こんにちは、寝袋!です。
登山で使うテントを選ぶ際に、選択を分けるポイントの1つが、
自立型か、非自立型か?
です。
ほとんどの人は、考えることもなく「自立型」を選んでいるのが現状でしょう。
しかし、登山経験が増えて、いろいろな登山スタイルへと変わっていくときに、この選択に向き合うことになります。
私は、自立型と非自立型を、使い分けて楽しんでいます。
あなたがずっと変わらず「自立型」を使っていく選択をしたのなら、問題はありません。
この記事は読む必要はないでしょう。
しかしあなたが、何らかの理由で「非自立型」を選択するのならば、ぜひ購入前にこの記事を読んでください。
それぞれのメリットとデメリット、とくに「非自立型」の危険性について、経験をもとにお話します。
「これだけは覚悟して、非自立型を使って欲しい」
その覚悟の向こうには、素晴らしい「非自立型」の世界が待っています。
目次
自立型と非自立型とは?
まず、「自立型」と「非自立型」の意味について説明します。
- 「自立型」・・・ほとんどの人が最初に使う形式。ペグやガイライン(ひも)を使わなくてもテントの形になっている。
- 「非自立型」・・・ペグやガイラインを使って初めて、テントの形になる。ツエルトもこれにあたります。
「テントが自分だけで立っていられるか?」
ということで『自立or非自立』というわけです。
よくある間違いですが、「ポールがあるかどうか」では判断できないので注意してください。
それぞれのメリット・デメリット
詳しいことはあとで説明するとして、まずは大まかに特徴を表にしてみました。
種別 | メリット | デメリット |
自立型 | 設営が簡単 ポールが折れない限りつぶれない |
比較的重い |
非自立型 | 設営にコツが必要 比較的軽い |
ペグやガイラインが外れるとつぶれる |
極論すれば、自立型は万能です。
ただ、装備を「軽量化&小型化」したいという目的がある人だけが、
非自立型への道
を歩み始めるのです。
それはトレイルラン、ファストパッキング、などでしょう。
①トレイルラン・・・山を走るスタイル。スピードと距離を出すために軽量化します。
②ファストパッキング・・・軽量化することで、より楽に安全に登山を楽しむスタイル。
非自立型テントの注意点
「軽量化&小型化」を手に入れるために、あなたはいろいろなリスクを受け入れる必要があります。
一概に弱いとは言えません
注意点の説明のまえに、これは書かせてください。
一般的なイメージと違って、決して「非自立型」が弱いわけではありません。
「自立型」よりも強い「非自立型」もたくさんあります。
ただ、その強さを発揮するために、次のような注意点が必要になるのです。
初心者でも「80%~100%」の完成度で出来るのが「自立型」。
「30%~100%」の完成度になってしまうのが「非自立型」。
といえば、おわかりいただけるでしょうか?
適した設営スペースが必要
「非自立型」は、一般的に広めのスペースを必要とします。
なぜかというと、最悪ガイラインなしで立つ「自立型」とはちがって、絶対にペグとガイラインが必須だからです。
「このテント場、狭くてガイライン張れないなあ」
というところで立てるのは、かなり困難です。
設営技術が求められます
- ペグの打ち方
- ガイラインの張り方
- 風向きの読み
など、設営には経験と技術を活かす必要があります。
樹林帯や平地のキャンプ場ならば、そこまで神経質になる必要はありません。
でも、時には暴風が吹く稜線上や、高山帯のテント場では、
「どのくらいの処置で大丈夫か?」
を判断して、実施する必要があるのです。
ペグやガイラインを増やしたり、石や木を使ったり、工夫が必要になることもあるでしょう。
一番の違いはリカバリー性
「非自立型」の最大の弱点は、リカバリー性です。
「これだけやっておけば大丈夫だろう!」
と思っていたのに、予想外のアクシデントで困難な場面におちいる場合があります。
たとえば、
- 想像以上の防風
- 誰かがガイラインにつまづいてしまった
などです。
そんなとき、サッと外に出て、ガイラインを張り直したり、ペグを補強したりしなければいけません。
暗い中でも確実に元の状態に戻したり、より強い状態にしたり出来なければいけません。
夜中の暴風で、ペグとガイラインが吹っ飛んだことがあります。
何度か倒壊を繰り返しているうちに、ペグはどこかへ飛んでいき、石もなくて困りました。
仕方なくテントの中であぐらをかき、一晩中ポール(登山ストック)を手で持っていたのでした。
当然一睡も出来ず、疲労困憊で翌朝早々に撤退しました。
一度壊れたテントの修復は、難しかったです。
私の読みが甘かったということです。
非自立型を選ぶ時は覚悟を
テントの「宿泊所」としての機能だけを考えるならば、全てにおいて「自立型」が勝っています。
それでもあえて「非自立型」を選ぶのは、
圧倒的な軽量さと、コンパクトさ
を手に入れるためです。
十分な経験と技術を持った登山者は、「非自立型」のデメリットをカバーして、
自立型と同じように確実に設営する
ことができます。
あなたには、それが出来ますか?
というより、
あなたには、それが出来るように頑張る覚悟がありますか?
というべきでしょうか。
私は、失敗もありましたが、多少は上手に「非自立型」を使えるようになったと思います。
それは、軽さを手に入れたということでもありますし、テントの基本的設営技術が上がったとも実感しています。
「自立型テントしか立てられない登山者」
より、ちょっと格好よくないですか?(笑)
非自立型、いいものですよ。
困難を乗り越えて、上手に使えるようになる価値は、あります!
非実型テントのいろいろ
私も愛用している、シックスムーンデザインの「ルナーソロ」です。
登山ストックを一本使うワンポールテントです。
軽量化ではないですが、最高のテントメーカー「ヒルバーグ」のアクトです。
美しい張り姿が特徴です。かっこいい。
超重いけど最高に強いテント「ヒルバーグ ソウロ」も使ってます。