【遭難ヘリ救助】登山用携帯発煙筒ポッケム【発見される最後の手段】




こんにちは、寝袋!です。

2021年、登山での遭難防止のために、新しいアイテムが作られました。

それは、登山用携帯型発煙筒「ポッケム」です。

たった44gと軽量で、防水で、目立つ真っ赤な煙で発見してもらうための道具です。

遭難しないためのものではなく、道迷いやケガなど、なんらかの原因で動けなくなり、救助を待つことになってしまった場合に、

少しでも発見してもらえる可能性を上げ、無事に帰れるように

使うものです。

まさに、最後の手段。

2021年現在、ほとんど知られていないのですが、今後携行する人が増えるように、詳しくご紹介します。

実際に使ってみた煙の様子も御覧ください。

登山用携帯型発煙筒ポッケム

これが登山用携帯発煙筒ポッケムです

2021年新登場

説明書と、防水パックに包まれた本体

2021年春、火薬製品を作られている細谷火工株式会社さんが、登山者向けの安全グッズとして開発されました。

こちらの会社は、これまでもダイバーやアウトドア向けに発煙筒を作っています。

しかし、一部のプロフェッショナルな人たちだけにしか使えないような、高価なものでした。

このポッケムは、

登山者が手軽に買えて、持ち運びやすいもの

として工夫された製品になります。

発煙筒と発炎筒は違います

このポッケムは「発煙筒」です。

「車に搭載してあるアレみたいなものかな?」

と思いません?

私は第一印象ではそう思ったのですが、じつは違うのです。

自動車に積んであるものは「発炎筒」(音が同じ)というもので、煙ではなく強い炎の光でアピールするものなんですね。

使ったことがない人が多いでしょうから、わかりませんよね。

私も同じでした。

※光でアピールするということは、森の中では上空から見えないということです。

赤い煙

公式サイトより

あとで実際に使った写真を見ていただきますが、ポッケムは、真っ赤な煙を70秒間吹き出します。

シューッという花火のような音と、ほんの少しの臭いとともに、モックモクと吹き出てきてビックリしますよ。

防水・軽量・コンパクト

たった44g

ポッケムはたったの44g(実測)です。

使う寸前に破る、防水ビニールの袋に入った状態です。

苦労して小型化・安価に

煙が白いものでは目立たないですし、大型になると登山者が持っていけないし、かなり工夫して設計されたそうです。

私は試しに1つ入手して、実際に手に取り使ってみましたが、

「これならば負担にならず山へ持っていける」

と感じました。

遭難時にヘリに発見してもらえる

救助ヘリ

この発煙筒は、登山ではどのように使うでしょうか?

あなた自身か、もしくは同行者が、ケガや道迷いで動けず、救助要請をしたときに使うことになるでしょう。

災害や遭難で語られる体験談

登山者のみなさんは、遭難に関するドキュメントや体験談を読んだことがあるかと思います。

そのなかで、

救助活動をしてくれているヘリが、近く(もしかすると頭上でも)を通ってくれたにも関わらず、見つけられずに素通りしていってしまった

という体験がよく出てきます。

経験者は、ホッとして期待したぶん、さらに絶望の淵に落とされる気分だと言いますよね。

派手なレインウェアを振ったり、棒の先に付けたタオルを振ったりするのですが、なかなか難しいようです。

ヘリで上空から探すのは難しい

普段は見れない風景

ヘリで救助にあたる人たちは、上空から人を見つけるプロです。

それでさえも見つけにくいものなのでしょう。

実は昔、一度ヘリに乗せてもらって、上空から自宅周辺を見たことがあります。

私の自宅は周囲に防風林があるのですが、その防風林の中を見ろと言われても、まったく見れませんでした。

見慣れたはずの、木の影にある犬小屋ですら見つけることが出来ませんでした。

「場所がわかっているものですら見つけられないのかよ!」

ととても勉強になったのを覚えています。

私はヘリに関してド素人なので、プロはもっとすごいのですが、それでも難しいのが上空からの捜索なんです。

発見してもらう努力

救助をお願いしている立場で、せいぜい出来るのは目立つことでしょう。

派手な色でアピールするという昔ながらの手段はもちろんですが、もしもそこで発煙筒で知らせることが出来たら・・・?

すごく画期的だと思うんです。

ポッケム詳細レビュー

それでは、登山用の携帯型発煙筒ポッケムを詳しく見ていきましょう。

携帯方法

この状態で持ち運ぶことになります

ポッケムには本体と、説明書がついてきます。

説明書は読んでおく(使用方法は簡単で覚えられます)として、上の写真の状態で持ち運ぶことになります。

赤と黒の本体が、密封されたビニール袋に入っています。

切り欠きがあって手で破れます

防水性を上げるためか、少し厚めのビニールです。

しかし切り欠きがあるので、そこから手で破ることが出来ます。

ナイフが必要なようでは緊急時には使いづらいですからね。

使い方

説明書

おおまかな使い方は、

  1. 黒い筒(フタ)を引っ張って外す
  2. 赤い筒(本体)にある着火点の突起に、黒い筒のヤスリを擦る(マッチの要領)
  3. 本体から強い炎が数秒出る
  4. 炎が消え、赤い煙が湧き出てくる
  5. 70秒後に終了

となります。

説明書の絵を見れば直感的に理解できますが、実際の物を見るだけでも、誰でも着火できるくらい簡単ですよ。

これが着火点(つまりマッチでいえば火薬)

これがヤスリ(マッチでいえば箱の横面)

着火点とヤスリを、マッチを着火するように擦ると、簡単に火が着きます。

ボワーーーッと

すごく濃い赤色の煙が、ものすごい勢いで出てきます。

空に手を高く

ちなみに素手で持っても熱くないです。

臭いはほとんど気になりませんでした。

「70秒って短いのでは?」

と思っていましたが、実際にはかなり長く感じました。

実際に使ってみた「どう見えるか?」

それでは、実際に使ったみた様子を遠くからどのように見えるか御覧ください。

場所は山ではなくて、適当な防風林の中に入ってやってみました。

それを小高い丘から、最大望遠で撮影です。

では、どうぞ。

どこにいるかわかります?

点火!

おおっ!

人は見えないけど煙は見えますね

風があるとけっこう流されるな(ちょっと動いて林から出てしまいました)

平地の高い木でも越えますね

この時点で発煙筒は終了していますね

消えてからもどんどん上昇します

どうでしょうか?

2000円ほどなので、実験で使ってしまうのは懐が痛かったのですが、やっぱり効果を知っておかないと持っていく意味がないですからね(笑)

山の上にはこんな背の高い木は少ないでしょうし、これならかなり目立ちそうですね。

これを見てヘリから降下してくれれば、かなり近くにピンポイントで案内できるような気がします。

あと、白い煙だったとしたら、絶対に目立たないなということもわかりました。

使い方アドバイス「注意点」

70秒後

ただ、実験でわかった注意点があります。

風の強さに気をつけて

実験した時は風速3Mほどで、平地としてはやや強めの日でした。

でも、山ではもっと風の強いことが多いでしょう。

強風ですと、かなり煙が流されてしまうことが予想されます。

ヘリがなるべく近くに来てから

そして、70秒という時間は、かなり長いとは思うのですが、それでも1分勝負ということになります。

ヘリがまだ遠くにいる時に着火するよりも、なるべく近くに来てから着火しないと、効果が薄れてしまいますね。

とくに、風がある日は、ギリギリまで引きつけてから着火して、救助隊にアピールしなければいけないかな。

「登山用携帯型発煙筒ポッケム」入手方法

(2021年5月現在)まだ発売されたばかりで、今はまだモンベルと好日山荘の一部の店舗にあるだけです。

私は仕事の関係で運良く手に入れることが出来ましたが、まだ見かけることは少ないかもしれません。

モンベル・好日山荘の一部店舗

モンベルと好日山荘のなかでも、かなり大きめの店舗に限定的においてあります。

気になる人は、製造元の細谷火工株式会社に問い合わせるのもいいかもしれません。

これから広く展開されるでしょう

私は、登山用の携帯型発煙筒というのは、いいアイデアだと思いました。

個人でももちろんですが、登山ガイドやグループリーダーなど、他人を率いる立場の人は、積極的に装備に加えてもいいんじゃないでしょうか?

そして、このポッケムが新規開拓者として頑張ってくれれば、他社との競争も生まれるでしょう。

「登山リーダーは発煙筒を持参するべし」

という(今はまだない)安全意識が、当たり前になってくれれば、とても良いことだと思いました。

広まって欲しい!

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