こんにちは、寝袋!です。
登山経験を積んできて、今では登山のガイドをしている私ですが、
「初心者の頃の自分に、これを教えてあげたい」
と思うことがたくさんあります。
それらを、当時の私の気持ちを振り返りながら、まとめていきます。
今回は金言その9、
「条件の悪いときは、別世界ですよ」
というお話です。
目次
私が初心者の頃
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山行前のドキドキ
みなさん、山へ行くときは、お休みの前から楽しみですよね?
仕事をしながらも、頭のどこかで週末の登山のことを考えていませんか?
私はそうでした。
「あの山ってどんなところなのかな?」
「景色良いって聞くし、花もちょうど良さそう」
そんなことばかり考えて、部屋にはもう準備もバッチリ、あとは食料と水を詰め込むだけ!
毎日毎日、それも何度も何度も、週間天気予報をみて一喜一憂していました。
「さっき予報見たばかり」
なのに、
「違う予報サイトではどうかな?」
という、落ち着きのない時間を過ごしていました。
当日の天気は運次第
そうやって迎えた当日、天気は「曇り時々雨」の予報でした。
「とりあえず行ってみる。無理はしないつもりだけど・・・」
と、登山口に向かいました。
当時の私は、
「雨の日に登りたくはないけど、せっかくの休日がパーになるのはもっとイヤ」
と思っていました。
そこは、以前にも2回登ったことのある山で、
「勝手知ったる」
という安心感もありましたしね。
これがあの山?
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ところが、登り始めてすぐに、さっきまでの力強さはどこへやら。
- 最初から着込んでスタートしたレインウェアが気持ち悪い
- レイングローブ持ってなかったから、手がかじかむ
- メガネに水滴がつくけど、拭くものがない
- カメラは防水じゃなくて、撮影できない
- そもそもそんな気分でもない
- 装備全体が濡れて重い
- 登山用のハットが濡れて、頬を垂れた雨で体が濡れる
- 寒い
- 地面がグチャグチャで登山靴が汚れる
- 滑る
- ビニール袋に入れてた携帯が、ビニールに溜まった水で水没
今でも覚えています。
「登ったことあるし、山頂行かなくていいな」
という捨て台詞(負け惜しみ)を残して、私は途中で帰ったのでした。
「家でゆっくりしてればよかった・・・」
私があとで気付いたこと
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ステップアップ
それまでの私は、少しずつ高い山、長いルートへとステップアップしていたと思います。
けっこう「晴れ男」でしたので、雨で登山中止することは、1、2回だったと記憶しています。
「このレインウェア、雨降らないから最強のレインウェアだわ」
などと、登山者には定番のような会話をしていたくらいです。
ステップアップ?
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どうやら私は、
「条件の良いときだけ登って、その山を登った気になってた」
だけだったようでした。
山はちょっとずつステップアップしてても、技術も経験もたいして変わっていなかったことに気づいたのです。
「条件の良いときだけ登るなら、1,000mだろうが2,000mだろうが、たいして変わらん!」
そう怒られた気分でした。
同じ山でも、晴れた日もあれば雨の日もあります。
風の強さ、寒さや暑さも違うでしょう。
「自分って、雨の日のこの山も登れない程度だったんだな」
と、悔しかったです。
「あの山なんて、もう登ったけど、簡単だよ」
なんて友達に自慢気に話していたのが、恥ずかしかったですね。
登山ガイドからのアドバイス
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/11/OVRA1395.jpg)
「オレ、絶対に晴れた日にしか登らないから、それでもいいけどな」
なんて言う人もいるかもしれません。
でも、予言しますが、いつかは雨や風にさらされる日がやってきます。
「山の天気は変わりやすい」
って言いますが、ほんとうに、そうなんですよ。
そもそも、泊まり登山をするようになったら、そんなこと言ってられませんし。
登山者は、どこかで一度は、条件の悪い登山を経験したほうがいいです。
あまり危険じゃない、低い山で、それを味わうのがオススメ(?)です。
早めがいいんです。
晴れた日にいくつも山を登るより、ずっと多くの経験が出来ますし、そのぶん成長できますよ。
他人事だから言いますが、
「雨の日を選んで、あえて登山してもいいくらい」
ですよ。
一番危険におちいるのは、
良い条件の山しか知らずにステップアップした山で、いきなり悪条件に見舞われる
ことです。
まさにダブルパンチ!
くらったときには辛いですよ~。
まあ、わざわざ雨の日を待つことはしなくても、
「今日は天気悪いけど、ちょっと勉強するつもりで登ってみようかな?」
という気持ちは、持っていたほうがいいかもしれませんね。
こちらもどうぞ
かなりの登山経験を積んだ今になって、初心者の頃を振り返って思います。
「あの頃、これを知っていたら・・・」
登山について、お金も時間も無駄にしてきた私ですが、
「これから誰かの役に立てば、無駄じゃなかった」
と思えます。
初心者・初級者が同じ思いをしないために、恥を捨てて書きまくります。
最初から読んでみてください。
お役に立てれば幸いです。