こんにちは、寝袋!です。
冬山に登る時によくされるのが、
「樹氷と霧氷ってどこが違うの?」
「これって霧氷? それとも樹氷?」
という質問です。
人によって言うこと違いますし、ネットのwikipediaを調べても、難しくてイマイチわかりません。
なんでも答えが転がっているインターネットの時代なのに!
さらに、スノーモンスターとか、エビの尻尾とか、冬山独特の言葉も出てくるではありませんか。
霧氷、樹氷、わたしは実用的にこう理解して使っています。
登山者の皆さんに対する、これが答えです。
目次
冬山は雪と氷の芸術にあふれています
みなさんは、冬の山へは登りますか?
もしも行ったことがないのならば、いつか登っていただきたいと思います。
夏の山もいいですが、冬の山の美しさは格別です。
私は北海道に住んでいますが、北海道の人は、
「北海道で一番美しい季節は、冬」
とほとんどの人が答えます。
同じように、冬山を知っている登山者は、
「山が一番美しいのは、冬」
と答えます。
雪と氷の芸術があふれている世界なのです。
霧氷と樹氷ってどうちがうの?
それでは、今回のテーマ、
「霧氷と樹氷の違い」
についてお話しましょう。
学術的には・・・
まずは、wikipediaで調べてみると、次のような解説が出てきます。
霧氷(むひょう)は着氷現象の一種で、氷点下の環境で樹木に付着して発達する、白色や半透明で結晶構造が顕著な氷層の総称。
学術的には正しい説明なのでしょうが、私たち一般人にはまったく意味不明です。
さらに、それらの種類についてまとめてみます。
霧氷 | 樹氷 | 過冷却水滴からなる濃霧が地物に衝突して凍結付着した氷層のうち、白色で脆いものをいう |
粗氷 | 過冷却水滴からなる濃霧が地物に衝突し、凍結付着した氷層のうち、半透明のものをいう | |
樹霜 | 空気中の水蒸気が昇華して樹枝などの地物に付着した樹枝状ないし針状の結晶である | |
霧氷じゃない | 雨氷 | 白色や半透明の霧氷に対して、着氷性の雨によってできる、ほぼ透明な付着氷は雨氷という |
なんと学術的には、
「霧氷の一種が樹氷」
なんですね。
種類ごとに写真を見てみましょう。
樹氷
粗氷
樹霜
雨氷
区別つきます?
上に写真を上げましたが、違いがわかりますか?
専門家ならばともかく、はっきりとわかるのは「雨氷」くらいじゃないでしょうか?
「霧氷と樹氷」登山者としての結論
ところが、私たち登山者にとっては、小難しい区別が知りたいわけじゃないですよね?
私は、学術的に「これがこうだ!」と見分けることに、意味はないと思います。
私たち登山者にとっては、
「山で見かけるあの姿を、どう呼べばいいか」
だけで十分です。
樹氷(スノーモンスター)
もともとは、(学術的な)樹氷と粗氷が、積み重なって出来たものです。
登山者の世界では、これが「樹氷」です。
木々に雪と氷がこびりつき、木が覆われてしまったものです。
エビの尻尾
(学術的な)樹氷と粗氷が、岩や柱などについて、風上側に長くなったものです。
エビの尻尾とは素晴らしいネーミングですね。
霧氷(その他)
学術的には「樹霜」ですが、風がなくて冷え込んだときに、木々に細かい氷がビッシリと薄く張り付いて、木が真っ白になります。
これが、霧氷と呼ばれます。
水蒸気の多い川や沢沿いでよく見られます。
スノーモンスターでもなく、エビの尻尾でもなかったら「霧氷」。
これでいいです。
登山者にとって重要なこと
こうして見てみると、「霧氷」や「樹氷」について、いろいろな見解があるのは、
「学術的なミクロな意見と、もっとマクロな見た目の意見」
が混ざっているからです。
私たち登山者にとっては、細かいメカニズムではなくて、
「今、目で見ている姿」
がすべてだと思いませんか?
霧氷と樹氷と樹霜と粗氷の区別なんていらないんです。
全部合わさって、今見ている世界は出来ているのですから。
寒いときが一番美しい
冬山は美しいです。
「冬山って危ないし、怖いんでしょ?」
と思う人もいるでしょうが、低山のスノーハイキングでも、たっぷりと冬山の美しさを味わうことはできます。
もちろん、しっかりした準備が必要ですけれども。
「霧氷と樹氷の違い」について、
- 学術的な分類
- 登山者視点での分類
に分けて書きました。
私の結論としては、
- 樹氷(スノーモンスター)
- エビの尻尾
- その他(霧氷)
です。
登山者には、これが答えです。
美しいと思えれば、それがなんだっていいのです。
あなたなりの区別でいいので、それで冬山を楽しんでくださいね!