こんにちは、寝袋!です。
「山男の魂」などと呼ばれる道具、ピッケル。
フランスの詩人ロジェ・デュプラなどは、その作品「もしかある日」で、
「俺が死んだら、美しいフェースに小さなケルンを作って、そこにピッケルを挿してくれ」
などと唄いました。
時は流れ今では、夏はもちろん、冬山でもストックで済ませてしまう登山者も多くなりました。
登山歴が長くても、ピッケルを持っていない人は、結構いるのではないでしょうか。
しかし、やはり少しでも本格的な冬山へ足を踏み入れようとするなら、ピッケルは必要不可欠な道具です。
ところが、ピッケルを買おうと思って初めて、その種類の多さに気づくのです。
「いったい、どれを買えばいいんだろう?」
そんな初心者のために、ピッケルについて選び方を説明していきます。
ピッケル各部の名称と機能
まずは、ピッケルの各部の名称と機能を説明していきます。
ピック | 雪や氷に刺したりする。滑落停止、クライミングの登高時に使う。 |
ブレード | 雪や氷を削る。足場やホールド、休憩場所を作ったりする。 |
カラビナホール | リーシュを付けたり、カラビナやスリングで確保する際に使う。 |
シャフト | カッティングやクライミングのときに持ち手となる。 |
スピッツェ | バランス保持のために雪面に刺す。 |
リーシュ | 手から離れても遠くへ紛失しないように付ける。 |
ピッケルの種類
ピッケルは、大まかに次のように分けられます。
縦走用 | 中間 | クライミング用 |
一般的な冬山用。シャフトが真っ直ぐなのが特徴。あえて強度を下げて、軽量化したモデルもある。長めで杖として使いやすくなっている。 | 両者の中間的な存在。ほぼ縦走用ではあるが、少しシャフトが前傾し、クライミング要素にも対応出来るようになっている。 | 垂直に近い壁などを登るために、シャフトが前へ傾斜して、氷に刺さりやすい形状となっている。短いので、杖としては使いづらい。 |
初心者は真っ直ぐな縦走用一択
はっきり言わせてもらうと、初心者の人はピッケルを選ぶ際には、
シャフトが真っ直ぐな縦走用
を買いましょう。
シャフトが曲がっていたりするのは、クライミングに便利な機能であって、通常の冬山ではかえって使いづらいものなのです。
いつか、そういう世界に進もうという時が来たら、改めてクライミング用に購入するべきでしょう。
シャフトの素材は?
シャフトの素材は、スチール製とアルミ製があります。
スチール | アルミ | |
長所 | 強度がある。適度な重さがあるので作業効率がいい。 | 軽量である。 |
短所 | 重い。しかし最近のは十分に軽いです。 | 強度がない。軽くて削りの作業効率が悪い。 |
ピッケル持っていても、最低限しか使わないという人のためか、アルミ製の軽量なモデルが販売されています。
しかし、強度を落としている割には350g程度で、スチール製の450gとたいして変わりません。
(私のもののように古いタイプは、700gもあります!)
役立つかどうかわからないものより、100g重くても必ず役立つもののほうが、いいと思いませんか?
私はスチール製をオススメします。きっと長い間使えるものになります。
その他のポイント
ピッケルは金属製で、手に持って使うものです。
冬山では、金属というのはとても冷たいもので、どんどん手から熱を奪っていきます。
凍傷になりやすいのも、ピッケルを持っている手なんですよ?
そこで、シャフトやヘッドの手に持つところに、ゴムや樹脂でカバーが付いているものが私はいいと思います。
冷たさが緩和されますし、何より手が滑らないのがいいのです。
私の愛用しているのは、シモン社のマーベリックというのですが、シャフトとヘッド部がゴムと樹脂で覆ってあって使いやすいです。
(もう販売されていない古いモデルですが・・・)
おすすめモデル【レイブンウィズグリップ】
今、私が初心者にオススメするなら、断然このモデルです。
もともと入門用として定評のある(安くて軽くて使いやすい)レイブンというモデルに、ゴム製のグリップを装備したタイプです。
おまけに、専用のリーシュも付いています。うーん、言うことなし。
ブランドもブラックダイヤモンド。
ここは、本格的な人でも満足なアイテムを、比較的安価に展開しているブランドです。
適当に書くのも嫌なので、これ1点だけオススメしておきます。
間違いない!ってやつです。