、入り乱れているのは初心者
ということは言えます。
「自分のペース」を知らず、持っていないから、他人のことを気にしていたのです。
今私に、
「あら、速いですね!」
なんて言ってきたりする人がいると、
「あなた、まだそんな登山してるんだね。早く気付きなよ」
なんて思いつつ、「いやいや」などと適当に答えています。
今では、写真を撮ろうが、花を観ようが、休憩しようが、周囲のことは何も気にしません。
他人と比較すること自体、なくなりました。
そうすると、自分自身と向き合ってペースも身につきます。
何より、
景色や花や匂い、山にあるものを満喫する余裕が出てきます。
辛いのではなく、楽しくなってくるのです。
「他人のことなんて気にせず、自分自身だけで山と向き合おう」
これは、上達への近道です。
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かなりの登山経験を積んだ今になって、初心者の頃を振り返って思います。
「あの頃、これを知っていたら・・・」
登山について、お金も時間も無駄にしてきた私ですが、
「これから誰かの役に立てば、無駄じゃなかった」
と思えます。
初心者・初級者が同じ思いをしないために、恥を捨てて書きまくります。
最初から読んでみてください。
お役に立てれば幸いです。