こんにちは、寝袋!です。
ほとんどの登山者が「意味は知ってるけど、やったことはない」ことの1つがビバークではないでしょうか。
登山小説に登場したり、有名登山家の登山ドキュメントなどで耳にします。
なんとなく意味は知っていると思いますが、ちょっと深掘りして勉強してみませんか?
ビバークにはじつは2種類(最近は3種類?)あることや、ビバークと遭難の関係など、詳しく書いてみたいと思います。
目次
ビバークとは
ビバークとは、ドイツ語またはフランス語が語源です。
フランス語では「bivouac」、ドイツ語では「biwak」と書きます。
日本語では「不時露営」とか「不時泊」と書くことが多いです。
ビバークとは「緊急的に野営して夜を明かすこと」です。
一般的には、予定する場所にたどり着けず、予定外の場所で野営すること、つまり、どちらかというとマイナスイメージで使われることが多いです。
でも、じつはそれは正確ではなくて、実は計画内・想定内のビバークもあるんです。
つまり、ビバークには2種類あるということです。
ビバークにはもともと2種類あります
2種類のビバークには、ちゃんと名前がついています。
フォーストビバーク
1つ目はフォーストビバーク(forced bivouac)です。
これは一般的に使われる、
「計画通りに行かず、予定外の場所で露営して宿泊すること」
を意味します。
ビバークというとカッパやシートやツェルトで寝るイメージですが、縦走中などはテントを持っているので、テントで寝る場合でもビバークです。
フォーカストビバーク
もう1つはフォーカストビバーク(forecast bivouac)です。
これは、山を登る際に、
- 1日ではとうてい登りきれない
- どこで寝ることになるかわからない
- 当然テント場ではない
ことはわかっていて、
「きりのいい場所と時間で臨機応変に宿泊地を決めて宿泊する」
ことを意味します。
どちらも略してビバークと呼びます。
最近耳にする3つめのビバーク
ステルスビバーク(ステルステント泊)?
ところで、みなさんもう1つのビバークを耳にしたことがありませんか?
「ステルスビバーク」(stealth bivouac)というのですが、これの意味はなんでしょう?
これはあまり良い意味ではなくて、本来テントを張って泊まってはいけない場所に、こっそり(ステルス)泊まってしまうことを意味しています。
つまり、ルール違反です。
必要に迫られてやるわけではなくて、
「テント場がいっぱいで嫌だから」
「景色がいいから」
「ちょうどよい場所だから」
と、自己都合で私利私欲のために最初から計画して行うのです。
フォーカストビバークとの違いは?
「いやいや、フォーカストビバークと一緒じゃないですか!」
と理屈をこねてくる人がいるかもしれません。
たしかに、フォーカストビバーク・・・野性味あふれる縦走計画や、沢登りでは、テント指定地以外で泊まることも多く、「事実上のテント場」となっている場所もたくさんあります。
私見ですが、それは、スピード違反で捕まった人が、
「サーキットではあんなにスピードも排ガスも出してるじゃないか!」
とゴネることに似ていると思ってます(笑)
「あなたはルール守って公道走ってくださいね。サーキットの世界を語るのはレースの世界に来てから語ってね」
私たち一般の登山者は、ちゃんとルール守りましょう。
ビバークと遭難の関係
ビバークについてよく勘違いされるのは、「ビバーク=遭難」ということです。
「登山が遅くなって真夜中になって、朝まで寝ることにした」
いわゆるフォーストビバークの場合で、ちゃんと準備万端、一切の危険がない、むしろ安全な手段を選択したのに、「下山してこない=遭難」となるケースがとても多いです。
登山者にとっては想定内、でも、関係者にとっては下山してこないから不安なわけです。
登山者が翌朝元気に下山してきたら、下界では捜索活動で大騒ぎだった・・・。
これは登山者にとっても、捜索する方にとっても困った事態ですね。
登山者として責められるべきは、
「こういう可能性もあるから、その日に下山しなくても騒がないでね」
と関係者に伝えておかなかったことでしょうね。
下山を待つ家族や関係者を心配させるようでは、登山者としてはダメでしょう。
「ビバーク=遭難」ではないけど「自分だけじゃなく関係者もそう判断出来るように」配慮をしましょう。
ビバークは準備と練習もおすすめ
ビバークは着の身着のままでも行えますが、ツエルトやシートなどの装備の準備が大切です。
また、それらを実践で使えるようにする練習も必要です。
雨の日に、家の庭で一晩過ごしてみるのもいい経験になりますよ。
⬇「ビバーク」という単語として、一番有名な「ビバーク」かもしれませんね。
著者が死ぬ間際に残したノートの言葉が、なんとも。
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