こんにちは、寝袋！です。
「あそこをトラバースしていくと･･･」
「あのトラバースは急で怖いよね」
「すみません、トラバースってなんですか？」
トラバース、初心者にはよくわからない言葉です。
「日本語で言ってくれればわかりやすいのに･･･」
と思うでしょうが、じつはピッタリ来る言葉が無いように思います。
それで誰もが「トラバース」と言うのです。
もちろん、阪神タイガースの4番バースで「トラ・バース」ではありません。
写真を使って、わかりやすく説明します。
そして、
似ているようで違う「巻く」という用語
についても、違いを説明しましょう。
目次
トラバースって？
登りでも下りでもなく「横切る」
トラバースとは、英語で書くと「traverse」と書きまして、「横切る」という意味です。
また、「横断」や「縦走」という意味にもなります。
登山で使うトラバースとは、斜面を登るのでもなく、下るのでもなく、
横切ること
です。
斜面を横切ることです
やや登りながらトラバース
「横切るって言ったって、山は登るか下るかでしょ？」
と思うかもしれませんが、実際、山では斜面を横切るシーンは多いです。
これもトラバース
難しくて怖いトラバース
「登山は、登りより下りが難しい」
とはよく聞きますが、実は、横切ること（トラバース）も下りに負けないくらい難しいことです。
人間、斜めに立つって苦手みたいです
写真が雪斜面ばかりで申し訳ないですが、
登りでも下りでも怖くない斜面でも、トラバースは怖い
時があります。
バランスが難しいうえに、恐怖心が忍び寄ってくるんですよ。
片側は地面で、反対側は空。
山側の足はやや曲げて、谷側の足は伸ばしてバランスをとります。
恐怖心から、ついつい体は山側に傾けてしまいがちですが、そうするとズルズルと滑りやすくて危ないです。
トラバースでへっぴり腰になる人は、じつに多いのです。
「巻く」って？
ついでにもう一つ説明します。
「巻（ま）く」という言葉は聞いたことがありますか？
これも登山以外では使わない用語です。
トラバースと関連する言葉ですので、一緒に覚えてください。
「直登する」と「巻く」
斜面を忠実に登る=直登
登山では、斜面をまっすぐに登ることを「直登（ちょくとう）」と言います。
それに対して、横から回り込むように登ることを「巻く」と言うのです。
「ピーク越えるのは疲れるから、巻いてくれればいいのに！」
という使い方をします。
対象はピーク・岩・滝など
「巻く」という言葉は、様々な対象に使われます。
- 滝を直登する⇔滝を巻く
- 岩を越える⇔岩を巻く
- ピーク（小さな山頂）を越える⇔ピークを巻く
「この滝は登れないから、横を巻こう」
「この岩は邪魔だけど、巻けそうだな」
という使い方をします。
頂上を「巻く」と「トラバース」に
「直登」と「巻く」（こんな「巻き」はしませんが）
その「巻く」という中で、ピークを巻くと、結果的に「トラバース」になることが多いです。
ピークを巻くとトラバースに
「巻く」と「トラバース」は、似ていますがはっきりと違う言葉です。
しかし、関連はあることが、おわかりいただけたでしょうか？
「このピークは巻きたいけど、トラバースが急で危ないかもな」
という感じで使います。
田中陽希さんの「グレートトラバース」
トラバースといえば、田中陽希さんの「グレートトラバース」を思い浮かべる人も、多いのではないでしょうか？
NHKで放送されて、100名山ハンターを中心に、登山者に人気です。
「日本を山を登りながら横切る」
という意味ですから、とてもいいネーミングですね。
「トラバース」まとめ
最初に書きましたが「トラバース」という言葉は、斜面を横切ることです。
英語以外でちょうどよい言葉があればいいのですが、日本語でうまく当てはまる言葉がありません。
それで、登山者はみんな「トラバース」と言いますし、定着しています。
格好つけて使っているわけではないのですね。
あなたもトラバースという言葉の使い方を覚えて、そして何より、
トラバースをうまく歩ける登山者
に、なってください。
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