こんにちは、寝袋!です。
今回は、レインウェアについての基本的な知識を、まとめてみたいと思います。
登山者はレインウェアといいますが、世間一般的には、
カッパ
ですね。
私、こうやって記事ではレインウェアなどと気取って(?)書いてますが、山では、
「雨来そうだな、カッパ着よう!」
と言ってます。
レインウェアでも雨具でもなく、カッパです。
それはさておき、レインウェアについて、詳しく説明していきましょう。
目次
レインウェアが必要なわけ
登山中に雨が降って来たとき、レインウェアを着ます。
街中では傘をさす人のほうが一般的ですが、
「山では両手を使えるようにしておきたい」
ので、傘は使いません。(平坦なトレッキングでは使う人もいます)
また、雨が降らなくても、風が出てきて寒い時にも、ウインドブレーカーとして着ることもあります。
レインウェアは、
「どんなに快晴でも、必ず持って行く」
べき、必須アイテムです。
レインウェアの素材
レインウェアは雨と風を防げれば、それでいいのでしょうか?
いいえ、違います。
求められる機能
防水性&防風性、この2つを兼ね備えるだけならば簡単です。
ホームセンターで売っている1000円ほどのカッパでも、大丈夫でしょう。
しかし、登山用のレインウェアにはもう1つ、透湿性という機能が求められるのです。
この透湿性こそが超のつく重要なポイントです。
人間の体からは、つねに(運動時はもっと)水蒸気が出ています。
この水蒸気(蒸れ)をレインウェアの外に放出しないと、レインウェアの内側が結露して濡れてしまうのです。
せっかく外からの雨を防いでも、中から濡れては意味がありません。
そこで、「外からの水滴は止めつつ、水蒸気だけを通過させる」透湿性が必要になってくるのです。
さらに、撥水性も求められます。
間違ってほしくないのは、レインウェアの素材は防水性ですので、撥水しなくても水が漏れるということはありません。
なぜ撥水性が必要かといいますと、水滴が生地に付いていると、そこの浸透性が遮られるからです。
水蒸気が抜ける面積が小さくなるわけですね。
ゴアテックス
防水透湿性素材として有名なのは、ゴアテックス(会社名・素材名)です。
あらゆる登山用品ブランドで、このゴアテックスを採用しています。
防水透湿性素材の常に先端をいく会社です。
その他
ゴアテックスに負けまいと、登山用品ブランドでは独自の素材も開発しています。
しかし、ハイエンドモデルには必ずゴアテックスを採用しているあたり、
ゴアテックスの廉価版
といった意味合いが強いです。
ただし、十分な性能を持っていますので、選ぶ価値はあります。
レインウェアを選ぶポイント
形
レインウェアといっても、様々な形があります。
ポンチョや、上下一体型のレインコートもありますが、登山では上下セパレートのものを選ぶのが良いでしょう。
サイズ
時々、重ね着しても動きやすいように「ワンサイズ大きなものを」という言葉を見かけます。
私も初めてレインウェアを買ったときはそう言われ、買ってしまいました。
しかし、私としては、ピッタリサイズがベストだと思います。
せいぜい、少し余裕がある程度でいいと思います。パツパツはダメですが。
よく考えると、そんなに重ね着しないんですよね。
あまりブカブカだと、風も侵入してくるし、かえって動きづらいです。
フード
フードは、各ブランドが力を入れて、工夫をこらすポイントです。
なんといっても唯一大きく口を開けた、無防備なところが「顔」です。
そこから水の侵入を許してしまえば、素材がどうのとか関係ないです。
これは、着こなしも含め、登山者自身も工夫をしなければいけません。
ひさし代わりに、レインキャップをかぶるだけで全然違いますよ。
ジッパーの防水
ジッパーは「素材の切れ目」ですから、そこもしっかりと防水しなければいけません。
レインウェアは、止水ジッパーもしくは、フラップで防水しています。
止水ジッパー
止水ジッパーとは、ジッパーを閉じたときに、表面がピッタリと密着して、塞がるようになったジッパーです。
軽量に仕上がるので、最近は多用されています。
フラップ
フラップといって、ジッパーを覆い隠すように、二重三重になっているものです。
じつは止水ジッパーは完全防水ではないので、
山岳ガイドや救助隊などは、多少重くてもフラップタイプを信頼する人が多い
という一面があります。
ちなみに、止水ジッパーだけのレインウェアでバイクに乗ると、風圧でビショビショになります。
パンツの裾
レインパンツの裾は、少なくとも膝ぐらいまで、長いものでは全長、ジッパーで開けられるようになっています。
これは、登山靴を履いたまま、レインパンツを履けるようにです。
裾を内側に折り込んで、その状態で履くと、登山靴の汚れがレインパンツの内側に付きません。
ビニール袋で登山靴を覆って、履く方法もあります。
おすすめレインウェア
登山用品ブランドは数多くありますが、レインウェアに関しては、日本のブランドがいいです。
日本独特の、雨の多い気候を熟知して作られているからです。
登山道具や登山ウェアは格好の良い海外製品を使っても、レインウェアだけは日本製!
とくに初心者なら、絶対オススメです。
モンベル ストームクルーザー
すべての面で最高です。
昔から、登山愛好者の間では、
「ストクル買っておけば大丈夫!」
と言われ続けています。
もっと軽めのモデルもあるのですが、耐久性に難があります。
モンベル レインダンサー
モンベルのストームクルーザーの一つ下のモデルです。
ただ、機能性能に一切不足はありません。
むしろ、ストームクルーザーより厚い生地を使っているぶん、岩場やヤブなどでの耐久度は高いです。
すり減りやすいパンツだけは、レインダンサーを使う人も、じつは多いんですよ。
ミズノ
スポーツ用品の印象が強いミズノですが、レインウェアは優れたものを作っています。
上下セットで15,000円程度なので、ほんとうにコスパがすごいです。
日本のレインウェアはモンベルがシェアをしめていますが、ミズノが本格的に山の世界に乗り出すとすごいかも。
(備考)超軽量モデルは初心者はやめておこう
たとえばモンベルには、トレントフライヤーという、軽量化に特化したモデルがあります。
値段がストームクルーザーより高いので、
「こっちのほうがイイヤツなんじゃないか?」
と考えてしまう人もいますが、これは初心者には向いていません。
軽量化に特化しているので、とても生地が薄くて弱いです。
数字上では頑丈だと書かれていますが、薄いものは薄いのです。
あっというまに穴があきますよ。
破れるのは、初心者でも上級者でも一緒ですが、初心者のみなさんには、
「レインウェアを破らないように、いつも気を使いながら歩いてほしくない」
のです。
最後に
最初に、
「レインウェアはカッパだ」
と書きました。
自分で書いておいてなんですが、あらためて考えると、けっこう違いますね。
カッパといっては、作っている人に失礼かもしれません。
細部までいろいろ工夫して、こだわって作られているのが、おわかりいただけたでしょうか?
登山にいくのに、レインウェアを持たないことは考えられません。
いつ雨になるかわからない。
風に吹かれるかもしれない。
命を守る、最低限の備えです。