こんにちは、寝袋!です。
初心者の方、山座同定って聞いたことありますか?
「頂上で山座同定を楽しんだあと下山にとりかかった」
などという表現が、山岳小説などで出てくることがあります。
「や、やまざ・・・どうじょう?」
別に知らなくても問題ない知識なんですが、知ってると「通」っぽい?
これを機に覚えちゃいましょう。
目次
山座同定とは?
「山座同定」は、「さんざどうてい」と読みます。
山座同定とは、見えている山がなんという山なのか調べることです。
天気の良い日に頂上に立つと、周囲の山だけじゃなくて、びっくりするほど遠くまで山々が見えるじゃないですか。
例えばそれが富士山だったら、とくに調べなくても、
「あ、富士山見えてる!」
と誰でも直感的にわかります。
でも、多くの山々は、遠くから見ただけでは「〇〇山だ!」とはわからないから面白くない。
もちろん、何度も登ったことがあったり、事前知識として調べてた場合は見ただけでわかりますが、
どこにいても、見えている山の名前がちゃんとわかる
のには、山座同定というテクニックが必要となるんです。
最近は専用のスマホアプリもあるようですし、スマホを向ければ自動で山の名前を教えてくれます。
もちろんそれを使ってもOKですが、実はスマホがやっていることも山座同定の原理を利用しているので、理屈を知っておくとちょっとカッコいいでしょ。
山座同定に必要なもの
山座同定は、
- 今いる場所
- 見ている方角
- 地図
が必要になります。
道具としてはコンパスと地図だけです。
本当に正確にやろうとすると、磁北線とか面倒な話も出てきますので、かえって知る気も失せちゃうかもしれません。
「山座同定をビシッと正確にやりたい!」
という方は、別途ネットで調べてみてください。やり方はすぐに見つかるはずです。
ここでは、「山座同定がどういう原理なのか」ということに絞って、簡潔に書いていきたいと思います。
山座同定を具体例で
今回は山ではなく、ある建築物を例に話を進めます。
東京23区内の最高峰で愛宕山というのがあります。
標高25.7mという低い山ですので、周囲はビルに囲まれています。
そこから目立つ建築物が見えたとしましょう。(実際はたぶん見えません)
その建築物がなんなのか、山座同定の原理で割り出してみます。
今いる場所を知る
今いる場所は愛宕山の頂上ですね。
山座同定の条件①今いる場所が確定しました。
見ている方向を知る
見ている目線は青矢印ですが、コンパスを見ると、それは南南西ということでした。
山座同定の条件②見ている方向が確定です。
その線を地図上で伸ばしていくと・・・
地図を見る
線(青矢印)がある建築物の上を通っているではないですか。
そう、それは東京タワーです。
つまり
結果つまり、
「愛宕山の頂上から、南南西に見えていた建築物は、東京タワーだった」
ということがわかるのです。
今回は建築物を例にしましたが、対象が山ならば「山座同定」というわけです。
『今いる場所と、見ている方向を、正確に知ることができれば、見ている山が確定する』
これが、山座同定です。
山ってたくさん重なってるよね?
例で上げた東京タワーは、御存知の通り顕著に高い物ですから、間違うことはありません。
ただ、山って同じような方向に、たくさん山が重なって見えているじゃないですか。
もし、似たような高さの山が、似たような方向に見えていたら、困ってしまいます。
「〇〇山?それとも△△山かな?」
遠くにある山は低く見えるので、高さが逆転して見えてしまう場合すらありますからね。
そんな場合は、ちょっと応用を利かして推理する必要も出てきます。
上の絵は地図で見ると、こんな風になっています。
正面の山の手前に似たような高さの山が重なるようにあり、さらにその手前にもう少し低い山があります。
山座同定をする場合に、山の位置関係(手前か奥か)や高さも補助的に使いながら、導き出していきます。
ものすごく遠くにある山なんかは、その場では地図からはみ出している場合もありますので、方角だけ調べてきて、あとは帰ってからのお楽しみとなることもよくあります。
「ああ、あれはやっぱり〇〇山だったんだな」
問題を解く楽しみ、そして、登った山を他から眺める楽しみ、そして、見た山を次に登りたくなるという欲求。
山座同定、ぜひやってみてください。
ムリに本格的にしなくても、アプリに頼ってもいいです。
頂上でおにぎり食べながら、ゆっくりと時間を楽しんでください。
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初心者以外でも、きっと知らないことあります。