こんにちは、寝袋!です。
登山でもキャンプでも、テントを固定するためのペグの打ち方は大切です。
「地面に刺さってれば大丈夫でしょ?」
なんて軽く考えてたら、強風のときに吹き飛ばされて、テント倒壊にまっしぐらです。
「ペグなんて、手で抜ける程度の短い棒」
に過ぎませんからね。
「抜けにくいペグの打ち方ってあるんだろうか?」
と考える、一歩進んだキャンパーのために、
クロス打ち
という方法をお教えしましょう。
知っていると、きっと役立ちます。
周りの人が慌ててる嵐の中で、あなたはテントの中でグッスリ。
これであなたも「ペグ打ちの上級者」です。
目次
まずはペグ打ちの基本
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/10/OVRD1839.jpg)
モンベルのステラリッジと付属ペグで説明します
まずは、「ペグを抜けにくくする方法」の前に、基本的なペグの打ち方をおさらいしましょう。
角度について
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/10/pegu01.jpg)
簡単な図を描いてみました。
ペグがもっとも保持力を発揮できるように大切なことは、
ペグとガイライン(ロープ)が直角
になることです。
たまに、ペグを地面にまっすぐに刺している人がいますが、それは間違いです。
どこまで打つ?
ペグは、なるべく深く打ち込みましょう。
あとで説明しますが、
「撤収するときに抜けないから」
と頭を長く出すのは、感心しません。
深く打ち込めば、そのぶんペグは強く保持してくれます。
私は、ガイラインをかける場所が、かろうじて地上に出るくらいまで打ち込みます。
抜けにくい打ち方「クロス打ち」
さて、基本的なペグの打ち方は出来ているとして、それでも、
ペグが抜けやすい状況
というのがあります。
- 強風が吹き荒れる時
- 地面が柔らかすぎてペグが効かない
ときです。
強い力でガイラインが引っ張られて、ペグの刺さっている穴が、ガイライン方向に大きくなります。
そして結果的に、ガイラインに引っ張られて抜けてしまうのです。
クロス打ちとは?
そこで登場するのが「クロス打ち」という方法です。
ペグが抜けないようにする工夫は、あとで説明するようにいくつかあります。
「クロス打ち」は、ペグの打ち方を工夫して強化しようという方法になります。
クロス打ちの方法を写真説明
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/10/OVRD1841.jpg)
通常に打った場合
見るからに地面が柔らかく、ペグがグラグラしています。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/10/OVRD1842.jpg)
ペグが引っ張られるのを支えるように、もう1本打つ
本来のペグがガイライン方向に引っ張られるので、それを防ぐために、もう1本のペグを打ち込みます。
ここでは説明のために、違うペグを使います。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/10/OVRD1843.jpg)
打ち込んだあとは、こんな感じです
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/10/OVRD1844.jpg)
拡大してみるとこんな感じです
ガイラインを本来のペグで支え、そのペグを、もう1本のペグで支えるのです。
これで地面の保持力が強くなります。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/10/OVRD1848.jpg)
地面の中でこうなっているイメージ
地面の中でどうなっているかというと、上の写真のような感じです。
クロス打ちが強い理由
単純計算ですが、クロス打ちの場合は、ペグを保持する地面の面積が2倍になります。
面積が2倍⇒抜けにくさも2倍
というわけです。
「じゃあ、太いペグを使ったら一緒じゃないの?」
と思いますが、その場合はペグを打ち込む苦労も2倍になるんですよね。
クロス打ちは、
「簡単に打ち込めるペグを2回打つ」
ので、1本のペグ打ちの苦労は変わらなのが長所です。
クロス打ちの欠点
クロス打ちにも、欠点はあります。
それは、ペグの本数が増えることです。
本来12本必要なテントだったら、全部をクロス打ちすると24本も必要になってしまいます。
私の場合は、16本にしています。
ペグが折れた時の予備も兼ねて、それくらい余裕があると十分です。
要所だけをクロス打ちして、他にも必要な場合は、その他の方法で対応しています。
ペグ抜け防止のいろいろな方法
クロス打ち以外にも、ペグを抜けないようにする方法はあります。
ただ、読んでもらえばわかりますが、可能か不可能か、現地に行くまでわかりません。
石で補強する
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/10/OVRB3443.jpg)
シンプルイズベスト。ペグの上から大きな石を載せる
ペグが抜けないようにする方法で、一番簡単なのが、上に重い石を載せることです。
風の力ってかなり強いので、簡単に持てるような石では役に立ちません。
両手でようやく持てるくらいの、なるべく重い石を選びましょう。
石がない場合は、もちろん出来ない方法です。
ハイマツに固定する
ガイラインをハイマツなどに結ぶ方法もあります。
この場合はペグを使いませんが、周囲にちょうどハイマツがあるかどうか、運任せです。
木は強いので、安心感は抜群です。
参考「最強ペグをお探しの方へ」
ペグは抜けないことも大切ですが、それと同じように、
「どんな地面でも刺さりやすい」
ことも大切です。
ペグにこだわる人が知っている、登山者向け軽量最強ペグがあります。
参考「深く打ちすぎて抜けないのが怖い方へ」
初心者にかぎらず案外多いのですが、
「ペグを深く刺さなければいけないのは知ってるよ」
「でも、深く刺すと抜けなくなるから、ちょっと長めに頭を出しておくんです」
という人です。
抜けにくいのがいいペグなのに、抜けやすいようにしておくとは、支離滅裂です。
どんなペグでも「宝の持ち腐れ」になってしまいますよ。
「ペグをどれだけ深く刺しても抜ける方法」
を準備していないから、そんなこと言ってるんです。
プライヤータイプのマルチツールを、ザックに忍ばせておくだけです。
参考「クロスペグ?」
「クロス打ち」とは別に「クロスペグ」という言葉があります。
これは、断面が「X」になっているペグのことです。
通常の「V」断面より保持力が強いものです。
ペグはテント泊の命綱
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/10/OVRD1852.jpg)
これもクロス打ち? ダブル打ち?予備があればこれも可能
登山を続けていると、いつか、テントが危機にさらされる時が来ます。
一晩中荒れ狂う暴風でテントがゆすられて、中から手で抑える夜。
ガイラインが緩んで、外に出て締め直す夜。
テント自体が潰れてしまって、潰れたテントの中で過ごす夜。
眠れない夜というのは、長いものです。
テントは、ポールだけでは弱いものです。
ポールなんてすぐに折れちゃいます。
ガイラインを張って、ペグで地面に固定して、初めて強さを発揮するのです。
「命綱」なんて言葉がありますが、ガイラインが切れることは、まずありません。
だからこそ、
ガイラインを地面に固定するペグこそが命綱
なのです。
- 石や木がなくても
- 予備のペグさえあれば
- 自分で可能な
ペグの補強方法「クロス打ち」を覚えておきましょう。
「悪天候でも強いテントを張れる人」
クロス打ちをマスターして、あなたもそうなってください。
ペグハンマー、重いから、山には持っていけないよねえ。