こんにちは、寝袋!です。
残雪期の登山や夏の雪渓歩きなど、本格的なアイゼンがいらない時に使うのが軽アイゼンです。
軽アイゼンを買うとき、悩むのが「ツメの数」だと思います。
各メーカー、4本から12本まで幅広くラインナップされています。
私は人にアドバイスするときは、
「なるべくツメの多いものにしときな」
と伝えてます。
結局、10本ツメがいい!(12本があればもちろんそちら)
半端なツメの数を選ぶ理由はありません。
目次
アイゼンと軽アイゼンの違い
そもそも、「アイゼン」と「軽アイゼン」の違いはどこなのでしょうか。
以前は、軽アイゼンの種類が少なく、ツメの数で、
- 12本のものがアイゼン
- 4本や6本のものが軽アイゼン
と、簡単に説明されることが多かったです。
ところが、今は多様化し、10本ツメの軽アイゼンもあります。
ツメの本数だけでは単純に区別できなくなってきたのです。
簡単に違いをまとめてみました。
ツメの本数 | ツメの長さ | 重さ | 登山靴 | 用途 | |
アイゼン | 10~12本 | 長め | 1kg前後 | 硬い靴 | 山岳全般 |
軽アイゼン | 4~10本 | 短め | 200g~800g程度 | すべての靴 | 低山、残雪期 |
単純に山の高さだけでは語れませんが、概ね、ハイマツ帯を超えるまでは軽アイゼンでも対応できます。
アイゼン
アイゼンが欲しい人は
まず、アイゼンが必要と考えている人は、この記事は参考にしないよう注意してください。
アイゼンは、固定方法によっては登山靴との相性もあります。
ネットの記事を読んで、通販で購入するべきものではありません。
登山靴を持って、登山用品店で実際に合わせて買ってください。
「ガッチリとした靴に、ガッチリと固定」する必要があるのがアイゼンです。
軽アイゼンは
軽アイゼンは、比較的柔らかい登山靴にでも、取り付けることが出来ます。
そのかわり、強くは締め付けられない(締め付けすぎると足が締まる)ので、ツメで立つというような使い方は出来ないのです。
サイズもマッチングも融通がきくので、それほど神経質になる必要はありません。
軽アイゼンの選び方
4本はやめておこう
異論はあるかもしれませんが、4本ツメはやめておくべきです。
4本は土踏まずのところに付くので、足を雪面にフラットに置いたときでないと働かないからです。
斜面では爪先のほうを接地するかもしれませんし、踵のほうを接地するかもしれません。
「4本ツメ付けてるのに、アイゼンが雪に接地していない!」
ということが、よくあります。
ツメは多いほうが、安定(安心?)して歩けるのです。
ツメ数を増やす欠点
私は、なるべく多く、10本ツメのものをオススメします。
ツメが多くなることでマイナスになるのは、
- 重くなる
- かさばる
の2点だけです。
逆にいえば、
「もうこれ以上重いのは持っていけない」
という限界の人以外、わざわざツメ数を少なくする理由がないのです。
たとえばモンベル「スノースパイク10」
- 重さ562g(ペア)
- 中級山域までの冬山トレッキングに適したスノースパイクです。8本爪のアイゼンに前爪2本を備えた仕様で、雪面で優れた蹴り出し効果を発揮します。前爪は小振りな形状なので、スパッツやブーツに引っ掛かりにくく、ハイキングやトレッキングでも快適な足運びです。はじめてアイゼンを着用する方にも使いやすくなっています。スタッフバッグ付き。
スノースパイク10の取り付け方法
軽アイゼンはどれも似たような取り付け方式で、簡単に取り付けられます。
(参考)スノースパイク6クイックフィットの詳細
参考までに、以前使っていた、モンベルの6本ツメの軽アイゼン「スノースパイク6」を紹介します。
ラチェット式のベルトで、簡単に取り付けられるものです。
4本ツメとは段違いの安定感です。
最低限6本ツメを使ってください。
- 重さ520g(ペア)
- 雪山の軽登山や夏の雪渓歩行に最適な6本爪タイプのスノースパイクです。操作性と安全性を両立した独自のラチェットバックル(特許取得済)を採用し、ラチェット部分への雪の詰まりや、岩などへの引っ掛かりによる不意のリリースを防ぎます。左右一足分セット。
比較すると
収納時の大きさは、さほど変わらないのがわかってもらえると思います。
この重さ約100gの増加を許せるなら、10本のほうを使ってください。
「この100gが許せない」って言う人、いませんよね?
予想外のクラスト(氷結)斜面や、ちょっと腰が引けそうな急斜面が出てきた場合に、安心感が全然違いますから。
最後に
冬山なら絶対アイゼンが必要ですが、
- 途中に雪渓が何箇所か予想される
- 使うかどうかわからないけど、念のため
という場合に、重くてゴツい本格的アイゼンを持っていくのは、さすがに気が重いものです。
そういうときに軽アイゼンならば、ザックの中に気軽に入れて持ち歩けるでしょう。
軽アイゼンを買う時に、なぜか人は、
「なるべく軽くツメが少ないもの」
を選ぼうとする心理が働きます。
私も最初は6本ツメを買ったのでわかりますが、
なぜか、歩きやすさより軽さを重要視してしまう
んですよね。
「歩きにくかったら、危なかったら、役に立たなかったら」持っていく意味がないのに。
今はどのメーカーも軽量化に力を入れているので、ツメの本数による重量差は小さいです。
それならば、守備範囲が広くて安心な10本ツメを持っていかない手はないでしょう?
初心者の人ほど、ぜひ10本ツメを選んで、安全に歩いていただきたいと思います。
本格的アイゼンの選び方についても、記事を書いています。
よかったらどうぞ。