こんにちは、寝袋!です。
北海道にある日本百名山のなかでも、
「もっとも登るのがたいへん」
と言われているのが、日高山脈の幌尻岳(ぽろしりだけ)です。
山深いアプローチで、ほぼ日帰り不可能だから。
そして、天候に左右されやすく計画が崩れやすいからです。
「本州から行くんだけど、一番登りやすい時期っていつですか?」
これ、ほんとうによくされる質問です。
遠くから来るので、みなさん必死なんですよね。
そこで、幌尻岳の登山時期について、
- 幌尻岳の全ルートに共通する情報
- 各ルートごとの時期による注意点
をまとめてアドバイスします。
地元民だからわかる幌尻岳のベストシーズンは?
あなたの幌尻岳登山の成功確率を、少しでもアップさせてください。
目次
幌尻岳に登るベストシーズンは?
まずは、幌尻岳をどのルートから登るにしろ、共通することを書いてみます。
台風や大雨に注意
幌尻岳に登るためには、渡渉との戦いを乗り越えなければいけません。
新冠ルートは1回ですみますが、その他は何度も何度も渡渉する必要があります。
つまり、台風や大雨のために、川の水量が増えると大変です。
以前は、北海道の山にはあまり影響はなかったのですが、近年の気候の変化で毎年のように影響が出ます。
最近は毎年のように違うので、こればかりは運頼みです。
残雪期の雪渓
幌尻岳の残雪は、6月下旬から7月上旬で問題なくなります。
年によっては7月中旬まで雪渓が残る場合があります。
ルートが雪渓で隠れている場合のルートファインディング、雪渓歩き(登りだけじゃなく下りも)に自信のない人は、ご注意ください。
入山前の情報収集をしっかりと。
水場について
幌尻岳のすべての水場は、ほぼ枯れることはありません。
唯一、沢が増水時は、濁って使用できない場合があります。
お花は6月下旬からOK
お楽しみの1つ高山植物ですが、幌尻岳では6月下旬からお花がかわるがわる咲きます。
一般的にみなさんが登るときには、お花を楽しめます。
平取町額平川ルートの時期について
前提「登山可能時期」
こちらのルートでは、幌尻山荘の宿泊と連絡バスの運行が、平取町に管理運営されています。
7月1日から9月30日までが登山可能時期となりまして、それ以外は登れません。
じつは秋が狙い目です
何度も渡渉を繰り返すために、沢の水量が増えると登山が不可能になります。
と言ってしまえばそれまでですが、じつは「狙い目」の時期があります。
それは、8月下旬以降です。
なぜかというと、夏が終わりに近づくにつれて、沢の水量が減るからです。
理由は、「雪融け水」です。
大雨が降れば同じですが、通常時の水量が違うのです。
当然、通行不可能になるまでの「余裕」があるわけです。
北海道の山に詳しい登山ガイドは、力が劣る顧客であれば、秋に連れていきます。
新冠町新冠川(陽希)ルートの時期について
前提「登山可能時期」
新冠ポロシリ山荘の利用と、新冠林道の通行はリンクしていて、
7月1日から9月30日までが登山可能時期
です。
9月がおすすめ
2019年はまるまる1年、ルート閉鎖となりました。
新冠林道の道路状況が悪く、森林管理署が通行許可を下ろさなかったからです。
2020年はどうなるでしょうか?
新冠ポロシリ山荘は、宿泊申請を行うことになっています。
7月から8月は大変混み合い、連休などは宿泊を制限される場合もあります。
ところが、8月下旬から9月は、比較的空いています。
6月下旬から7月に、北海道に来る登山者が多いのは、本州が梅雨だからでしょうか。
チロロ林道ルートの時期について
残雪期に注意
チロロ林道からのルートは、よほどの健脚者でなければ、日帰りは不可能です。
避難小屋はないので、テント装備が必要です。
稜線に出るまでのルート上、北戸蔦別岳から戸蔦別岳までの部分などは、雪渓でルートが隠れている場合もあります。
いわゆる百名山レベルよりちょっと上なので、慎重にご計画ください。
テント場は極少です
ルート上に、テント場(指定地ではない)が数箇所あります。
北戸蔦別岳山頂周辺、戸蔦別岳山頂、七ツ沼カールです。
そのうち、七ツ沼カール以外は、非常に狭いです。
テント2つも張れば満員という場所もあります。
利用する人は比較的少ないルートですが、週末など混み合う時期は、注意が必要です。
幌尻岳のベストシーズンまとめ
ベストシーズンの意味は、人によって違います。
お花がきれいな時期? 登りやすい時期?
ずばり、
残雪の景色やお花など、美しい景色なら7月がベスト!
登りやすいのは9月がベスト!
と、地元民の意見としてお伝えしておきます。
各ルートの登り方についてはこちら
幌尻岳の各ルートの詳しい登り方について、こちらで詳しく書いています。
登山をお考えの方は、ぜひご参考にしてください。
また、北海道にある他の百名山の登り方、北海道の山々を登るときの注意点を、こちらでまとめてあります。
本州から来られると、北海道の山は戸惑うことが多いかと思います。
飛行機、レンタカー、ヒグマ、飲水、避難小屋・・・。
ぜひご一読を。