こんにちは、寝袋!です。
私は登山に行く時(日常も含めてずっと)、機械式の腕時計を着けています。
最近の登山用腕時計のように、気圧計や高度計などの機能が付いてはいません。
正直、
「登山に行くなら、機械式腕時計着けたほうがいいよ」
とは言えません。
むしろ、反対するでしょう。
高いし、重いし、機能は悪いし、すぐに遅れる・・・。
それでも私には、機械式時計を着けて山に登る理由があるのです。
機械式腕時計とは?
「機械式」は、昔ながらのゼンマイの力を動力にして、てんぷ(コマのような形をした部品)が1秒間に、3、4回の規則正しい往復回転運動をすることで時を刻んでいます。
てんぷに取り付けられたヒゲゼンマイが、同じ周期で往復回転運動を続けます。
アンクル→がんぎ車へと伝え、針を動かしていく仕組みになっています。
電池を使わないので、電池切れの心配はありませんし、修理とメンテナンスをすることで、一生どころか子供や孫の世代でも使えます。
手巻き
手巻きとは、リューズ(腕時計の横に飛び出たツマミ)をジーコジーコと時々まわして、ゼンマイを巻く方式です。
自動巻き
腕を動かすと、内蔵された振り子が回転し、自然にゼンマイを巻く方式です。
性能は?
機械式の腕時計は、「正確な時間を刻む」という時計本来の性能は低いです。
一日に平気で数秒狂ってしまいます。
1,000円で売っているような、安いデジタル時計に余裕で負けます。
機械式の世界
機械式腕時計というと、ロレックスやオメガのようなブランドがよく聞かれます。
高いものでは、数十万円~数百万円という値段がついています。
しかし、じつはそれらはあくまでも、「一般人の手が届く」レベルでの高級時計にしかすぎません。
1億円を超えるモデルが存在する、恐ろしい世界です。
しかも、それらのモデルでさえ、性能は低いです。
同じように、安いデジタル時計には正確性では負けちゃうんですよ。
私の愛用腕時計
私は、BALLWATCH(ボールウォッチ)というブランドの、セラミックXV(フィフティーン)というモデルを使っています。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/OVRD0863.jpg)
BALLWATCH(ボールウォッチ)とは?
数多い機械式腕時計のブランドのなかで、ボールウォッチはかなり特徴のある時計を作っています。
- 高剛性
- 防水性
- 夜光性
と、おしゃれ性能より、実用性能に特化したものが多いです。
エンジニアハイドロカーボン セラミックXV(フィフティーン)
その中で、「エンジニアハイドロカーボン」シリーズのセラミックXVというモデルを選択しました。
アウトドア向けの機械式時計というと、深い海に潜るダイバー向けが多いです。
しかし、このモデルは、珍しく登山向けを意識して作られたものなのです。
ネーミング(ピークXVはエベレストのこと)
セラミックXVとは、ある山の測量記号「ピークXV」から由来したネーミングです。
ピークXVってどこか知っていますか?
みなさんご存知の世界最高峰エベレストが、まだ高さが測量されていない時代の呼び名だそうです。
裏側のデザイン
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/OVRA1037.jpg)
どこかで見た場面?
時計の裏側には、レリーフが刻んであります。
どこかで見た場面ですよね?
エベレスト初登頂を果たしたときの、ヒラリー卿かテンジンシェルパの写真です。
ちなみに購入した時に、私は山に対する座右の銘を刻んでもらいました。
「山に謙虚であれ」
私が山へ着けていく理由
それでは具体的に、私がこの腕時計を山に着けていく理由を、書いていきます。
夜でも見れる
ボールウォッチの特徴でも書きましたが、特殊な発光技術で夜でも視認性が高いです。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/DM2136A-PCJ-BK_night.jpg)
公式HPより
機械式腕時計というのは電池を使っていませんから、バックライトはありません。
では夜は見えないのかというと、多くのアウトドアモデルでは、蓄光塗料を文字盤や針に塗ってあります。
蓄光塗料はみなさんご存知でしょう。
欠点としては、光が当たらなくなってから、次第に暗くなっていくところです。
しかし、この時計は、なんとトリチウムという自己発光の機能を持っているのです。
自分で常に発光しているので、夜中、いつまでも明るいのです。
安心の耐久性
300m防水
ダイバー向けの腕時計には、1,000mを越える防水性能のものがあります。
これは登山向けなので、控えめに300mです。
山で水深300m・・・沢登りの水圧でも大丈夫ですね。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/OVRD0865.jpg)
締め忘れ防止リューズ
耐衝撃性
7,500gという耐衝撃性能、具体的によくわかりません。
とにかくすごいということらしい。すみません。
サファイアガラス
腕時計の表面に使われるガラスは何種類かありますが、とても固いサファイアガラスが使われています。
時計本体やバンドは、今までの登山で傷もついていますが、ガラスはまったく傷も曇りもありません。
サファイアガラスの硬度が9で、ダイヤモンドが10ですから、いかに固いかわかりますね。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/OVRD0864.jpg)
使用5年、まだ傷がない
バンドが一瞬で伸ばせる
これはダイバーがウェットスーツの上から付ける時に便利な機能です。
長さ調整がとっさに出来ない、金属製バンドの弱点を補う機能です。
ワンタッチで2~3cm、長さを伸ばせるのです。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/OVRD0866.jpg)
ここを
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/OVRD0867.jpg)
こうする
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/OVRD0868.jpg)
ベースレイヤーやミドルレイヤーの上に着けられる
通常時は腕に直接つけるときの長さに合わせてあるので、登山でも便利です。
ビバークの心強い相棒
あまり経験したくはないですが、ビバークの夜は、とても長く感じるものです。
ビバークじゃなくても、嵐で眠れなかったり、寒さで震えるテントの夜も同じです。
ただただじっと耐えて、太陽が登ってくるのを待つ、あの長い時間。
そういう時、機械式時計を耳に当てると、
「チクタクチクタク・・・」
という音が聴こえてくるのです。
とても、心が落ち着く音ですよ。
運が良ければ、眠りに落ちるきっかけになるかもしれません。
登山用時計の機能は、すべてGPS端末で足りる
登山用時計についている、
- 高度計
- 温度計
- 気圧計
- GPS
などは、すべてGPS端末を持っていくので不要です。
私も一度買ったことはあるのですが、現地で使ったことは、ほとんどありませんでした。
銭湯のロッカーの鍵がイヤ
個人的な思いとして、登山用時計の見た目がイヤです。
なんだかみんな同じようなものに見えます。
スーパー銭湯のロッカーの鍵を、腕に着けているように見えてしまいます。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/01/514jgxwXsbL._SL1000_.jpg)
これに見えてしまう
私が歩く限り止まらない
自動巻きですから、私が歩いたり動いたりしている間は、この時計は止まりません。
私が歩けば時計も動いてくれる。
登山の相棒のような、人生の相棒のような、そんな気持ちです。
最後に
長々と書いてきましたが、最初に書いた通り、
「山へ登る時には、機械式腕時計のほうがいい」
とは言いません。
とくに何か、登山で有利になることもありません。
使いこなせる人なら、登山用のデジタル時計がベストチョイスです。
それだけ言っても、まだ、
「機械式腕時計の可能性を捨てきれない」
というあなたは、私と同じように、使うべきかもしれません。
きっと、後悔しないでしょう。
登山で機械式腕時計を使う仲間が増えると、嬉しいです。
どこかの山で、すれ違うのを楽しみにしています。
「あなたも機械式の楽しさ、知ってる人なのね」
そのときは、意味ありげな視線を交わすとしましょうか。
ちなみに、セイコーのアウトドアモデルも格好いい。真上に付いたリューズがいいんですよね。
これがよくある一般的登山用デジタル時計。