こんにちは、寝袋!です。
登山経験を積んできて、今では登山のガイドをしている私ですが、
「初心者の頃の自分に、これを教えてあげたい」
と思うことがたくさんあります。
それらを、当時の私の気持ちを振り返りながら、まとめていきます。
今回は金言その11、
「『心を入れ替えて』なんて不可能です」
というお話です。
私が初心者の頃
初心者の頃・・・というか、今でもありますが、みなさんはこういう経験ありませんか?
頂上に着いたけど、あと15分ほど先に歩けば、景色の良いスポットがあると言われました。
「どうする?」
と考えたけど、
「ま、いいか。今回はやめておこう」
と山頂で引き返した。
縦走中に、山頂を通過するルートと、巻き道でショートカットするルートが出てきた。
「登ってまた下りるのか・・・。どうせ同じところに行くんだし」
と、登りが面倒に感じたので、巻き道を選んだ。
シチュエーションは違っても、誰でも同じような場面に出会ったことがあるのではないでしょうか?
私は数え切れないくらいあります。
そして、今でもつい、ちょっとした苦労をするのが嫌で、楽な方を選んでしまいます。
- よい景色が観れる
- 登ったピークの数が増える
など、ちゃんとご褒美があるのに、あとちょっとの苦労、我慢が出来ないのです。
そこまで登ってきて、疲れてることもあります。
「ま、いっか」
「今日はいいかな。今度は行こうかな」
って、ついつい考えてしまうのです。
そうやって行かなくて、今もまだ宿題になっている場所が、何ヶ所あるでしょう?
きっと、もう2度と行かない場所もあると思います。
あとで後悔しても、もう遅いんですよね。
たった少しの苦労が出来なくて、ずっと心残りになってしまっています。
私があとで気付いたこと
原因は心の弱さ
冷静に考えれば、「行かない」「山頂カットする」などという選択はありえませんよね。
「往復2時間の寄り道」なんていうのならわかりますが、ほんの、ほ~んのちょっとなんですから。
「ここまで来たら、ついでに行っとくか!」
と考えられずに、
「あ、いっか」
に変化する弱い心。
「けっこう疲れてるし・・・」
と、みんな言い訳しますが、じつは、問題は体力じゃなく心です。
だって、往復30分も歩けないほど疲れてるはずはありませんし、巻き道あるから選んだだけで、なかったらそのまま山頂通ってたはずなんです。
「楽なほうとツラいほう、どっちにする?」
と選択権を与えられたから、悩んでるだけなんです。
「じゃあ次回から!」それが無理
ここで、
「そうだな。じゃあ、心を入れ替えて、次からは根性出すぞ!」
って思ってくれたとしても、じつは、それが簡単ではありません。
人って、
体力は鍛えるのに時間がかかる
ことを知っているのに、
なぜか心は一瞬で鍛えられると勘違い
しているのです。
ダイエットとか日記が続かないのも、同じ理由だと思いませんか?
「心機一転、根性で食事制限して、ダイエット成功させてやる!」
と決意するけど、数日後には、
「ま、いっか。ゆっくり痩せるぞ。健康的じゃないし」
と路線変更です。
私はジョギングを日課にしていますが、
「今日は風が強いからやめとこう」
「今日は寒すぎる。今日はダメだ」
と、ついつい自分に言い訳してサボっちゃいます。(それなのに偉そうに書いててすみません)
「あ、この気持ちが、山でつい楽な方に逃げる気持ちになるんだな」
と実感しています。
登山ガイドからのアドバイス
登山者のみなさんには、たとえばジョギングをオススメします。
頑張って続けることで、体力はつくし、無駄な肉は付かないし、心も鍛えられます。
心が鍛えられると、ジョギング自体がさらに続けられるようになります。
継続⇒体力&心⇒継続⇒体力&心⇒・・・
一石三鳥で体力と心を鍛えましょう。
ジョギングじゃなくても、なんでもいいんです。
疲れてきたときに、自分でもう一度根性を出して、体を動かすことが出来るようになってください。
登山者の世界では、
「自分でもう一度スイッチを入れられる人」
とよく表現されます。
すぐにはなれないかもしれませんが「長い道のりも一歩から」です。
私たち登山者は、そのことを一番知っているじゃありませんか。
こちらもどうぞ
かなりの登山経験を積んだ今になって、初心者の頃を振り返って思います。
「あの頃、これを知っていたら・・・」
登山について、お金も時間も無駄にしてきた私ですが、
「これから誰かの役に立てば、無駄じゃなかった」
と思えます。
初心者・初級者が同じ思いをしないために、恥を捨てて書きまくります。
最初から読んでみてください。
お役に立てれば幸いです。