こんにちは、寝袋!です。
SNS全盛のこの時代、登山という狭い趣味の世界でも、例外ではありません。
フェイスブックのグループもありますし、ヤマレコやヤマップといった、登山に特化したものも普及しています。
たしかに、他人の山行日記というのは、読んでいて参考になります。
きれいな写真も見せてもらえますし、近々の登山道の状況もわかるという、素晴らしい面がありますね。
しかし、やはりSNSというものは、
短所や弊害も、知っておかなくてはいけない
と思います。
とくに、初心者の人は、ヤマレコなどを鵜呑みにして山に登ると、とんでもないことになりますよ?
目次
そもそも、ヤマレコとは?
「ヤマレコ」は、登山者のためのSNSです。
山に登ってきた一般登山者が、GPSのログ、所要時間、写真、登山日記を公開しています。
全国各地、季節を問わず、初心者から上級者まで記録を載せています。
そのおかげで、自分がこれから行こうとしている山の情報であったり、好きな山の現在の情報を知ることもできます。
また、登山者同士が積極的に交流(フォロー、コメント、いいね!)する場所として利用されています。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/03/OVR61734.jpg)
ヤマレコのいいところ
まずは、ヤマレコのいいところを考えてみましょう。
写真が見れる
登山者が山で撮ってきた、素晴らしい写真を、見ることが出来ます。
「自分が行った時はガスってたけど、本当はこんなにいい景色なのか!」
とか、
「この人たち、楽しそうに登ってるなあ」
でもいいでしょう。
中には、プロ並の腕を持っている人もいるので、感動的な写真に出会えることもあります。
近々の状況がわかる
これから行く登山道の様子、山の様子を調べることが出来ます。
「お、もう紅葉始まってるじゃない。今週末、良さそうだな」
とか、
「今年は残雪多いな。花が咲くのが遅れそう」
とか、とても参考になります。
マイナーな山になると、欲しい情報が得られないことも多いですが。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/03/OVRA1399.jpg)
ヤマレコのダメなところ
次に、ヤマレコのダメなところを書いてみます。
誤解してほしくないのは、ヤマレコというシステム自体が悪いわけではないということです。
SNSは交流の場所とツールを提供しているだけですから、
使っている人たちの問題
です。
また、他にもSNSはあるのに、代表としてヤマレコに登場してもらっているのは、最大手だということに敬意を評して(?)です。
どこも、似たような特徴を持っています。
記録自慢が多い
もう、これに尽きます。
たとえば、1泊2日で登るのが一般的な、北海道の山を例にします。
実際には、95%の人が1泊2日で登っている山なのに、なぜかヤマレコには「日帰り登山」の記録が多いのです。
ここ数年の記録を調べると、なんと120件中57件が日帰り!
おいおい。
当然それらの記録を載せている人は、トレランだったり、超人的体力を持っている人です。
素晴らしい体力に拍手を送りたいところですが、記録の書き方がいけません。
「日帰りに挑戦! 思ったより楽勝だった」
などと書きます。
これほどの上級者なら、分別をもって、初心者のことを考慮して書いて欲しいと思います。
しかしじつは、これなら「まだマシ」なのです。
読む方もアホじゃないので、その人の他の記録を読めば、
「いかにすごいペースで登れる人か」
というのはわかりますから。
「この人のは参考にならないな」
と、たいていの人は理解できます。
でも、
「体力のない自分でも行けた! ◯◯山日帰り」
という人が、じつは多い。
自分をやや下げつつも、いかに苦労して、この大変なことを成し遂げたか?
そういう書き方をするのです。
そして、ほとんどの人は同じような体力の人ですから、
「こいつでこれぐらいなら、私でも行けそうだな」
と勘違いしてしまいます。
また、そういう面白可笑しいヘロヘロ記録のほうが、どうやらSNS的には人気を集めるようですね。
本人は褒められて大満足、読んだ方は勘違い。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/03/OVRA1388.jpg)
無理な山行をする傾向
上のことに通じますが、ヤマレコでは、
「他人とは違う私を知ってほしい! 注目されたい」
とばかりに、やや無理気味な計画を立てる人が多いです。
そして、注目されればさらに上の(無理な)計画を立てますし、注目されなければ、これまたさらに無理な計画を立てるのです。
「無茶してんな~」
と、見ているほうが心苦しくなってきます。
工夫を凝らす
これはあまり害はない(私が嫌いなだけ)のですが、
「記録で注目されないなら、なにか別の特徴でやってやるぜ!」
という人も多いです。
- カッコつけた自撮りマニア
- ぬいぐるみ記念写真
- お料理自慢
- 奇抜な山頂ポーズ
などです。
人の楽しみですから、迷惑じゃなければいいのですが、
「山頂看板」と「三角点」を丁寧に扱わない人
は、ヤメてくれよと思います。
「おれは、到達した三角点は全て足で踏む主義!」
などと言って、大切な石を踏んでいる写真を撮る感覚、個人的には許せません。
自己アピールは、良識をもって、ほどほどにするべきです。
ヤマレコのうまい使い方
ヤマレコはいい情報が集まっていますから、使い方によっては、とてもいいものです。
信頼できる人を探そう
ヤマレコの記録を読んで、
「この人はペースもレベルも自分に似ているな」
「話している内容が信用できる」
と思ったら、その人を覚えておくか、その人のブログやHPへ行きましょう。
つまり、ヤマレコの膨大な情報の中から、有益な情報をくれる人を選び出すわけです。
語り部を探す
もっとシンプルに、たんなる読み物として、面白い語り部を探すのも1つの楽しみです。
登山情報としてではなく、登山日記として、割り切りましょう。
とても面白い文、引き込まれる文を書く人がいますから、山に行っていないのに一緒に楽しめます。
GPSのログを使おう
ヤマレコには、GPSのログをアップロードしている人が多いです。
前に書いたように、時間は参考にすると問題ですが、ルートとしては参考になります。
ログをGPS端末やスマホに入れておき、ルートをロストしないことに利用できます。
とくに、雪山や、災害でルート取りが変わった山など、地図ではダメな場合に有効な手段です。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/03/OVRA1350.jpg)
最後に
私のように、SNSに対して堅苦しく考える必要は、ないのかもしれません。
「SNSってそういうものでしょう? これだからおっさんは」
自由に記録を載せ、自由に読み取り、自由に使う。
そこには、明確なルールがないのかもしれません。
でも、登山というものが、危険を伴う趣味・遊びである以上、
日常生活とは違うSNSのありかた
が必要ではないかと思います。
上級者は、初級者のことを思いやり、勘違いさせないこと。
初心者は、情報を鵜呑みにせず、正しい情報を判断すること。
同じ登山を趣味とする人として、山は、そういう良識ある人がいるフィールドであってほしいと思います。